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オウンドメディア、ネイティブ広告、コンテンツマーケティングに関する話題をお届け。株式会社はてなが運営しています。

「手間をかけて自力でブランディング」 全社員100名弱がライターのオウンドメディア「店通」の裏側を聞いた

店舗流通ネット株式会社様の「店通 -店舗流通ネットメディア-」(以下、店通)は、全社員100名弱がライターとして参加するオウンドメディアです。プロのライターに依頼するのではなく、全社員参加型で手間をかけて自力でブランディングすると語るオウンドメディアの目的は何か。

「店通」を担当するプロモーション課の4名に、全社員参加型でのオウンドメディアを企画した背景や、100名弱のライターをどう管理しているのか、なぜはてなブログMediaを導入したのかなど「店通」運営の裏側をお聞きしました。

■「全社員100名弱がライター」のオウンドメディア、開設の理由は

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お話を伺った皆さん(上写真、左より):荻原由勝様、笹沼鮎美様、那須加織様、小針哲夫様


__「店通」の運営を担当するプロモーション課の4名に来ていただきました。まずはじめに自己紹介をお願いします。

那須様 プロモーション課の那須です。WEBコンサルタントとして「店通」には立ち上げから関わっています。2016年1月6日の正式リリース時には、笹沼と2名で「店通」を担当していたのですが、現在は担当者が増えて合計4名で運営しています。

担当になってから日が浅いメンバーもいるので、本日は私がメインでお話させていただきます。

笹沼様 「店通」のサイトデザインを担当しています。さきほども那須から話がありましたが、「店通」には立ち上げから関わっています。

小針様 「店通」に掲載する記事の構成や進行管理を担当しています。入社して半年ですが、「店通」の編集長として記事全般のディレクションをしています。

荻原様 「店通」を活用した外部連携などを担当しています。後述しますが、最近では外部イベントの協賛活動などに携わっています。

__あらためて「店通」という媒体のご説明をお願いできますでしょうか。

東日本営業部 プロモーション課 主任 webコンサルタント 那須加織様

那須様 店通は「飲食業界で生きる人」のための情報サイトです。弊社のお客様である飲食店経営者をメインの読者層とし、飲食店経営に関わるノウハウや、読んで楽しめる食レポなどをお届けしています。

__「店通」を立ち上げた目的についてご説明いただけますでしょうか。

那須様 一番の目的は、店舗流通ネット株式会社のブランド確立です。弊社は、飲食店の出店から退店までをサポートする事業を展開しているのですが、担当する店舗の中身はお客様に任せているため、店舗がオープンしても弊社の名前は表に出てきません。

そのため新しく業界に参入された方々や、業界外では社名や事業内容があまり知られていない課題がありました。こうした課題を解決するために「店通」を立ち上げました。

__企業ブランディングの手法としてオウンドメディアを選んだきっかけを教えてください。

那須様 企業ブランディングの事例として社内のメンバーにLIGさんのオウンドメディアを紹介したのがきっかけです。私はもともと社内のWEBチームで、WEBページの制作を担当していたのですが、情報発信の課題として単体のWEBページを都度作り続けても、なかなか情報が広がらないことがありました。

オウンドメディアでの情報発信はとても手間がかかることだと思いましたが、継続的に情報を届けて自力でブランディングを行う方法として効果的だと考えました。

__自力でのブランディングとありますが、「全社員でつくるオウンドメディア」はとても挑戦的な発想ですよね。なぜ、全社員が協力することになったのでしょうか。

那須様 企業ブランディングをやると社内で考えた時に、ブランディングには外的要素と内的要素のふたつが必要だと考えました。私たちがいくら会社の良いところを外部に発信しても、なかにいる社員が良い会社だと思っていなければ本当の意味でのブランディングにはなりません

ブランディングを成功させるために、会社がどういう方向性で情報発信していくかを全社員に浸透させたい。それならば全社員で協力して会社をブランディングするのはどうかと考えて、全社員参加型というコンセプトを考えました。

■全社員がネタ出しから執筆まで行う「全社員参加型」

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__「全社員参加型」とは具体的に何を全社員で行っているのでしょうか。

那須様 100名弱の全社員がライターとなり、ネタ出しから執筆までを行っています。具体的にはテーマ・内容・結論を記入するGoogleスプレッドシートを作り、月1回の締め切り日を決めて各社員にネタを記入してもらっています。その内容を元に誰の記事を書くかはプロモーション課の4人で決めています。

東日本営業部 プロモーション課 小針哲夫様

小針様 だいたい3ヶ月に1回のペースで各社員に順番がまわって来ます。当番に選ばれた社員にはプロモーション課のメンバーと一緒に企画内容を詰めてから、記事の執筆をお願いしています。最近では記事の質をあげるために、記事構成や取材場所などのアドバイスも意識しています。

那須様 ネタ出しの締め切りや記事の管理などは私たちだけでは管理しきれないので、各部署をいくつかのチームに分けて、そのチームのディレクターに進行管理を手伝ってもらっています。私たちは基本的に各チームのディレクターとやり取りをして、全体の進行を管理しています。

__進行管理は各チームのディレクターに協力してもらい、細かい企画内容はプロモーション課で担当するという分担ですね。

那須様 立ち上げ当初は、こうした分担をしていなかったので大変でした。運用体制を変更してからは記事の企画内容により時間をかけられるようになりました。

__かなり手間をかけて運用していますね。全社員に協力してもらうことは、非常にハードルが高いと思うのですが、社内からの反発はなかったのでしょうか。

那須様 完全にないとは言い切れませんが、想像よりもかなり少なかったです。まず「店通」を始める時に、執行役員から全社員に向けて「なぜオウンドメディアを始めるのか」を説明してもらいました。このように上層部が立ち上げ当初から協力してくれたことが社員の理解につながったのだと思います。

笹沼様 逆に、上層部が協力的ではなかったら、全社員参加型のような大きな話にはならなかったと思います。社長も「店通」に記事を書いてますし、みんなが平等にタスクを抱えている状態です(笑)

__冒頭に目的はブランディングとお話頂きましたが、オウンドメディアのKPIはどのように設定していますか。

那須様 立ち上げ当初はPV・UU・セッション・ページ/セッションなどをKPIとしていましたが、最初に立てた目標は達成したので、いまはどういうKPIを定めるべきかを見直している状態です。

まだ具体的な数値は決まっていないのですが、これからは記事の質をどうあげていくかが課題になると思っているので、それをふまえてどういうKPIにするかを決めたいと思います。

■マニュアルなしで誰でも使える管理画面が欲しかった

__オウンドメディアCMSとして、どういった経緯ではてなブログMediaの存在を知っていただいたのでしょうか。

那須様 普段、サイトの構築はWordPressを使っているので、最初は「店通」もWordPressを使って立ち上げる予定でした。ただ、今回の企画内容の主目的である、これまで弊社を知らなかったひとに情報を届けるためには、なるべく流入のきっかけが増やせるCMSが良いと考えました。

そこで、もっと他に良いCMSはないかと探していたところ、ぐるなびさんの「みんなのごはん」や、アイデムさんの「ジモコロ」がはてなブログMediaで構築されていることを知り、お問い合わせしました。

__もともとはWordPressでの構築を検討していたとのことですが、はてなブログMediaを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

那須様 管理画面の使いやすさが一番の決め手でした。これまでWordPressを使ってサイトを構築する際には、サイト更新の担当者向けにマニュアルを作成していたのですが、100名弱が管理画面を使うことを考えると、マニュアルがなくても操作できるくらいの使いやすさが必要だと思いました。

それなら自分たちで作るのではなく餅は餅屋だろうということで、to C向けにもブログサービスを展開している、はてなのオウンドメディアCMSを選びました。

__餅は餅屋!ありがとうございます。さきほど、流入のきっかけを増やすこともWordPress以外のCMSを選ぶ目的だったとお話されていましたが、そこはいかがでしょう。

那須様 まず、はてなブログMediaは検索のインデックスが格段に早いように感じています。現段階では特にSEOを考慮した記事構成は意識していないのですが、記事を掲載したその日にキーワードで2位になった事例もあり、キーワードでの検索ヒット数が良くなった印象です。

あとは、はてなブックマークとの親和性の高さを感じています。公開した記事が新着エントリーに掲載された時に流入数が増えますし、記事へのフィードバックとしても、はてなブックマークからのコメントが一番多いので、記事についたコメントを見て次の記事執筆に活かしています。

東日本営業部 プロモーション課 主任 デザイナー 笹沼鮎美様

__今回、はてなブログMediaを使って初めてサイトを制作されたと思うのですが、WordPressと比較して気づいた点などがあれば教えてください

笹沼様 WordPressと比べてデザインに制限があると事前に聞いていましたが、思っていたよりも理想通りにできました。良かった点としては、とにかくスマートフォン対応がすごく楽でした

最初はレスポンシブデザインで制作する予定だったのですが、テンプレートの状態でスマートフォンに最適化されたレイアウトになっているので、あとは最初に作成したスマートフォン用のデザインと見比べながら調整するだけでした。

■「店通」が自社の枠組みを超えた新しい取り組みにつながる

__正式リリースから約2ヶ月間が経ちましたが、「店通」開始後の反響はいかがでしょうか。

那須様 売上などの直接的な反響はまだないのですが、すでに採用活動や社内コミュニケーションの向上、外部企業との連携などで効果が出ています

__まず採用面ではどのような効果があったのでしょうか。

那須様 「店通」をはじめたことで、新卒採用に応募する学生の方に会社の事業内容や、社内の雰囲気などを伝えやすくなりました。これまでも採用サイトにインタビューを載せたりと、細かく事業内容を説明していたのですが、今年は「店通」の記事内容を元に志望理由を書いて下さるケースが増えています。

__「店通」が採用ブランディングに貢献した事例ですね。次に社内コミュニケーションの向上はどういう効果があったのでしょうか。

那須様 それぞれの社員が記事執筆することにより、これまで知らなかった社員の一面が分かるなど、社内コミュニケーションの活性化につながっています。例えば、島津義久に学ぶ経営術は弊社の経理担当が執筆したのですが、この記事が掲載されるまで歴史好きだったとは知りませんでした。これまで知らなかった社員の個性がわかることで、社内のコミュニケーションが促進されたと思います。

また「店通」に記事を書いた社員から「PV数やコメントなど、記事への反響が通常業務のモチベーションアップにつながっている」と報告してもらったケースもあります。特に内勤の社員は普段お客様と接する機会が少ないので、本人の知識やノウハウを表現できる場として可能性を感じてくれているのかもしれません。

小針様 反響のフィードバックが仕事のやりがいにつながる例を見て、私たちも日々の運営のなかで気になったトピックスをまとめて、毎週全社員朝礼で発表するようにしました。PVの良かった記事紹介のほか、SNSシェア数やもらったコメントは、できる限り共有しています。

朝会でこまめに情報共有することで、普段から「店通」を読んでくれる社員が増えてきました。より多くの社員に関心を持ってもらえるようになり、私たち運営側のモチベーションアップにもつながっています。

__社員が記事を書くことが、社内への情報共有にもつながるのですね。このほか、これまで公開した記事で反響があったものなどありますか。

東日本営業部 プロモーション課 荻原由勝様

那須様 これまで一番コメントが多かったのは、恵方巻きの記事ですね。節分の日に掲載した記事なのですが、「知らなかった」などのコメントもあり、シェアの伸びも良かったです。

荻原様 都内飲食店の閉店数ランキングも反応が良かったですね。お客様からも「やっぱり新宿か」といった声がありました。閉店数のような弊社独自のデータを元にした記事は、「店通」だからこそ発信できる情報だと思います。

あとは那須が書いた食レポ記事も良かったですね。漫画の日にあわせて、赤塚不二夫さんが名付け親のお店を取材した記事なのですが、ほっこりするようなコメントもあり、反応も良かったです。

那須様 「店通」の記事がシェアされることで、これまで変動があまりなかった自社のSNSアカウント(Twitter / Facebook)もフォロワー数が徐々に増えつつあります。

__歴史から漫画まで、みなさん自分の得意なテーマで執筆しているので、様々な切り口の記事がありますね。

那須様 みなさん謙虚なので、記事にするネタを下さいと言うと「そんなの持ってないよ」と答えます。でも、こちらから質問したり、好きなテーマを雑談しながら聞くとその社員からするとなんでもない情報がみんなの知らない面白いネタだったりするんです。こうした社員のなかに隠れているネタを引き出すことを意識しています。

__外部企業との連携については、どのような効果があったのでしょうか。

荻原様 「店通」というメディアを持つことで、はじめて外部企業との連携ができるようになりました。最近ですと全国の人気店が集まるイベント「美味シュラン」へのメディア協賛が決まりました。

具体的には、イベントに関わる情報発信に「店通」が協力して、現場取材や出店者の募集などを行います。このように「店舗流通ネット株式会社」という社名から入るのではなく、「店通」というメディアを使って一緒に何かできないかを考えることが、外部企業との新しい取り組みにつながっています

__自分たちのメディアを持つことが、自社の枠組みを超えた新しい取り組みにつながるのですね。それでは最後に「店通」の今後の展望を教えてください。

那須様 短期的な展望としては、量より質を目指す方向にシフトしていきたいです。これまでは毎日更新を意識して運営してきたのですが、今後は記事数に特化せずにライターとの校正作業に時間を割いていきたいと思っています。

また長期的な展望としては、全社員が自社の持つノウハウを積極的に発信することにより、弊社を知らなかった読者の方にも信頼や安心感をもって頂きたいです。それが最終的には、店舗流通ネット株式会社のブランド力の向上につながればと思っています

__ありがとうございました!



全社員が協力して自社メディアをつくることが、企業ブランディングや新しい取り組みにつながるなど、SEOやコンバージョンだけではない、オウンドメディアの力を感じるインタビューでした。

はてなブログMediaを利用したオウンドメディア構築をお考えの企業様は、以下よりお気軽にお問い合わせください。