はてな営業部長の高野(id:mtakano)です。
おかげさまではてなも様々な方からお声掛け頂くようになりました。
これまでは広告、マーケティングを担当されている方を中心にお話をすることが多かったのですが、もっとはてなの事業を大きくするために、人材紹介会社の方や事業会社の方、メディア、ジャーナリスト、出版社の方など、また少し違った方々ともお会いする機会が増えてきました。
そこではてなの営業部についてご説明すると、「そんなにいろんなことをやってたんですね」と驚かれることが多いです。
確かに、はてなの営業部がどのような仕事をしているのか、外からはイメージがつきにくいと思います。
今、2016年8月時点ではてな営業部は約10名です。まずここで「そんなにいるんですか?」とよく驚かれます。
媒体の営業というと、一般的にはメディアガイドに載ったバナー広告を販売しているイメージがあるかもしれません。しかし一方ではてなのビジネス色が薄いことから、「そんなに人がいて何をやっているの?」とギャップを感じられるようです。
はてなの営業は色々なことをやっていて、実は10名でも足りていません。広告に限らずどうやってはてなを収益化をしていくかを考え、実行しているチームという方が近いのかもしれません。
実はいろいろやっています
コンテンツを拡散させるネイティブアドの企画販売、オウンドメディア構築CMSご導入にあたっての仕様説明から立ち上げまでのディレクション、記事制作における企画立案や調整、GoogleAdSenseやその他アドネットワークの収益改善など、多様な業務を行っています。
さらに、広報マーケティング、事業開発、セミナー開催等の営業推進活動、売上管理などの業務も兼務しています。
このような活動を通して、どうやって売上を伸ばしていくかという議論から施策の実行、エンジニアやデザイナーと連携しての商品開発までを全員で取り組んでいます。
ただ、やはり言えば言うほど実態がわかりづらい。
もっと人を増やして取り組みの幅を広げていきたいのですが、外から見て何をやっているかわからないのでは採用活動にも支障があります。
そこでまずこの記事では、はてな営業部の収益化の歴史を振り返りつつ、どのような考え方で仕事をしているかをお伝えしたいと思います。
他媒体と同じマネタイズ手法がとれず苦しんだ時代
というわけで歴史です。
まずほんの数年前までは、はてなもその頃の他のポータルサイトやメディアと同じようにバナー広告を中心に販売していました。
しかしなかなか広告は売れず、苦しい時期が続きました。
その頃、多くのポータルサイトやメディアは、自分たちのサイト、中でも主にTOPページへ人をたくさん集め、バナー広告をクリックしてもらったり記事風広告に誘導したり、アライアンスページと呼ばれるようなクライアントのサービスに登録できるサイトを媒体の中に作ったりすることによる収益が中心でした。
ステマと呼ばれる、金銭のやり取りがあるのに広告であることを隠した記事風広告が話題になったのもこの頃です。
言い方に語弊はありますが、そのような収益方法はどの媒体でもできることで、単に集客方法やコンテンツの中身がその違いでした。
そのため、どこかの媒体で効果が出ると、成功した収益方法は別の媒体への横展開されていきます。
ユーザーをTOPページに集め、そこからいかにして目的の場所へ送客していくかというモデルなので、簡単に数値化できるし、わかりやすいので代理店経由でたくさん売れました。
実際、「この媒体のこのメニューの平均CPCは〇〇円で……」とexcelでシートを作れば、KPIとなるPV数やCPAが導き出しやすいので、売る側も買う側もとても楽だったと思います。
ですがはてなは、TOPページにユーザーが集まるサイトではなく、媒体が動線を作るというよりも、ユーザーどうしでコンテンツを中心につながっていくサイトのため、他の媒体と同じような広告モデルはできず苦しんでいました。
ステマをやらずにユーザーと一緒に広告を作ることにした
それでもステマだけは絶対にやらないことにしていました。
苦しんでいるとは書きつつも、今振り返れば良い意味で試行錯誤の期間でした。
広告表記は明示しつつ、ユーザーに自ら訪問してきてもらえる、ユーザーに楽しんでもらう広告をつくろう、と知恵を絞っていました。
わかりやすい広告ではありませんが、ありがたいことにはてなを理解してくれているクライアントを中心に着実に売れていきました。
この時代に、クライアントとコミュニケーションをとりながら、はてななりの広告のあり方を考えていたことが、今の営業部の文化に着実に繋がったと思います。
この時、ユーザーと一緒に広告を作っていくという一つの事例がライフネット生命様とのはてなセリフキャンペーンでした。
アイデムさんとのコラボ企画で山の中を居酒屋店員の格好で走り回ったこともあります。(仕事です)
山登りに適したアルバイトの制服はどれか? :: デイリーポータルZ
このようなキャンペーンをきっかけに、2013年からコンテンツマーケティングセミナーを開催してまいりました。
はてな×NHN Japan×ニフティ・デイリーポータルZの共同で、「コンテンツマーケティング・セミナー」を開催します(参加費無料) - はてな広報ブログ
選んだ広告方針が時代にマッチしてきた
その後、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行とソーシャルメディアの隆盛が重なっていった結果、メディア媒体をTOPページから見て回遊していくという流れは減ってきました。
ユーザーが、面白くてためになる記事コンテンツを中心に情報を得ていくようになってきたのです。
もちろん、たくさんのファンが更新を楽しみにして、TOPページにアクセスしている素敵なメディアもたくさんあります。
ただ多くのメディアは、人の流れが大きく変わった現状に見合った形で収益を考えなければなりません。
さらにステマは許さないという風潮と、JIAAが広告におけるガイドラインを定めたことから、だんだんどの媒体もユーザー第一に考えなければ広告展開が難しくなってきました。
そのような風潮の中で、はてなが以前に表明していた「ステマをやらない」という方針が、各種書籍や雑誌で取り上げられることもありました。
従来型メディアも「広告」未表記横行、脱ステマの認識深めよ 日経デジタルマーケティング
ニーズにあわせ商品を進化させていく仲間と働きたい
そうして試行錯誤の結果生まれた、はてなブックマークで評判を得るためのネイティブアド、企業のオウンドメディア構築を支援するCMS「はてなブログMedia」が、今では多くのお問い合わせを頂くまでになりました。
営業の役割も、いわゆるコンテンツマーケティングという領域全般にまたがる、ソーシャルメディア、SEO、解析、制作、編集、エンジニアリングなどの知見が求められるようになりました。
タイアップ企画の制作進行をしている隣で、オウンドメディアのデザインディレクションをしている営業がいます。
その隣に、どのような広告枠がユーザーにも好かれて広告主にも喜ばれるか、数値を見ながら分析している営業がいます。
もちろん、今はお問い合わせが増えているとはいえ、またインターネットの状況も広告業界のニーズも変わるかもしれません。
ですから、自分たちが販売しているメニューをよりよくしていくためにどうすればいいか、もっとはてななりの面白くて新しい広告商品ができるのではないか、営業部でも議論し続けています。
これからメディアはどうやって収益化していくのか、CGM媒体がどうやって収益化していくのか、ユーザーと広告がどう共存していくべきなのか、全員が日々学びながらアイデアを出しあっています。
長くなりましたが歴史はこの辺にして、もう少し具体的に何をやっているのか、各メンバーからご紹介させていただく記事を後日公開予定です。はてなの営業部がどんな仕事をしているのか興味がある方は、ぜひそちらもご覧ください。
※8/22追記 公開しました!
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※8/24追記 9月7日にはてな営業部初となる採用セミナーをやることになりました!実際にどんな仕事をしているのか詳しく聞いてみたいという方、ご参加お待ちしてます。
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