2018年4月24日(火)にWebマーケティング・広告・宣伝・広報ご担当者様を対象とした無料セミナー「はてなコンテンツマーケティングセミナー」を開催しました。
セミナーでは、H.I.S.「タビジョ」のInstagram活用事例を中心に、ユーザーコミュニティやユーザー投稿コンテンツの力を借りたコンテンツマーケティングについてご紹介しました。
本レポートでは、その模様を一部お届けします。
H.I.S. 「タビジョ」のInstagram活用と共感マーケティング
株式会社エイチ・アイ・エス 関東広告グループ コーポレートコミュニケーションチーム チームリーダー 丹下 陽一郎様にご登壇いただき、旅好きユーザーから70万以上の投稿を集めるH.I.S.「タビジョ」のInstagram活用やコミュニティ運営についてご紹介いただきました。
H.I.S.が2016年3月にスタートした「タビジョ」は、Instagramアカウント「@tabi_jyo」を核に、旅好き女子との接点を持ち、コミュニケーションを通じて関係性を深めながら、旅の魅力を広く発信するプロジェクトです。
「私が所属するコーポレートコミュニケーションチームでは、運用するオウンドメディアやソーシャルアカウントを使って、旅行会社が持つ一般的な写真素材を使った情報発信を行っていました。しかし、それでは、ユーザーに情報は届かず、他社との差別化も図れていないのではという課題感がありました」と話す丹下氏。
差別化のできる自社コンテンツをユーザーにしっかりと届け、コンテンツを通じて旅行のきっかけづくりを実現するために、どういった方法があるかを模索するなかで、旅行好きのユーザーがInstagramに投稿する「旅先の魅力を上手に切り取った写真」に注目したそうです。
丹下氏は「Instagramには、ユーザーが旅先で撮影した素晴らしい写真がたくさんあることを知りました。我々が思いつかないようなシチュエーションや場所で撮られた写真は、他のユーザーにとって旅のきっかけになりうる魅力的かつ身近なコンテンツだと感じました。このような旅好きのインスタグラマーの力を借りて、新たな旅の魅力を開拓し、一緒に盛り上げていくコミュニティを作れないかと考えたのが、タビジョを開始したきっかけです。当時、コンテンツのオリジナリティに加えて、どのようにオウンドメディアのコンテンツを安定的に確保するかという課題もありましたので、ユーザーのコンテンツを使って、それが解決できればとも考えました。」と説明しました。
アカウントに関しては「単にInstagramで新しいアカウントを作ろうという気持ちではなく、最初からコミュニティを作りたいと考えていた」と話し、ハッシュタグを通じて投稿が活発化していた「〇〇ジョ」を参考に「タビジョ」と名付けたそうです。
今では1日に約2,000の投稿がある「#タビジョ」ですが、ローンチ当初からすぐに盛り上がったわけではなかったといいます。「コミュニティが盛りあげるために実施した施策のうち、効果的だったと思う3つの施策」を紹介してくださいました。
1. オウンドメディア「Like the World」との連携
「#タビジョ」が付いた投稿を、公式アカウントで紹介していくなかで、投稿内容やコミュニティへの参加度(#タビジョへの投稿数など)を基準に選定したユーザーに声をかけ、オウンドメディアの記事制作を依頼。ユーザーやその知人からの反響を得られただけでなく、自社制作コンテンツに比べてシェア率が高かったそうです。また差別化されたオリジナルコンテンツをオウンドメディアにストックできるため、その後継続的にユーザー制作の記事を発信しているとのこと。いまではオウンドメディアの人気連載になっています。
2. オフラインイベントの実施
日ごろ「#タビジョ」に集まる参加者とH.I.S.の関係性をさらに深めるため、オフラインイベント(MeetUp)を企画・実施。オンラインでやり取りを継続していた参加者同士の関係性も深まり、MeetUpがさらにオンラインでのコミュニケーションがさらに活発化したと実感されているそうです。また他企業のプロダクトやイベントとのタイアップで、コミュニティの層を広げるきっかけにもなっているとのことです。
3. コミュニティを象徴する存在として、公式インスタグラマーを選定
フォロワー数ではなくコミュニティへの参加度を加味し、「タビジョ」コミュニティを象徴する存在として、 5名を 「タビジョ公式インスタグラマー」に選定。Instagramストーリーを活用した等身大の旅レポート「タビジョレポーター」などを展開しました。これらの施策により、コミュニティへの求心力が高まり、また注目度が上がったことで「インスタ映え」文脈での各メディア露出機会の創出になったそうです。
https://like-world.his-j.com/story/3406like-world.his-j.com
こうしたいくつかの施策で成長した「#タビジョ」コミュニティの資産を活用し、H.I.S.ではタビジョの意見を存分に取り入れたツアーを販売しています。
「当初は、アクティブに旅行を楽しむタビジョ公式インスタグラマーやコミュニティで目立っている方々をターゲットにしてツアー商品を開発したのですが、なかなかうまくいかなかった」と話す丹下氏。理由は「タビジョにアクティブに投稿するような旅好き女性は、旅の行程があらかじめ決められたツアーの利用率が低く、ツアー商品との親和性が低い」というものでした。
丹下氏は「そこで、ターゲットをタビジョレポーターのフォロワーに変更して、タビジョレポーターたちの意見を商品開発に反映したツアーを販売しました。信頼するタビジョのおすすめが盛り込まれたツアーは安心感があり、関心度も高い」と話します。
タビジョレポーターとの共創による「タビジョはじめてツアー」の販売は好調で「意外にも50-60代といったInstagramのメイン利用者層以外にも受け入れられるという発見があった」とのこと。
丹下氏は「タビジョレポーターに撮影してきていただいた写真は、Webだけでなく店頭予約のチラシでも効果があるとわかりました。Instagram=若年層といったイメージをいい意味で裏切ってくれた気付きでした」と話します。
コミュニティ運営の今後について丹下氏は「関わり続けたいと思ってもらえる場づくりを続けていくこと。そして関わってくださる方に活躍の場や役割をご提供することで、さらに魅力的なコミュニティにしていきたい」とまとめました。
はてなコミュニティを活用したコンテンツマーケティング事例
株式会社はてな ビジネス開発本部 営業部長 兼 事業開発部長 大久保良太からは、当社が取り組む個人向けサービス「はてなブログ」「はてなブックマーク」のコミュニティ活用についてご紹介いただきました。
コンテンツマーケティングの課題として以下を挙げ、はてなサービスの特徴や歴史などから「サービスが持つコミュニティ要素をうまくコンテンツマーケティングに活用いただきたい」と話しました。
「当社では、2003年からブログサービスを提供しています。ソーシャルメディアが普及する前は、自分の考えをまとめて発信する場所はブログが中心でした。そのころから、ブログの書き手と読み手のコミュニケーションが活発に行われており、ブログサービス提供から今日までの15年で培ったユーザーコミュニティ資産が存在しています」と説明。
よい文章を書くことができるブロガーがたくさんいること、それらのブロガーに「読者」というファンがいること、よいコンテンツが拡散する「はてなブックマーク」というプラットフォームがあることを説明し「コンテンツマーケティングの課題であるコンテンツの制作と流通を、はてなのユーザーさんの力を借りて解決するという方法があります。企業が、特定のテーマについてのブログ投稿を募ったり、オウンドメディアのコンテンツ制作をブロガーに依頼するなどのやり方があり、事例は増え続けています。」と紹介しました。
はてなブロガーに限らず、オウンドメディアのコンテンツ制作で、ブロガーからの寄稿をお願いするケースは増えています。
「はてなでは、ブロガーさんの活躍の場が広がっていくことを推奨しています。プロの書き手とは違った魅力のあるコンテンツの制作にご協力いただける一方で、ブロガーに依頼するときのお作法や注意点にも配慮は必要です」と説明し、以下ビジネスブログの記事を参考にしつつ、気になるブロガーへのアプローチしてみることをおすすめしました。
大久保は「コンテンツマーケティングに取り組む際に、はてなコミュニティにいるユーザーを味方につけることで、企業課題の解決に貢献できるケースもあるかと思います。」と話し、はてな営業部がサポートした事例などをご紹介しました。
はてなブログ「お題キャンペーン」事例
- りっすん×はてなブログ特別お題キャンペーン「りっすんブログコンテスト〜わたしの転機〜」 - はてなブログ
- 特別お題キャンペーン「『選択』と『年齢』」by SK-II - はてなブログ
- 特別お題「2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》」キャンペーン by Netflix - はてなブログ
- JR西日本「駅で、列車で、心温まるマナーの話」with はてなブログ - はてなブログ
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はてな営業部では引き続き、ゲストをお招きした無料セミナーの開催を予定しています。ぜひご参加ください。
はてなコミュニティを活用したコンテンツマーケティングをお考えの企業様は、はてな営業部へお気軽にお問い合わせください。