はてな営業部では、企業のWebマーケティング・広告・宣伝・広報ご担当者様を対象にした無料オンラインセミナーを開催しています。昨年5月からの1年間でセミナー開催数は30回となりました。毎回多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。
セミナーでは、毎回最後にZoomのQ&A機能を使った質疑応答の時間を設けております。本記事では、過去30回のセミナーで寄せられた250個のご質問の中から、よくいただくものを6個抜粋してご紹介します。
戦略(計画)に関する質問
Q. オウンドメディアは立ち上げてから成果が出始めるまでどのくらいの期間を要しますか?
当社セミナーでは、オウンドメディアは立ち上げの前の「計画」を含む戦略設計が最も重要であるということに加え、短期間で効果の出るものではなく、KPIによっては一定の時間を要するケースが多いものであるとご説明しています。
A. 回答
当社がクライアント様のオウンドメディアの戦略設計やコンテンツ制作を支援させていただく場合、最低でも半年、できれば1年は積み重ねが必要であるというご認識を持っていただくようご説明させていただいています。
オウンドメディアの目的やKPIによりますが、読者獲得にせよブランディングにせよ、まずはしっかりと良質なコンテンツを掲載してストックしていくことで成果につながるマーケティング施策になるため、コンテンツが蓄積され読者と関係を構築するためには、一定の時間が必要であると考えています。
導入企業からのヒアリングなどでも、立ち上げから半年以上は経過を見るという計画を立ててらっしゃる企業が多い傾向にあると感じています。
オウンドメディアの計画については以下記事やセミナーでもご紹介しています。
business.hatenastaff.com
Q.どのようなKPIを持っているメディアが多いのでしょうか。またKPIはどのくらいで見直すべきでしょうか?
オウンドメディアが成功するポイントのひとつにKPIの設計があります。狙いなくPVをKPIにしてしまうことで、オウンドメディアの貢献が可視化・共有されづらくなるケースなどもあるため、KPIの設定は重要です。
A. 回答
どのようなカスタマージャーニーを設計しているかによってさまざまですが、具体的には以下のようなものを設定している事例があります。もちろんPVをKPIにしているメディアもございますが、PVのみにすることは当社はあまりおすすめしていません。理由は効果が出るまでに時間がかかるものである点と、オウンドメディアの目的によっては、PVだけでは貢献や効果が可視化されない場合があるからです。またこうした定量的なものだけではなく定性的な「記事へのコメントや反響」をしっかり確認したり、そうした情報が集まる・確認できる仕組みを整えておくことも大切です。
- ブランドリフト調査の結果
- 固有名詞の検索数
- 検索流入の割合
- SNS言及数・シェア率
- SNS言及のポジティブ/ネガティブ分析結果
- 記事から事業サイトへの送客率
- オウンドメディア購読者数(サブスク登録含む)
- オウンドメディア購読者数
- リピート訪問率/数(UU)
- 記事更新数
- オウンドメディア滞在時間
- 広告効果
またKPIごとに毎月/3か月といった期間で振り返りつつ、オウンドメディアのフェーズによって半年に1度は全体の見直しと調整をされることをおすすめしています。
KPIについてや他社事例などは以下記事よりご覧いただけます。
Q. オウンドメディアのペルソナは1つに絞るべきでしょうか?
「オウンドメディアのペルソナ設定とカスタマージャーニーの作り方」に関するセミナーやワークショップで多くいただく質問です。
A. 回答
必ずしもひとつである必要はありません。しかし、複数のペルソナを作り、そのペルソナの像が異なりすぎると、その後のカスタマージャーニーでの動きやタッチポイントで求められるコンテンツが落とし込みづらくなります。ペルソナやジャーニーの大きな役割のひとつは、オウンドメディアの役割やコンテンツの企画方針などが明確になり、共通認識を持てるところですので、ペルソナが複数いることでその難易度が上がる可能性があるかと思います。
ペルソナ作成の具体的な方法については、いくつもの本でさまざまな手法が紹介されています。専門的なものから簡単に実施できるものまでありますので、自社に合うやり方を探してみるか、コンサルタントに相談するなどの方法で作成することをおすすめしています。
運用に関するご質問
Q. 運用に関わるチームは何名体制にしているメディアが多いですか?
オウンドメディアの戦略設計によりますが、これから始める場合にどのくらいの規模でチーム体制を組むのが望ましいか、気にすべきポイントは何かといったご質問を多くいただきます。
A. 回答
予算や目的によって異なるものですが、当社が支援させていただいているオウンドメディアの場合、社内にオウンドメディア編集長を含む1名~2名のご担当者様がいらっしゃるケースが最も多いです。当社のようなコンテンツ制作や戦略設計支援を行う外部パートナーと一緒にメディアを運営すれば、十分チームは機能します。社内の担当者様だけで運営する場合は、コンテンツを内製することになるので、定期的にコンテンツを制作する仕組みや、スキルを持ったスタッフが必要になります。
また、コンテンツ制作以外にも、CMSのメンテナンスやデザイン、脆弱性対策など、社内の他部署の協力を要するケースでは、あらかじめそうした専門のスタッフにチームとしてかかわってもらえるよう事前に調整しておく必要があります。「はてなブログMedia」のような手間のかからないSaaSを採用するか、WordPressなどで自社構築するかは、オウンドメディアの運用コストとチーム体制に大きな影響を与えますので、それらを踏まえた戦略設計を行い、予算と人員の確保などをしておくことがその後の運営にとって重要になります。
CMSの選定は専門部署からの協力確保などチーム体制にも影響を与えることは、オウンドメディア構築時に見落としがちなポイントのひとつです。以下記事では「はてなブログMedia」などのSaaSを採用した場合と、WordPressなどでいちから構築した場合のメリット・デメリットについてご説明しています。
Q. 記事は月に何本公開するのが望ましいでしょうか?
オウンドメディアのコンテンツがストックしていくことで成果に近づくというお話をするため、このような質問も多くいただく傾向にあります。
A. 回答
ペルソナとカスタマージャーニー次第ですので、一律で月最低何本という解があるものではないと考えます。オウンドメディアの目的は何で、コンテンツを活用してどんなペルソナにどんなタッチポイントで何を訴求したいかによって変わるという前提ですが、当社が支援しているメディアの場合は月に10記事、週に1~4記事を目安に運営しているところが多い傾向にあります。
目的や更新頻度はメディアによって大きく異なります。目的・工数・体制に応じて、継続しやすい方針を定めていくことが大切です。以下「はてなブログMedia」を採用いただいているオウンドメディアを見ていただいても、更新頻度や記事の内容は各社によって異なることがお判りいただけるかと思います。さまざまなメディアを見て、参考にしてみてください。
Q. ライターさんや編集プロダクションさんにお願いする場合、どういう方法で自社に合う方を探せばいいでしょうか?
良質なコンテンツを定期的に発信していくためのリソースが社内で確保できない場合や、執筆・編集に関する専門的な部署を有していない場合は、外部パートナーの協力を得て運用しているメディアがほとんどです。
A. 回答
ご自身がさまざまなコンテンツに触れて、良かったなと思うものの書き手さんや担当した編集プロダクションさんがどこか、クレジットを意識してみるとよいと思います。ライターさんであれば、その方のSNSやブログ、ほかの記事などに目を通し、自社のメディアにご協力いただきたいと考えた場合は、「その方にお願いしたいと思った理由」を添えて直接ご連絡する方法があります。編集プロダクションさんの場合は、何社か気になった企業さんにお声がけをしてお話を伺い、自社に合うコンテンツを担当いただけそうなところを検討してみるとよいと思います。
コンテンツ以前に、戦略設計からお願いする場合も、いくつかの企業とお話してみることをおすすめします。
オウンドメディアの戦略設定からお手伝いさせていただいているはてなでは、メディアの戦略からコンテンツの運用・集客まで幅広く支援させていただいています。そのなかで取り組んでいるブロガーさんへの執筆依頼などについては、以下でノウハウを共有しておりますので、ぜひご覧ください。
今回は、セミナーでよくいただく質問のなかから6つの事例をご紹介しました。今後も定期的に、いただいたご質問と回答を共有するコンテンツを発信予定していく予定です。
また、定期開催のセミナーは以下で最新情報を公開しています。ぜひご参加ください。