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GA4連載第1回:オウンドメディア担当者がGA4に移行するべき4つの理由(寄稿:小川卓)

Google アナリティクス(以降「GA」)の利用停止が2023年6月末と残り9ヶ月をついにきりました。Googleは代替ツールとしてGoogle アナリティクス 4(以降「GA4」)を提供しており、多くの企業がGA4への移行を始めています。

support.google.com

しかし「GA4は難しそう」であったり「今はまだGAが使えるから大丈夫」ということでGA4の移行を行っていないサイトも多いのではないでしょうか。3回シリーズとして、GA4の導入や設計など数多くの案件に携わっている株式会社HAPPY ANALYTICS小川卓id:ryuka01)がGA4に関しての連載を寄稿させていただくことになります。

全3回の内容は以下の通りとなります

  • 第1回:オウンドメディア担当者がGA4に移行するべき4つの理由
  • 第2回:GA4を導入するための初期設定と活用するべきレポート
  • 第3回:「オウンドメディアサイト × GA4」で見るべきKPIや分析方法

改めてGA4とは?

GA4はGoogleが2020年の10月にリリースした次世代アクセス解析ツールです。2006年からリリースされたGAとは互換性がなく新しい解析ツールとなっています。リリースされてから15年経ち、会社が情報を発信する方法は大きく変わってきました。静的なHTMLページで作られていたサイトが、動画やインタラクティブなUI、EC機能などを備えるようになり、ページ内で表現出来る方法も増えました。SEOの考え方も大きく変わり、単純にキーワードとリンクだけで対処はできなくなり、よりユーザーにとっても(検索エンジンにとっても)価値を提供出来る「読まれる」コンテンツが必要となってきました。

またアプリの登場も大きな変化でした。アプリは新たに自社コンテンツを提供するための重要なピースとなりました。このような進化に対応するためにGAは随時アップデートしてきましたが、ツギハギになってしまいました。そこでそもそもの計測思想を変え、ユーザーのサイト内のページ閲覧以外の行動をしっかり計測するということを主眼に新しいツールとしてGA4が生まれました。

GA4の特徴を3つあげるのであれば「ユーザーの行動を(ページ閲覧以外も含め)同じような形式とルールで取得する」「データを利用した機械学習や自動分析が行える世界を目指す」「より深い分析が出来る機能を提供する」の3つで、これをよりプライバシーを重視する方向で実現することです。

概要を説明したところで、ここからはオウンドメディア担当者がGA4をなるべく早く導入するべき4つの理由を紹介いたします。

オウンドメディア担当者がGA4をなるべく早く導入するべき4つの理由

理由1:自動で計測出来るデータが増えている

GA4では新たな拡張機能として、GA4管理画面で設定するだけで取得出来るデータが増えています。代表的なものとして「スクロール計測(ページの90%までスクロールした)」「外部リンククリック(他ドメインへのリンククリックがどのページで行われて、どこに遷移したのか」「ファイルのダウンロード」などが挙げられます。

以下のレポートは、どのページで(ページパスとスクリーンクラス)で、どの外部リンク(リンク先URL)が押されたかをチェック出来ます。

今まではGoogle Tag Managerの設定や各リンクに記述を追加する必要がありましたが、GA4では自動で取得出来ます。アフィリエイト先のリンク回数をチェックしたり、自社の他ドメインサイトへの誘導貢献などを計測することが出来ます。

このように導入するだけで新たなデータが取得でき、分析に役立てることができます。はてなブログを利用されている場合は、はてな側が用意した機能として、90%までのスクロールだけではなく記事を最後まで読んだという「読了」に関しても計測が可能です。


理由2:より正確な表示時間が計測出来る

GAではページや訪問の滞在時間は「最後に表示したページの時間 ー 最初に表示したページの時間」で計測されていました。そのため1ページだけ見て帰ってしまった場合(オウンドメディアではよくある事ですが)、その1ページの滞在時間は計測されていませんでした。

これはゼロとして計測するのではなく、平均滞在時間などを算出する時に分母に含まれていませんでした。そうすると、取得できていた時間というのは、複数ページ見た人だけの数値でした。

しかしGA4では仕様がGAとくらべて2つ変わりました。1つは「最後に表示したページの時間」を使うのではなく「最後に発生したデータ計測の時間」を使うということです。読了やスクロールなどを計測していた場合、

ページ表示 ⇒ スクロール ⇒ 読了 ⇒ 離脱

というような動きがあった際には「離脱の時間 - ページ表示時間」で計算されます。GAですと1ページしか見ていなかったのと、たとえスクロールや読了を実装して計測していたとしても、それらの発生時間は無視されていました。これにより1ページ閲覧に関しても滞在時間を一部計測出来るようになりました。

また表示時間に関しては「前面」に出ている時間のみを計測します。以下の画像の例では「Real Analytics」のサイトが別タブで開いておりユーザーの画面には表示されていません。

GAの場合はこのような状態でも滞在時間は計測されていましたが、GA4の場合は、表示されていないので滞在時間の対象外になります。これにより、「ユーザーの画面に出ている」正確な時間が計測出来るようになりました。

以下は同じサイトでGAとGA4の数値を比較したときのデータになります。

GAの場合

GA4の場合

GAでは3分4秒なのが、GA4では1分14秒と変わっています。もちろんランディングページごとに見ても数値は違います。筆者としてはいまのGA4の数値のほうがより実態を表していると考えています。

他にもセッションの定義が変わったことでより、正確なセッション数が取得出来る。直帰率が廃止され、より意味があるエンゲージメント率(10秒以上滞在 or 2ページ以上閲覧 or コンバージョンした)の指標が追加されるので、計測精度はGA4の方が高いと言えるでしょう。

理由3:より深い分析が行えるようになった

GA4には探索機能という、データをある程度自由に組み合わせたり、導線を見るための専用のレポートが用意されているので分析の範囲が広がりました。今回はその中から2つ紹介いたします。

目標到達プロセス

1つ目は「目標到達プロセス」のレポートです。こちらのレポートでは自由にSTEPを設定し、その進み具合を見ることが出来ます。オウンドメディアであれば、新規訪問に対して再訪し、その後特定の行動をしてくれたのか?などの数値を簡単にチェック出来ます。

また追加出来る条件もページ閲覧だけではなくGA4で取得しているほぼ全てのデータが利用できます。以下の例では4つのステップを追加しています。


  • STEP1:初回訪問
  • STEP2:再訪
  • STEP3:特定のコンテンツ閲覧
  • STEP4:お問い合わせにつながった数

どこで離脱が多いのか確認も出来ますし、施策を行った時に完了率がどのように変化したのかを期間比較する上でも便利です。

コホートデータ探索

もう1つ紹介するのが、「コホートデータ探索」です。こちらでは新規あるいはサイトに訪れたユーザーのうち、何人や何%が再訪しているかがわかります。データは日・週・月単位で閲覧が可能です。

オウンドメディアでは継続的に見てもらうことでサービスや商品、ブランドの認知に繋がる可能性が高いので、特に重要なデータです。上記の例では週ごとのデータとなっており、一番上の行は9月5日から10日に新規訪問した人が1521人で、そのうち10.0%が翌週も再訪していることがわかります。さらに内訳を見ることで、より詳細な評価を行うことが出来ます。

デバイスごとでかけ合わせてみたところ、モバイルの再訪率がデスクトップより大きく低いことがわかります。内訳は様々な項目を追加できます。よく利用するのは流入元やランディングページです。これらのデータを見ることにより集客施策や、ページの再訪貢献などを分析出来るようになります。


理由4:移行には時間がかかる

GA4の導入自体は、どこまで細かく実装するかにもよりますが、1時間から3か月とかなり幅が広いです。
はてなブログのGA4導入機能を利用すれば、確認含め1時間もあれば終わりますし、ECサイト等になってくると実装要件が複雑なため時間がかかります。

しかし大切なのは実装にかかる時間ではありません。その後、GA4を利用して社内で運用をしていくための準備期間も移行に含まれるということです。

GA4の操作方法に慣れることから始まり、いままでGAで見ていた数値があるのであれば、それをどのようにGA4で出すかを覚える必要があります。またLooker Studio(旧:Googleデータポータル)などのダッシュボードサービスを利用している場合は、GAとGA4では互換性が無いためレポートの再作成となります。

また社内でゴールやKPIを決めている場合、GAとGA4では仕様の都合上数値がずれますので、平行計測期間(GAとGA4は同時に利用出来ます)でそれぞれの数値を確認し、GA4にあわせた目標やKPIの数値設定が必要となります。

これらに対応することを考えると数ヶ月かかってもおかしくありません。導入は可能な限りはやめに進め、年末までにまずは計測開始するところまでは行っておきましょう。後回しにすると来年の春や夏に後悔することになります。

まとめ

今回はGA4に移行するべき理由を4つ紹介しました。本内容を参考に自ら動いたり、社内やクライアントを説得してみましょう。次回はGA4の導入方法や初期設定について触れます。

なお筆者はGA4の情報サイト「ga4.guide」を運用しています。こちらのサイトでも実装や設定などについて触れておりますので興味がありましたらご覧ください。

またGA4本も書いておりますので、こちらも良かったら手にとっていただければ幸いです。

www.amazon.co.jp

それでは次回の記事でまたお会いしましょう。


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今回、寄稿いただいた小川卓氏によるGoogleアナリティクス4のオンライン勉強会のレポート記事もあわせてご覧ください。
business.hatenastaff.com

本勉強会の資料は以下よりダウンロードしていただけます。参考資料なども含めて、GA4の理解や移行に役立つ情報をおまとめいただいておりますので、ご希望の方は必要情報をお送りください。(はてなからオウンドメディアに関するセミナーや商品のご連絡をさせていただきますので、あらかじめご了承ください。)

【全66ページ】勉強会資料ダウンロードフォーム


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著者名:小川卓
株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の社外取締役、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。
株式会社HAPPY ANALYTICS
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