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オウンドメディア担当者は、どんな風に役割分担をすればいいの?

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こんにちは、はてなビジネスブログ編集部です。

近年、広報や採用、マーケティングなどの業務を行う部署を中心にオウンドメディアの活用をするケースが増えてきています。

すでに一定のノウハウがある企業であればマニュアルや過去の事例に沿ってコンテンツの制作フローやチーム内での役割分担もイメージしやすいかと思いますが、初めてオウンドメディアを立ち上げる場合、「どんな風に役割分担をすればいいの?」と迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。

はてなでは、オウンドメディア運用支援サービス「はてな MediaSuite」の提供をしていますが、実際に、各企業様から運用に関するご相談をいただく際にも、オウンドメディアの運営体制についてご質問をいただくことが少なくありません。

オウンドメディアの運用体制はメディアの規模や関係者の人数によっても異なりますが「最低限おさえておきたい役割」があります。

特に複数人が関わる場合、「役割分担」があいまいなまま進めると、手戻りや属人化、品質のばらつきなどが起こりやすくなります。

本記事では、そんなオウンドメディア運用の「役割分担(運用体制)」に関してご紹介をしたいと思います。
 

株式会社はてなのオウンドメディア事例集をまとめた資料「オウンドメディア事例集」を公開中。各企業の運営体制やKPI、成果まで多くの担当者へのインタビューが掲載されています。オウンドメディア運営による効果からKPIなど、これからオウンドメディアを立ち上げたいと思っているご担当者様におすすめの資料です。

なぜ役割分担が重要なの?

そもそも、オウンドメディアを運用していくにあたって、さまざまな「やるべきこと」があります。

さらに多くのタスクが必要なケースもありますが、おおまかな全体像として以下のようなステップ・項目について考えていくことになります。

▼「オウンドメディアのタスクリスト」(※横にスライドするとスクロールします)

1. 計画

  • 市場調査
  • 課題設定
  • ペルソナ、カスタマージャーニー設定
  • メディアコンセプト
  • KPI策定
  • 媒体名の決定
  • メディアロゴ
  • チームビルディング

2. 構築

  • ドメイン取得
  • サーバー契約
  • サーバー保守運用
  • 閲覧性対策
  • セキュリティ対策
  • 機能開発
  • CMS選定
  • SEO設計
  • デザイン
  • 外部サービス連携

3. 制作

  • 編集方針
  • 確認フロー
  • 著者選定
  • 企画立案
  • 編集/校正
  • 関連部署確認
  • OGP設定
  • 著者との契約

4. 流通

  • SNS運用
  • 広告運用
  • 入稿素材準備
  • 外部配信交渉
  • 著者交渉

5. 分析

  • 解析ツール選定・設計
  • Google Analytics 4
  • Google Tag Manager
  • 広告分析
  • SNS分析
  • レポート

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オウンドメディアをリリースしたあと、定常的に発信する「コンテンツ制作」のプロセスを例にとっても、コンテンツの企画、執筆、編集、公開、分析、改善……と、複数の工程が段階的かつ継続的に動く必要があります。

また、それぞれの工程では求められる視点やスキルも異なります。例えば、コンテンツの企画においては「オウンドメディアの目的やゴールに沿ったものとなっているか」という視点で見る必要がありますし、実際に記事を制作(執筆する)フェーズでは文章表現力も求められます。

だからこそ、複数人で運用する場合はもちろん、実務担当者が1人の場合でも、「それぞれの役割が何であるか」を明確に分けておくことが大切です。

役割分担を明確にしておくことで、以下のようなメリットがあります。

  • 作業の抜け漏れや属人化を防げる
  • コンテンツの品質と更新頻度を安定させられる
  • 判断基準が明確になり、スムーズに進行できる
  • 改善点を分析しやすくなり、PDCAが回る

役割分担をしっかりしておくことは、オウンドメディアを戦略的かつ持続的に運用するために欠かせないものであると言えるはずです。

オウンドメディア運営に必要な役割とは?

では、実際にどんな役割(担当者)が必要なのでしょうか。以下に、オウンドメディア運営で求められる主な役割を紹介します。

運用責任者 / 編集長

そもそもオウンドメディアの運用を検討するということは、何らかの事業課題を解決したいというのが前提としてあります。

そのため「オウンドメディアで解決したい課題は何か、ゴールはどこか」という点をしっかりと把握し、また他の施策との連動性も踏まえ、オウンドメディアの役割に沿ったコンテンツ戦略ができているのかなどを判断していく「責任者」の存在が必要です。メディア全体の方向性策定や、KPIの設定や分析などオウンドメディア運用を推進するポジションになります。

加えて、オウンドメディアを運用していくには経営層を中心とした理解促進や社内外の他の関係者と協力していくことも重要。こうした調整の役割も担うことになります。

このポジションは「編集長」として任命されるケースも多いです。

オウンドメディアの運用はマーケティングや広報、採用担当者の方が行うケースも多く、いわゆるコンテンツの制作や編集を専任で行ったことがない方がオウンドメディアの担当者になることも。

そのため、場合によっては

  • オウンドメディア全体の戦略や方針を定め推進していくポジション
  • コンテンツに関するクオリティを担保するポジション

をそれぞれ任命し、連携しながら運用していくケースもあるでしょう。コンテンツ制作部分を外部のパートナーと協力しながら実行していくことも考えられます。(全体統括をプロデューサー、コンテンツ周りの管理をディレクターと呼ばれているケースもあります)

ただ、媒体規模にもよりますが、オウンドメディア運用の担当者は一人ということも珍しくなく、担当者=責任者(編集者)として孤軍奮闘するケースも少なくありません。

※「コンテンツマーケティング・サーベイ2023夏」調査では「チームに専任のメンバーは何名いますか?」という質問に対し、B2B企業の48.0%、B2C企業の58.5%が「0名(専任のメンバーはいない)」または「1名」と回答している
参照:CONTENT MARKETING SURVEY2023 Summer | コンテンツマーケティング・サーベイ 2023夏

編集長と聞くとコンテンツ制作の経験などがないといけないのではと思いがちですが、オウンドメディア上でユーザーとどう関係構築していくかを理解し、それに基づいて社内外から集まった企画やコンテンツの判断をできる方であれば、必ずしも「コンテンツの制作スキルの有無」はマストではないと考えています。

コンテンツの企画制作、編集経験者が編集長を務めるケースもありますが、はてなで運用支援を行っているお客様でも、マーケティング部門や広報部門の方が編集長を務められていることが多いです。外部のパートナーと協力しながらオウンドメディア運用を行うケースも少なくありません。

Column:オウンドメディアはコンテンツマーケティングを実践するための主要な手段の一つ
コンテンツマーケティングは「優良なコンテンツを生活者に届け、顧客と信頼関係を築くマーケティング手法」のこと。一方的な情報発信ではなく、ユーザーに関心を持ってもらえるような価値のある情報を発信していくことで、顧客との関係性構築が期待できます。自社の独自性や価値観を他メディアに依存せず発信できるオウンドメディアは、コンテンツマーケティングの手法として有用とされている

コンテンツディレクター・編集者

オウンドメディアのコンテンツ方針に沿って、具体的な企画の立案や制作を行うポジションになります。社内リソース上「ひとりオウンドメディア運用」をしている場合には、この部分を外部のパートナーに依頼することもあります。

オウンドメディア運用の集客手段の一つでもあるコンテンツSEOを実施する場合、KW調査やテーマ設計といった知識があるとなお望ましいですが、社内のマーケティング担当者などがこの部分を切り分けて担うケースもあります。

記事制作には

  • ライター(原稿の執筆)
  • デザイナー・イラストレーター(アイキャッチ画像や図表、資料のデザインなど)
  • カメラマン(インタビューコンテンツの撮影など)

といったコンテンツ内のテキストや画像や写真などが必要になってきます。こうした作業を担当するメンバー(インハウスの場合もあれば、外部のパートナーに依頼することも)のディレクションやクオリティチェックなども行います。

なお、編集者がライティング作業などを兼ねる場合もあります。

ライターなど「コンテンツ制作者」

上記の通り、記事のテーマに沿った原稿を執筆する「ライター」、アイキャッチ画像や図表などを作成する「デザイナー / イラストレーター」の役割も必要になります。

オウンドメディアによっては、社員インタビューやテーマにフィットする有識者などに取材し記事化するケースも少なくありません。こうした場合、インタビューコンテンツの制作が得意な外部ライターなどを活用する方がスムーズな場合もあります(デザイン面も同様)。メディアの規模や予算に応じて選択するようにしましょう。

社内のナレッジを共有する記事もオウンドメディアではよく見られ、普段記事執筆を業務にしていない従業員に執筆をお願いすることも少なくありません。

この場合、メンバーをうまく巻き込みながらコンテンツディレクター・編集者が伴走して記事制作を進めていく体制ができているとベストです。

▼外部パートナーと円滑に記事制作するポイントはこちら

CMSディレクター(必要に応じて)

特に立ち上げの段階ではCMSの管理、デザイン調整などの工程が入ってきます。運用年数に応じて追加したい機能が出てきたり、デザインリニューアルが必要になってきたりすることもあるため、メディア構築や改善のスキルがあるメンバーをアサインできると安心です。


上記以外にも、SNSとの連携や数値改善、記事の流通施策などオウンドメディア運用で必要な役割は多岐にわたります。すべてを完璧にした体制を敷くのは難しいケースも少なくありません。

こうした業務は運用責任者や編集者などが兼務して見ていくことも多いですが、必要に応じて外部の制作会社や運用支援を行う企業と連携するのも一つの手段として有効です。

少人数体制(ひとり担当者)ではどう分担すべきか?

すべての役割を専任で配置するのは難しい、という企業も多いはず。特に立ち上げフェーズでは「1人で全部やっている」というケースも珍しくありません。

その場合、全部完璧にこなす必要はありません。重要なのは「今、自分がどの役割の業務をやっているのか」を意識しながら、タスクを分解して対応していくことです。

例えば

  • メディアの目的やゴールについての検討→編集長ロールの業務
  • 具体的な記事テーマ・企画考案→編集者(コンテンツディレクター)の業務。最終的なジャッジ(企画のありなし)は編集長としてしっかり行う

といったように、「役割の名前を意識すること」自体が、整理と改善の第一歩になります。作業をしていく中で「自分は今、どの役割の業務を行っているのか」がわかれば、やるべきことがクリアになっていき、混乱が減るはずです。

ただし、冒頭でもお伝えした通り、可能であれば「すべて一人」という体制ではなく、複数人体制で運用していけるようにしていきましょう。

なお、弊社はてなのようなオウンドメディア運用支援を行う企業と連携していくのも手段の一つです。

はてなでは各企業様の運用状況に合わせてメンバーをアサインし、万全な体制でのオウンドメディア運用をサポートしています。

オウンドメディア支援体制の一例。
オウンドメディア支援体制の一例。いわゆる「運用責任者(編集長)」はお客様側が担う形となりますが、具体的にどんなオウンドメディアを運用していけばいいのか、といった全体戦略の策定や推進をはてなの「媒体責任者」がしっかりサポートする体制をとっています。また、具体的なコンテンツ制作部分は「編集責任者」として設け、媒体の目的とゴールを踏まえた企画立案 / 制作進行・管理を担当しています。(ライティングやデザインなどはパートナーとも連携して実施します)
***

オウンドメディア運用では、どんな役割が必要なのか? をまず理解することが重要。誰が、何を、どう進めていくかを明確にし、現状の体制に合わせて役割分担をしていくようにしましょう。場合によっては外部のパートナーと連携していくのも手段の一つです。

はてなでは「はてな MediaSuite」としてオウンドメディアの計画から運用までオウンドメディアのトータル支援サービスを提供しています。オウンドメディアの立ち上げを検討している方はもちろん、運用中メディアの見直しを考えている場合にも、まずはお気軽にご相談ください。

はてなの記事制作支援について

はてなでは、ブログサービスやメディア運営のノウハウを活かし企業のオウンドメディアの記事制作支援を行っております。
読者から支持され、ソーシャルメディアなどでも広くシェアされるようなコンテンツを戦略的に企画・制作し、貴社のオウンドメディアを成功に導きます。
オウンドメディア立ち上げをお考えの担当者様や、運営中で記事制作にお悩みを抱えている担当者様は是非一度ご相談ください。

オウンドメディア支援サービス「はてな MediaSuite」

戦略設計から記事制作、運用までトータルで支援します

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