こんにちは、はてなビジネスブログ編集部です。
企業オウンドメディアを運用する担当者の中には、「コンテンツ制作」に関連した業務を経験してこなかった……という人も多いのではないでしょうか。
そんな方にとってハードルの高さを感じる記事コンテンツの一つとして挙げられるのが、インタビュー(取材)の制作。
「そもそも何から始めればいいのか?」という作り方のステップが分からない、というケースだけでなく、取材執筆、あるいは編集作業も含めた制作をまるっと外部のパートナーに依頼する場合でも、「自分が何を決めて、何を任せればいいのか」が分からず、なんとなく原稿を受け取って終わってしまう……なんてことも考えられます。
この記事では、そうした方に向けて、オウンドメディアでインタビュー記事を制作する際の全体のおおまかな流れを紹介します。
なおインタビュー記事は制作過程において並行してさまざまなタスクが発生します。そのため、一つの目安として参考にしていただければ幸いです。
インタビュー記事を制作する前に
インタビュー記事は
- 自社の商材・サービスの深堀りや事例紹介
- 求職者に企業の雰囲気を知ってもらうための社員紹介
- 自社のサービスに関連したトピックの専門家に話を聞く
……など、さまざまなパターンがあります。いずれも共通するのは「取材によって得られた情報から作られた記事」であること。
取材対象者の「生の声」を記事に落とし込むため、独自性のある記事が作れるのもインタビュー記事ならではのメリットです。
実際にオウンドメディア上でインタビュー記事の制作を検討するときには、「なぜインタビュー記事を発信する必要があるのか」「どんなインタビュー記事が必要なのか」が明確であるか、という点が大事になってきます。
この部分が曖昧なままだと、期待するような成果が出ずに、「作り損」になってしまうケースも考えられます。
こうした状況に陥らないためにも、オウンドメディアの運用計画の段階からどんなコンテンツが必要か、という方針を決めることは非常に重要となってきます。
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オウンドメディア運用担当者は「メディアの目的・ゴール」を念頭に置こう
また、実際にインタビュー記事を検討する際に「どんなコンテンツを作るべきか」という判断は、オウンドメディアの運用担当者が主導していくケースが多いです。
例えば、採用強化の一環として社員インタビューを掲載する場合においても、「どんな人物像に共感してもらいたいか」「特に注力したい部署や職種はどこか」といった狙いを定める必要があります。
事例紹介においても「サービス導入前の課題」や「活用の工夫」「導入後の成果」など、ユーザーに届けたい要素は何か、をあらかじめ設計しておくことが重要です。
読者との接点を広げ、メディア全体への関心やファン化を促すのを狙いとして、メディアのテーマと親和性のある有識者や著名人を起用したインタビューコンテンツを計画することもあるでしょう。こうした記事制作では、外部パートナーから企画アイデアを出してもらい、制作までお願いするケースも少なくありません。
この場合においても、最終的なジャッジはオウンドメディア担当者がメディアの目的やゴールに沿ったものになっているか? という視点で判断していくようにしましょう。
外部パートナーに企画立案から依頼する場合にも、「どんな目的で運用し、どんなテーマ(軸)・コンセプトのオウンドメディアなのか」といった媒体説明を事前にしておくことで、企画提案のミスマッチを軽減することが期待できます。
▼外部パートナーを活用した円滑な記事制作のポイントはこちらの記事でも紹介しています
取材対象者の選定
記事の目的を明確にしたら、実際に誰に取材するのか、という取材対象者(インタビュイー)の選定が必要になります。
取材対象者については「話を聞きやすい人」よりも「目的に合った情報を持っている人」を基準に選ぶようにしましょう。
外部ライターに取材・執筆を依頼する場合は、「なぜこの人に話を聞くのか」「記事の目的・狙い」を依頼段階で共有しておくようにしましょう。
取材準備
取材対象者に打診をし、インタビューの実施が決まったら、取材の準備に入ります。
より細かいものとしては「取材日時の調整」や「取材場所の選定(オンライン or オフライン)」などがありますが、取材対象者やライター・カメラマン等(起用する場合)と非同期的にやりとりをしながら確定させていきます。
取材準備の段階で行う大まかな流れは以下のようなものがあります。
- 大まかな構成を考える
- 想定質問を考える(ライターを起用する場合は連携して考案する)
- 取材対象者に情報を共有する
まず取り組むのは、大まかな構成を考えること。取材対象者のリサーチ段階である程度聞きたいことや聞くべきことが大体固まっていることも多いですが、「どの話題に重点を置くか」「どんな読まれ方をしたいか」を整理しておくことで、取材時に必ずおさえておきたい質問や、記事全体の方向性がクリアになります。
記事全体のイメージを膨らませるのと並行して、想定質問も考えていきます。目的やテーマによって質問内容は異なりますが、基本的には記事の目的やゴールから逆算し、質問を組み立てていくとブレにくいです。
想定質問が固まったら、取材対象者に想定質問は事前に共有するようにしましょう。
取材の目的や狙い、掲載イメージなどはインタビューの依頼段階で伝えている(取材対象者がインタビューの可否判断の材料となるため)かと思いますが、想定質問と合わせ再掲する形で企画書などにまとめて展開すると親切です。
なお、ここまでの内容は自身で取材執筆も行う、あるいは取材執筆のみライターに依頼する状況を想定したものになります。後者ではオウンドメディア担当者が「編集者」のような立ち回りをすることになります。
エディター(編集者)がいる制作会社に取材執筆も含めてまるっとお願いする場合は、こうした事前準備も含め対応してくれます。ただし、提案された構成や想定質問が適切か? というチェックは必ず忘れず行うようにしてください。
取材当日
インタビュー当日はインタビュアー(多くの場合ライター)が会話をリードする立場にはなりますが、オウンドメディア担当者として同席する場合はその場の空気作りや補足の役割にも注力することで、より深い話を引き出せる可能性があります。
まず心がけたいのは、取材の冒頭で「今日はこういう目的で話を聞かせてほしい」と改めて参加者全員で認識をそろえること。これにより、インタビュイーは内容の方向性を把握したうえで話しやすくなります。
インタビュー中は話を無理に止めず、できるだけ自然な流れを重視します。予定していた質問にこだわりすぎず、思わぬ方向に話が広がることも歓迎する気持ちでいきましょう。むしろ、そこでしか出てこない本音やエピソードにこそ、記事の核が潜んでいることも少なくありません。
ただし、明らかに話が脱線している状態が一定時間続くようであるなら、区切りのいいところで「改めて、◯◯について伺いたい」といった声をかけるなどして軌道修正をしていきましょう。
また、細かな数字や名称など、記事にする上で必要になる情報は、会話の中であいまいにせず都度確認しておくと、あとからの修正が減ります。録音は必須(録音する旨はあらかじめインタビュイーに伝えておきましょう)ですが、メモも並行して取りながら、後の工程で整理しやすい素材を確保しておくと安心です。
自身で執筆は行わず、オウンドメディア担当者として同席する場合は、話の流れに集中しつつ、「記事で必要になりそうな部分」が出てきたときに質問を補足するような立ち回りが求められます。
単に“横で聞いているだけ”にならないよう、あらかじめ質問の役割分担をしておくのもおすすめです。
記事の執筆・確認
取材が終わったら、いよいよ記事の執筆フェーズです。
自身で執筆する場合、聞いた内容をそのまま時系列で書くのではなく、「読者にとって読みやすい構成」になるよう再整理することを意識しましょう。
たとえば、印象的なエピソードを冒頭に持ってきたり、課題→施策→結果という流れで見せたりと、インタビューされた人が“語った順番”ではなく、“伝わる順番”を意識することが重要です。
語り口のトーンを整えたり、わかりにくい部分を注釈で補足したりしながら、文章としての完成度を高めていきます。
また、インタビュー記事の形式(まとめ方)は媒体によってフィットするものが異なります。可能であれば執筆前の段階から「どういうまとめ方」をするのか決めておくようにしましょう。
▼記事の「形式」について紹介した記事もぜひご覧ください
ライターが執筆し、オウンドメディア担当者が原稿をチェックするという座組みの場合は、「この情報は想定読者が理解してもらえそうな表現になっているか?」「本来伝えたいこととズレていないか?」「記事の狙いに沿った内容になっているか?」といった観点で原稿を見るようにしましょう。
原稿が完成したら、取材対象者・関係者にも内容を共有しフィードバックをもらいます。共有するときには記事中で使用予定の写真や画像も入れた状態で展開すると、公開時のイメージがつきやすくなり、修正回数をおさえることにつながります。
インタビュー記事の制作は、慣れていないと難しく感じるかもしれません。でも、全体の流れと各ステップでの役割を理解すれば、過剰に悩まずに進められるはずです。
何より重要なのは記事の役割を明確にしておくこと。ここがしっかり認識できていれば、自身で制作を進める場合にも立ち返る場所ができ、外部パートナーに実制作を依頼する場合にも、その提案や原稿の「良し悪し」の判断がつきやすくなります。
社内で対応するのか、外部と連携するのか、適切な分担と判断をしながら、自社ならではのインタビュー記事を発信していくようにしましょう。
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