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企業課題と読者の架け橋となる「メディアコンセプト」を決めよう 〈オウンドメディアのつくり方 第2回〉

こんにちは、はてな営業部の武富と申します。普段はオウンドメディアの立ち上げを支援する「はてなMediaSuite」の担当として、企業様のオウンドメディアの全体設計やコンテンツ企画などを担当しています。

この企画はオウンドメディアの立ち上げ担当者に向けた「オウンドメディアのつくり方」を全3回に分けて説明するものです。第1回ではオウンドメディアを始める際に「決めなければいけないこと」を紹介しました。

第2回ではメディアコンセプトのつくり方を説明します。メディアコンセプトのつくり方は担当者によって様々ですが、この記事では一例として私が普段考えている流れを紹介できればと思います。

<目次>

メディアコンセプトとは

魅力的なコンテンツ案を考えるのも大事ですが、まずは指針となるメディアコンセプトをつくることが重要です。メディアコンセプトとは「企業課題」と「ユーザー(読者)」をつなぐ架け橋になる言葉です。サイトデザインやコンテンツ設計、日々の運用などで迷ったときに立ち返る軸でもあります。

メディアコンセプトを考える前に準備すること

メディアコンセプトは「企業課題」と「ユーザー」の架け橋になる言葉です。そのため私はメディアコンセプトを考える前に、その両端にある「企業課題」と「ユーザー(想定読者)」の情報を集めるように意識しています。今回は「人材系企業のオウンドメディアづくり」を例として、それぞれの考え方を簡単に説明します。

企業課題を考える3つのポイント

企業課題は、企業様の内部に情報があります。そのため基本的には企業のオウンドメディア担当者の方が、社内の関係者と相談しながらまとめていく必要があります。課題だけに焦点をあてて考えはじめると、オウンドメディアでは解決できない大きな問題に立ち返り、収集がつかなくなることも多いと思います。そこで企業課題をまとめる際は「事実」「課題」「結論」の3つのポイントをまとめるのをおすすめします。

「事実」には、オウンドメディアをつくる背景にある事実をまとめます。「リスティング単価が高騰している」「競合がオウンドメディアでの集客に成功している」「アンケート調査による企業の認知度が低かった」など、現状分析して具体的な事実を羅列していきます。

次に「課題」には、オウンドメディアで解決したい課題をまとめていきます。「20代男性の認知度が低い」「企業理念がしっかりと伝わっていない」など、オウンドメディアを通じて解決できることを意識しながら整理していきます。

そして「結論」には、前述の課題を解決するためのオウンドメディアが入ります。今回の場合は「20代男性に対して、企業理念をしっかりと伝えるオウンドメディア」が課題解決の方向性となります。

データを集めながら、ユーザーの輪郭を捉える

読者に関しては市場調査などの可視化されたデータから情報収集していくことをおすすめします。

例えば、20代の男性ビジネスマンを想定読者にした働き方に関するメディアをつくるとします。その場合、まずは今の20代がどのような社会環境で、どのような想いで働いているかを探ります。そのヒントになるのがアンケート調査などのデータです。アンケート調査に関しては、企業や公的機関が出しているものなど様々な種類があります。

少し古いデータですが、2015年に実施された電通総研の調査では「働く目的はまず先に生活の安定。ただし働くのなら生きがいも得たい」という結果がでていました。このようなアンケート調査を集めていくことで、想定読者の輪郭を掴んでいきます。

調査用に予算がある場合は専門的なデータの購入や、アンケート調査などの方法もおすすめです。予算がない場合でもインターネットで無料で手に入るデータが多数あります。

メディアコンセプトのつくり方

メディアコンセプトの両端を調べた後は、本題であるコンセプトを考える作業に入ります。やや概念的な説明になってしまいますが、私はコンセプトを考える際に「企業課題」と「読者」の両方を円にして、2つの円が重なった部分にコンセプトがあるとイメージしています。

この図のように「企業課題」と「ユーザー」を書いた後に、その間をつなぐコンセプトを考えていきます。20代の男性ビジネスマン向けのメディアを例にすると、左側には「20代男性の認知度をあげたい」という企業課題が、右側には「堅実に生きたいけれど、生きがいや挑戦も大事」というユーザーの想いが入ります。メディアコンセプトは、つなぐ言葉・コンテンツは何かを考えてつくります。

今回は参考として「等身大の小さな挑戦を応援する」コンテンツを発信することで、20代男性に愛されるメディアをつくるコンセプトを考えました。実際は企業課題とユーザーについて更に情報を集め、メディアコンセプトに関してもここからブラッシュアップしていきます。

また、メディアコンセプトを考える際には競合他社と被らない切り口なのかも重要です。同業種の場合、同じような課題を抱えているケースが多いため、単純に考えると親しいものになりがちです。そのため競合メディアのリサーチもあわせて必要になります。

おわりに

冒頭でも書きましたが、メディアコンセプトのつくり方は様々なやり方があると思います。悩むことも多いですが、メディアの世界観を決めるための重要な作業になります。今回説明した考え方が、オウンドメディアづくりの参考になればうれしいです。また、はてなと一緒にオウンドメディアの立ち上げを希望する方は、ぜひ下記の問い合わせフォームよりお声がけください。

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