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「オウンドメディアは熱量が大事」読まれる記事の作り方とは?どこでも地元メディア「ジモコロ」の裏側

2015年8月26日(水)に「アイデム×バーグハンバーグバーグ!読まれるコンテンツづくりの秘訣を語る はてなオウンドメディアマーケティングセミナー」を開催しました。
当日の様子をレポートします。記事後半では、セミナー後に寄せられた質問へ、ジモコロ編集長の柿次郎さんにお答えいただきました。

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会場は六本木のフリークアウトさんのセミナールームをお借りしました。
まず第一部では株式会社アイデム 東日本事業本部 マネージャー 岡安伸悟氏(id:sokayasu)からお話いただきました。「おもしろ地元メディア『ジモコロ』はなぜ始まった?オウンドメディアによるマーケティングとは」と題し、長年マーケティングに携わった岡安氏がなぜオウンドメディア「ジモコロ」を立ち上げるに至ったか、抱えていた課題感やジモコロの成果について語りました。

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アイデム社では、人材業界という競合の乱立する成熟市場において、従来の顕在層をターゲットとしたWEB広告だけではシュリンクしてしまうのでは?という課題を抱えていたとのことです。さらなるターゲット拡大のために、無関心層に対しアイデムというブランドを、より認知拡大していく必要がありました。そこで、動画マーケティングで初期接触の拡大をはかり、コンテンツマーケティングでアクション・流入の獲得施策の最適化を図っているそうです。
ジモコロは開始3ヵ月で月間約50万PVの流入があるメディアに成長を遂げています。通常の流入経路よりジモコロ経由の方が、3倍近く正社員応募が多くなったというデータも!メディアが大きくなるにつれ、実績にもいい影響が出ています。



第二部では、はてなビジネス開発本部 営業部長 高野(id:mtakano)が登壇。「はてな営業部が教えるオウンドメディアにおけるはてな活用法」と題し、はてなで人気が出るコンテンツの傾向や、はてなというプラットフォームがオウンドメディアにどう活用されているかについてお話しました。

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はてなは、ブログサービスを活用したオウンドメディア構築サービス「はてなブログMedia」を展開し、コンテンツを拡散・流通させるプラットフォームとして「はてなブックマーク」を活用しています。はてなではコンテンツを発信・拡散してくれるユーザーが数多く存在するため、ユーザーと企業の双方にとって良質なコミュニティを作り上げることができると話しました。


第一部、第二部ではマーケティング観点からの話が続きましたが、第三部ではクリエイター観点の話にうつります。株式会社バーグハンバーグバーグ メディア事業部・部長 徳谷柿次郎氏(id:kakijiro)が「『ジモコロ』の記事のつくりかた」と題しその裏側を語りました。

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「クリエイターからの熱量を記事にこめることが大事」と語る柿次郎氏は、ライターのやりたいことや個性をどう企画に落とし込むかを、編集長として日々考えているそう。「よいものを作るためには衝突を恐れないような関係性をクライアントと構築しなくてはならない」と語り、コンテンツ作りにとどまらず、ライターやクライアントなど関わる人とのコミュニケーションの重要性についてもふれました。



■セミナー終了後、アンケートから多い質問を編集長に聞いてみた


セミナーが終わり、来場者へアンケートを行ったところたくさんのご意見が寄せられました。その中には

「コンテンツの拡散をさせるにはどうしたらいいのかもっと聞きたい!」
「編集長がライターさんやクライアントとどういう風に企画を詰めてるのか知りたい!」

という声が。
というわけで、実際にセミナー終了後にジモコロ編集長の柿次郎氏に話を聞いてみました。


__セミナーお疲れ様でした!アンケートをもとに来場者の方からコンテンツの拡散や制作についていくつか質問が寄せられたのですがお聞きしてもいいですか?

柿次郎氏 お疲れ様でした!どうぞどうぞ。

記事公開時間はネタによって調整

__記事を制作・公開する時にソーシャル上での拡散を意識して工夫しているポイントがあれば教えて下さい。アンケートではせっかく作ったコンテンツがなかなか広まらないということで悩む方も多いようです。

柿次郎氏 大きなポイントとしては

  • タイトルの推敲はじっくり時間かけてギリギリまで考える
  • そのタイトルが入ったOGP画像の制作(ビジュアルの強さ!)
  • 記事公開時間もそのときの時流を読んで調整(11時~13時、17時~18時が多い)

の3つでしょうか。

__昼食時と退社時を狙ってコンテンツを公開しているということですね。記事の内容によって公開するタイミングを使い分けたりはするんですか?

柿次郎氏 そうですね。ビジネス系のインタビュー記事は集中力の高い午前中に公開するとか、ゆるめの記事やグルメ系の記事は帰宅中の電車を想定した17時以降に公開するとか、そういうポイントは意識してますね。

初回は熱量を込めてやりたい企画をとことん書いてもらう

__コンテンツの企画案や、記事案をつめるときは 編集長とライター間ではどのようなやりとりをしているんですか?

柿次郎氏 初回は顔を合わせて1時間~2時間ぐらい「何をやりたいのか」「どういう企画が適しているのか」など話してから走らせていきます。

__打ち合わせの時はライターさんが持ち寄ってきた企画をブラッシュアップしていく感じなんでしょうか。

柿次郎氏 うーん、大きく2つに分かれますね。おっしゃる通り持ち込み企画の場合と、こちらからライターさんの適正に合わせて「こういうのどう?」って企画を打診する場合があります。ライターさんにとって初回の記事となる場合は、極力自分のやりたい企画で書いてもらいます。2回目はその反響を見つつ、こちらから意見を出していくことが多いですね。とにかく自分の書きたいもの、伝えたいものを追及してもらったほうがおもしろい企画になると思っています。

ネタは日ごろからのストックが大事

__雑誌やテレビで話題になった人物や出来事を編集会議でネタとして引き合いにだすメディアもあるそうですが、ジモコロの編集会議でもそういうことはあるんですか?

柿次郎氏 あまりしませんね。流行りモノに合わせすぎると他メディアとかぶることが多いので。基本的にチャットワークを使って思いついたネタをメモします。そのネタを蓄積したリストがあれば、そんなに困ることもありません。あとは全然関係のない飲みの席で出た話が元ネタになることが多いです。締め切り前提で無理に出した企画は、どこかで見たことがあるものになりがちというか。仕事のスイッチを切ってるときほど思いついたりするので。ジモコロの「【ギャラ格差】怒りの通天閣!?「大阪の有名WEB制作会社」が東京にモノ申す!」という記事は、僕が10年ぶりに大阪のWEB制作会社の人と飲んだときに業界事情を聞いたのがきっかけでした。


__常にメディアのことを考えているから、周りにあるものなんでもネタ化できてしまうってことですね。編集長である柿次郎さんとクライアントのアイデムさんではどのように企画を詰めていかれるのでしょうか。

柿次郎氏 こんな企画をやりたいです!と概要つきで説明することもあれば、定例会の席で話してオッケーをもらったりとかですかね。基本的に信頼してもらっているので、とてもやりやすいです。

本業となるサービスの顧客に迷惑をかけないよう配慮を忘れずに

__そんな中でも公開NGの判断をされるのはどのようなケースですか。

柿次郎氏 あくまでアイデムさんのオウンドメディアなので、記事が原因でアイデムさんのお客さんに迷惑をかけるような記事はNGです。そもそも、水商売系の求人を扱っていないので、そのあたりは避けるとか。運営しながらギリギリセーフのラインを探っています。

__本業となるサービスの規定や利益を損なわないように気をつけてらっしゃるんですね。



セミナー当日の模様やジモコロについてより深く知りたい方は、以下のジモコロ側でのセミナーレポート記事に詳細に書かれていますのでぜひご覧ください。
www.e-aidem.com



はてなでは、オウンドメディアを始めようと考えている企業の広報・マーケティング担当者様を支援するセミナーを、今後も積極的に開催していく予定です。

オウンドメディア構築について興味がある企業様は、以下よりお気軽にお問い合わせください。