はてな営業部とCINRAは、2020年6月18日(木)にオンラインセミナー「採用に効くオウンドメディア活用」を開催しました。
企業組織の活性化やミッション策定、コーポレートサイトを含むオウンドメディアの制作・運用支援などに取り組む株式会社CINRA プロデューサー 宮崎慎也氏と、オウンドメディアCMS「はてなブログMedia」の提供からコンテンツ制作・集客メニューなど、企業のコンテンツマーケティング支援サービスを提供する株式会社はてなの執行役員 大久保亮太が登壇し、採用オウンドメディアをテーマにお話ししました。
本レポートでは、その模様を一部お届けします。
CINRA:採用オウンドメディアの作り方
CINRA宮崎氏によると、採用を取り巻く環境は、少子化・採用時期の多様化、転職や副業といった働き方の変化、リファラル採用の増加などにより大きく変化しており、これまでの「線的」な採用から「円的」な採用が求められるようになっています。
企業が「いい人を選ぶ」のではなく「いい人に選ばれる」ための採用活動が必要とされるなか、企業は自身の情報をオープンに発信し、企業と個人の関係を共感によって継続させていくことが重要になります。
宮崎氏は、多様な価値観を持つ人材にファンになってもらうために企業が主体となって情報発信を行う採用方法を「ファンベース採用」と呼び、たくさんの人ではなく価値観の合う人に共感されることが大切であると説明しました。
人材獲得の難易度の上昇に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による在宅勤務の拡大から、さまざまな採用プロセスもオンライン化がいっそう加速していくなかで、企業が個人の共感を獲得するコンテンツを広く発信していく重要性はますます高まっていきます。
ファンベース採用のためのオウンドメディア
では、どのようなコンテンツをどのように発信していけばいいのでしょうか。
宮崎氏は、はてなが資料化している「オウンドメディアのタスクリスト」を例に、採用オウンドメディアにおいても最初の「計画」が最も重要であるとし、採用オウンドメディアの始め方として以下3つのポイントを解説しました。
- 編集体制をつくる
- 求める人材像を具体化する
- 編集方針を策定する
1.編集体制をつくる
採用オウンドメディアは、更新性の低い採用サイトに比べて、コンテンツが定期的に更新されていくことが特徴です。
そのためにはそれを運用する体制やリソースが重要になります。
社内のみのメンバーで構成する場合も、CINRAなどの外部の編集パートナーと協力する場合も、まずは更新性を担保するために実現可能な体制を柔軟に検討することが大切だと説明しました。
2. 求める人材像を具体化する
コンテンツを制作するためにはミッション・バリューから導く「求める人材像」を具体化する必要があります。そのためには、ワークショップやインタビューを活用して、現場から「リアルな情報」を引き出し、収集することがポイントだそうです。
うわべだけの情報で取り繕ったコンテンツを準備しても、それに共感した人材は、入社後に必ずギャップを感じることになります。リアルな情報をベースに、企業にフィットする人材像を具体化し、共感を獲得できるようなオープンなコンテンツを制作するために、人材像の具現化には丁寧に時間をかけることが重要と話しました。
3.編集方針を策定する
まず、企業が従業員へ提供できる価値であるEVP(Employee Value Proposition)を検討し、「2」で具体化した求める人材像との掛け合わせてで編集方針を策定することが望ましいそうです。
コンテンツマップで、ターゲットと発信するEVPを可視化し、更新スケジュールに反映させていくと、オウンドメディア全体での網羅性も確認することができます。
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その他、実際にCINRAが支援した採用オウンドメディアなどの事例を交えて、採用オウンドメディアの活用法を紹介しました。
最後に、採用オウンドメディアのKPIは応募数ではなくマッチ率であることが望ましいとし、一次面接通過率・面接離脱率や、NPSなどの指標をKPIにすることを推奨しました。
はてな:採用オウンドメディア事例
セミナー後半では、はてな 大久保が、CMS「はてなブログMedia」をご利用いただいている採用オウンドメディアの事例を中心にお話しました。
採用オウンドメディア立ち上げの目的やきっかけは企業によってさまざまです。当社が導入企業に実施したアンケートでは、オウンドメディアの立ち上げのきっかけとして以下のような回答が集まりました。
- 会社全体の必要性の盛り上がり
- 社員の声を届けるコンテンツでの採用促進したいため
- 潜在層とのタッチポイントを作るため
- 人や働き方、カルチャーをカジュアルに発信する場が欲しかった
CINRAさんのお話にもあったように、採用オウンドメディアを活用したコンテンツ発信のニーズは高まり続けています。はてな大久保は採用オウンドメディアのメリットを以下のように紹介しました。
- 求職者がその会社・事業・人・カルチャー・仕事内容などについての理解を深めることができる
- 潜在層がその会社・事業・人・カルチャー・仕事内容などについて触れるきっかけを作れる
- 採用マーケティング活動との相乗効果
- 社員が自社についての理解を深める
- 顕在/潜在 → 採用プロセス → 入社後 それぞれに有効活用が可能
はてなが実施した採用オウンドメディア担当者のインタビューでは、採用オウンドメディアのメリットについて以下のように語っていただいています。
__意外なところにも波及効果があるんですね。今は外部サービスを活用して採用広報をする企業も多いようですが?
実はそれを検討したこともありました。しかし、やはり外部のサービスでなくオウンドメディアとして持ちたいという結論になったんです。というのも、Gunosiruのひとつの側面として、社史のような存在になってほしいと考えているからです。数年後に入社した人にも、プロダクトの成り立ちやこれまでそれをつくってきた人たち、つまりGunosyの歴史を知ってもらいたい。そのほうが、愛着を持って働いてもらえると思うんです。
外部サービスを利用すると、そのサービスの急な仕様変更や停止などに対応できない可能性もありますし、せっかくのコンテンツを自社の資産として活用できないリスクがあると考えました。そうした意味もあってオウンドメディアとして持つことを選択しました。
("ひとり編集長"でも制作に集中できる、Gunosyのオウンドメディア「Gunosiru(グノシル)」のつくりかた - はてなのコンテンツマーケティング支援総合サービス)
※その他採用オウンドメディアに関するインタビューでも、各社の取り組みをお話いただいております。ぜひご覧ください。
- オウンドメディア目的は採用と情報発信。DMM様の事例 - はてなのコンテンツマーケティング支援総合サービス
- 執行役員が編集長を担当する採用広報メディア「meLev」が社内向け発信を強化する理由 - はてなのコンテンツマーケティング支援総合サービス
- メルカリの採用メディア「mercan(メルカン)」 人事・広報による情報発信の秘密 - はてなビジネスブログ
はてなブログMediaと連携したアトリビューション分析ツール「TRENDEMON」で、採用オウンドメディアを分析した結果もご紹介しました。
はてなでは、採用オウンドメディア担当者を集めた懇親会の実施や、採用オウンドメディアに限定した「はてなブログMedia」特別プランも提供しています。
business.hatenastaff.com
以下のような採用オウンドメディアに選ばれている「はてなブログMedia」にご興味のあるご担当者様はぜひお気軽にお問合せください。
はてなでは引き続き、オウンドメディア担当者にとって価値ある情報をお届けできるよう、セミナーを含む情報の発信を続けてまいります。ぜひご注目ください。
はてなブログMediaについて
はてなが10年以上のサービス運営で培った技術力・ノウハウが詰まったオウンドメディア専用CMSです。
今回ご紹介したような、編集者・管理者が直面しがちなさまざまな課題を解決できます。
特別な作業は必要なく、かんたんに現在ご利用中のCMSから移行が可能です。
Movable Type(MT)とWordPress(WXR)のファイル形式については記事の一括インポート・エクスポートにもデフォルトで対応しています。
「サイトリニューアルをしたいけど、チェックリストにあるような準備は難しい...」という方はぜひ一度ご相談ください。