はてなでは、企業向けオウンドメディア支援サービスの新しい取り組みとして「デイリーポータルZ」と連携した「はてな MediaSuite Z(以下、MSZ)」の提供を開始しました。
2021年11月に開催したオンラインセミナー「デイリーポータルZとはてなが設計するオウンドメディア戦略」は、今年8月に実施したMSZの取り組みについてご紹介したセミナーを好評につき再開催したものです。
この記事では、11月に開催したセミナー2部のセッションと質疑応答パートの内容についてご紹介します。1部のはてな大久保・DPZ林氏の登壇パートについては、今年8月実施と同様になりますので、前回のイベントレポートをご覧ください。
はてなとデイリーポータルZによる共同メニュー「はてな MediaSuite Z」とは
はてなでは、オウンドメディアの戦略設計から日々の運営までの総合支援サービス「はてな MediaSuite」を提供しています。
デイリーポータルZとの共同メニューである「はてな MediaSuite Z」は、オウンドメディアコンテンツ企画・制作を、デイリーポータルZ編集部とのパートナーシップによって提供する特別プランです。
座談会レポート:はてな MediaSuite Zのご紹介や特徴・フィットするオウンドメディアについて
デイリーポータルZ 林さん・安藤さん、はてな 大久保が座談会形式で「はてな MediaSuite Z」に関するテーマでお話しました。
最初に、今年8月の「はてな MediaSuite Z」提供開始以降、実施が決まり、DPZが制作した公開記事についてご紹介しました。
はてな大久保:ちょうど今日、楽天さんのオウンドメディア「ソレドコ」において、デイリーポータルZさん制作の記事がアップされましたのでご紹介していただけますか?
DPZ林さん:自分の登壇パートでもお話した「伝え方で気を引く」という手法を使った記事ですね。興奮する人を出す、という。サバをたべて美味しくて泣いてますからね。思わず、これ本当に泣いたの?って聞いちゃいましたけど(笑)
- 拡大解釈して画を派手にする
- 驚く人、楽しそうな人を登場させる
- 家族、社長を出す(社長の場合は雑に出す)
- 伝え方のフォーマットをずらす
DPZ安藤さん:本当に泣いてました(笑)
「推す飯」っていうデイリーポータルZのコーナーを楽天さんの「ソレドコ」版で制作させていただいた記事です。新規の企画ではなく、既存の企画の出張版というかたちです。
人気のコーナーなので、ソレドコの読者の方だけではなく、日頃DPZを読んでくださっている読者の方も見てくださっていたんじゃないかなと思います。
(はてな注:また別の機会にこの記事の狙いや振り返りなど、ご紹介の機会を設けられればと思います。連載企画なので今後の「推す飯」楽天お取り寄せグルメ編にご注目ください。)
Q. デイリーポータルZが大事にしていることは
はてな大久保:デイリーポータルZにはたくさんのファンがいて、愛されていますが、その秘訣とか、制作の時に大事にしていることなどについて教えていただきたいです。
DPZ林さん:情報を大事にしてないんですよね。たとえばこの食材をこう調理すると美味しくなります、ということを紹介する記事があるとして、最終的に美味しくできあがることが大事じゃないので、失敗してもいいと思ってるんです。
作る人が興奮していて、失敗して、落ち込む。前後のストーリーがあれば、お話になるので、大事なのは素直に書くことなんじゃないかなと思います。それがファンに愛される秘訣かどうかはわからないですが、経験は嘘じゃないので。身体を動かす・やってみたことを書くようにしてます。
はてな大久保:素直に書くとか、嘘がない・誠実である、みたいなことは読者との関係構築やファンの獲得のためのとても重要ですよね。読者はそういったことに敏感に反応すると思います。
DPZ林さん:テーマや企画で言えば、一般的に受け入れられるかよりも、書く人に熱量があるかですね。一般受けしないだろうなと思っても、書く人が熱量高くそう思うなら、書いてもらうしかないという感じです(笑)
はてな大久保:書き手の尊重ですね。
DPZ林さん:おもしろいと思ってるなら書いたらよくて、別にそれが受けなくても恥ずかしいことじゃないと思います。
数字を気にしすぎないように、と言いながら、毎日ライター陣には記事のUUを送っています。
放っておくと、みんな役に立つ情報を書き始めちゃうんですよね。そうならないように気を付けています。
デイリーポータルZのイベントなどで直接読者の方にお会いする機会に好きな記事を伺うんですが、数字が良かったりたくさん拡散した記事とは全然違うものを好きだと言ってくださるんです。
短期的な変化にとらわれずに、長く愛してくださるファンを作るという点では、書き手の個性が出た、意味のないものも大事だと思います。
はてな大久保:炎上しない工夫とかも、オウンドメディア運用の担当者は気になるのではと思いますが、何か工夫されていることはありますか?
DPZ林さん:デイリーポータルZは「自分だけが知っていることを誰かに見せたい・自慢したい」みたいな気持ちが出発点になっているのでポジティブな話題が多く、炎上しづらいと思います。ただ、何かと比べて片方を下げたりとか、批判したりとか、口を滑らせて余計なことを言わないようにはしています。
あと、当事者性はとても大事にしているかもしれません。特定の地域について、その地域になじみのない人が否定的なことを言ったら受け入れられないですが、そこに住む人が言えば共感されたりおもしろがって読んでもらえたりするみたいなことですね。
はてな大久保:はてなの編集だと、特定のテーマについて詳しい人やその領域のファンが多く集まる社内の趣味のSlackチャンネルに事前に下書き記事を共有して、意見をもらったりしているみたいです。複数の人の目が入ることも炎上や意図しない伝わり方の予防になりますよね。
DPZ林さん:ほかのメディアの方も、同じように社内の色んな人が読めるところに共有するとおっしゃってました。デイリーポータルZも人数は少ないですが、Slackに下書きを投稿していて、私もそれで読んでますね。
Q. 「はてな MediaSuite Z」の今後について
はてな大久保:楽天さんの記事がまずは始まりました。「ソレドコ」は、はてなも戦略から一緒にやらせていただいているメディアになりますので、記事制作をDPZさんにお願いしました。まだほかのメディアでも企画は進行しています。今後は新しいメディアの構築なども挑戦したいですが、今後やってみたいことなどあれば聞かせてください。
DPZ林さん:はてなさんがゼロをイチにする戦略の部分をしっかりやってくださるので、僕たちは楽しく記事を書くだけです(笑)
読み物が面白ければ、企業のオウンドメディアでも、プロモーションでも、読者は受け入れてくれると思いますので、面白い記事を作っていきたいですね。
はてな大久保:はい!本日はありがとうございました。
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はてなとデイリーポータルZでは、「はてな MediaSuite Z」でのオウンドメディア立ち上げを希望するご担当者様からのご連絡をお待ちしております。