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知られざる京都の魅力を世界へ 京都府が新メディア「KYOTO SIDE」を始めた理由

京都府様が運営する新しい地域情報サイト「KYOTO SIDE」が、1月31日にオープンしました。CMSとして、はてなブログMediaをご利用いただいています。

知られざる京都の魅力を発信するべく、従来の京都府のイメージにとらわれないサイト作りを目指したというKYOTO SIDE。プロジェクトを担当されている京都府 広報課の丸山雅樹様と、京都府広報課Webマーケティングプロデューサーとして参画されている星城大学経営学部講師 兼 有限会社にぎにぎ代表の堀川宣和様に、立ち上げの経緯についてお話を伺いました。

■京都府内全域から“いい情報”を発信するメディアに

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__「KYOTO SIDE」を始められた目的と経緯について教えてください。

丸山 京都府ではこれまで、広報紙、テレビ・ラジオ、新聞はもちろん、ホームページやSNSなどを広報媒体として活用してきました。近年は特に、スマートフォンを使って京都に関する情報収集をしたいというニーズが急速に高まっていることを受け、新しいサイトを立ち上げようと考えました。

__京都は人気の観光地ということもあり、専門の情報サイトは数多く存在しています。そんな中で新しいサイトを始められた背景には、どういった思いがあったのでしょうか?

丸山 確かに京都は年間何千万人が訪れる観光地であり、良質な観光情報を掲載されているサイトも既にたくさんあります。しかしながら、取り上げられる情報が一部の地域に限定されていることが多く、京都府内全体として見たときに、発信されている地域の情報や認知度に大きな格差があると感じていました。また、多種多様な情報が存在する中で「本当にみなさんの知りたい情報がきちんと届いているのだろうか?」という疑問もありました。

KYOTO SIDEではみなさんが本当に知りたい情報を整理し、府内全域からくまなく発信していきたいと考えています。そうすることで、世界中の方々に、京都の素晴らしさをより知っていただけるのではないかと期待しています。

__KYOTO SIDEというサイト名にはどんな意味が込められているのでしょうか?

丸山 直訳すると「京都側」という意味になるのですが、このサイトが発信する情報を拡散していただくことで、たくさんの方に京都側に立っていただく、というイメージです。日本の和の文化を世界に発信する中心として、みんなの力で京都を盛り上げていきたいと考えています。

堀川 さらには「いろいろな側面から見た京都」という意味合いもあると思います。京都といえば歴史・伝統といった、いわゆる京都らしさのイメージがあると思うのですが、まだまだ知られていない、たくさんの魅力があるということを伝えていきたいですね。

■「自治体が運営している=つまらない」というイメージを払拭したい

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堀川様

__デザインやサイト全体の色使いなどからも、従来の自治体が運営する観光情報サイトのイメージとは異なる印象を受けました。

丸山 京都らしい和のテイストを取り入れながら、ターゲットに受け入れられやすいデザインを目指しました。京都府のカラーといえば「紫」なんですが、今回のKYOTO SIDEでは極力“役所感”を出したくないという思いがあったんです。

堀川 京都府が運営しているというのは、プラスにもマイナスにも働きます。情報に信頼性があるという一方で、読み手にとっては「堅苦しそう」「つまらなさそう」という印象がどうしても残ってしまう。そういったマイナスイメージを払拭できるように、サイト全体のイメージを考えました。

__サイトのターゲットやKPIはどのように設定されていますか?

丸山 コアになるターゲットとしては、SNSの活用率が最も高い層である「東京都在住の20代~30代の女性」を想定しています。その方々に響く記事やキャンペーンを展開することでファンを獲得し、さらには府内在住の若年層や、京都に興味を持つ可能性のある世界中の方々への情報拡散・訴求力の向上へつないでいきたいです。

KPIは、最初の目標としてFacebookでの“25万いいね!”獲得を目指しています。これはSNSを活用した地域情報の発信で成功されている「北海道Likers」様のいいね!数を参考にさせていただきました。観光地として世界一に選ばれた京都府として、ゆくゆくはWeb上でも世界一のプラットフォームを目指していきたいと思います。

__記事の効果測定はどうされているのでしょうか?

堀川 記事公開後の流入などは随時チェックし、各記事にどういった反応があったかを月次の会議などで共有して、今後の記事選定に生かしていきます。一口に京都の情報といっても、府内在住の方と観光客の方とでは読みたい内容が異なると思うので、何を基準に「いい記事」とするのかが難しい。各ターゲットがどのような情報を求めているのか、日々のデータをもとに分析していきます。

■はてなブログMediaを選んだ理由は?

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丸山様

__サイトの運営体制について教えてください。

丸山 京都府からは、私ともう1人が参加しています。記事企画案の整理・調整、Webマーケティングの知見にもとづくデータ分析、記事執筆、写真撮影などの各分野では、専門家のみなさんにご協力いただいています。メンバーは合計で10人ほどです。

__記事を執筆するライターさんは、京都にお住まいの方ですか?

丸山 そうですね。地元の地理などにも詳しい、府内在住のライターさんに依頼しています。府内の各市町村が持っている地域情報をデータベース化しているので、それらをもとに執筆していただいています。

__今回、CMSとしてはてなブログMediaを採択いただいた決め手は何でしょうか?

丸山 KYOTO SIDEでは、公開した記事がサイト内にとどまらず他のメディアやSNS上にも波及していくことを目指しているので、その上で一番のCMSがはてなブログMediaだと考えました。また、はてなのユーザーコミュニティーには新しい情報に敏感で発信力のある方々が多くいらっしゃるので、そのコミュニティーに近いところでメディアを運営できるのは非常に大きなメリットだと思います。

また導入までのスケジュールも非常にスムーズで、記事の編集・公開作業も簡単な操作で行える点が良かったです。ライターさんにも直接記事を入稿していただいているのですが、編集しながらプレビューが見られるので、イメージの確認がしやすいと好評です。

また京都の地域情報を発信していく上では、京都に本社のある企業と一緒に取り組むというのも、大きな意味があると思います。

■“京都について話したくなる”サイトに

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__サイトリリース後、周囲からの反響はありましたか?

丸山 まだオープンしてから2日しか経っていない(※取材当時)のでそんなに多くはありませんが、知人からは「今までの京都府とはイメージが違うね」「楽しそう、期待しているよ」といった声をかけてもらいました。府の観光セクションにも、早速サイトを見てもらえたようです。

__今後の展望や目標について教えてください。

丸山 目標は「世界一の地域情報発信サイト」です。このサイトを通じて世界中の方々に京都の多様性を知っていただきたい。そして京都に住んでいるみなさんには、京都に住む喜びや誇りを再確認していただけたらと思っています。単に記事を発信するだけでなく、読者の方が参加できるようなキャンペーンなども実施したいと考えています。

堀川 参加型のコンテンツはぜひ取り組んでいきたいですね。あくまで記事はきっかけで、ゆくゆくは読者の方と一緒に作り上げていくようなコンテンツをしっかりと展開していきたいです。

丸山 京都について考えたり、誰かと話したりするきっかけになるサイトを目指したいですね。KYOTO SIDEを起点に、いろいろな方のコミュニティーで京都の話題が盛り上がっていったらすてきだなと。ネットのトレンドは日々変わっていくので、今後も常に新しいチャレンジを続けていきたいと思います。

__ありがとうございました!

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有名な観光地以外にも、まだまだ多くの隠れた見どころがある京都。従来のイメージにとらわれずに京都の魅力を多面的に発信していきたいという、熱い思いを感じました。

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企画・制作:はてな