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「生き残れるのは“読者とのつながり”を築けるメディア」サイボウズに聞く、これからのコンテンツマーケティング

サービス開発の現場やデータセンター移転についてなど、これまでにさまざまなテーマではてなニュースに記事広告をご出稿いただいているサイボウズ様。オウンドメディア「サイボウズ式」をはじめ、他社とのコラボ企画など、新しい形のマーケティング施策を積極的に展開されています。

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はてなCTOが聞く! 開発と運用の協力が生んだ「何事もなかった」サイボウズLiveデータセンター移転 - はてなニュース

サイボウズ式の初代編集長でもあり、サイボウズLive プロダクトマネージャーの大槻幸夫様に、はてなの記事広告の手応えや、コンテンツマーケティングの今後についてお話を伺いました。

■ 出稿の決め手は、テクノロジーに強いコミュニティの存在

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サイボウズ株式会社 ビジネスマーケティング本部 コーポレートブランディング部長 サイボウズLive プロダクトマネージャー 大槻幸夫様

__サイボウズ様には、過去何度も記事広告をご出稿いただいています。はてなの記事広告に出稿を決めた背景や理由について教えてください。

大槻様 サイボウズが提供している無料グループウェア「サイボウズLive」のプロモーションとして、テクノロジーの話題に関心が強い人たちに認知を広めたいと考えていました。はてなさんはテクノロジーに強いコミュニティを持っているので、僕たちが訴求したい層にリーチできると思ったんです。

内容も単純な技術の話だけではなく、こちらの「面白くしたい」という意向を最大限くんでもらっています。以前“レッドブル大喜利”のようなユニークな企画ができたので、データセンター移転の話についても、引き続きはてなさんにお願いしました。今回はレッドブルではなく鯖缶を配ったんですが、CTOまで登場してそういったネタに参加してくれますし、ありがたいですね。

hatenanews.com

はてなチーフエンジニアが聞く、サイボウズLiveのアジャイルな開発現場 - はてなニュース

■ PVよりも“読者とのつながり”を重視

__記事広告の成果として、重視されていることは何ですか?

大槻様 僕たちが一番メディアに求めているのは、そこを見ている読者さんとの“つながり”なんです。PVも一応数字として見ますが、それよりも“どんなコメントがどれだけついたか”を大事にしています。はてなさんの記事広告でも、毎回はてなブックマークのコメントに書いていただいた内容から学びを得ていますね。企画を立てる段階でも、コメントしたくなる、インパクトのある記事内容にできるかを重視しています。記事広告の中ではプレゼント企画も実施していますが、プレゼントだけが盛り上がるのではなく、コンテンツの中身についても言及してもらえるようにと考えています。

__はてなブックマークで印象的だったコメントがあれば教えてください。

大槻様 はてなさんには何度も記事広告を出しているのですが、前回の記事と比較してコメントしてくださる方がいて、うれしかったですね。TwitterやFacebook上の反応ではなかなか見かけないです。コミュニティのあるはてなさんならではだと思います。

__他媒体とはてなで、記事広告の出稿時に違うなと感じる点はありますか?

大槻様 一番の違いは、やはりコミュニティをちゃんと持っているという点です。僕はあまりメディア出稿をやりたがらないんですが、それはPVとかコンバージョンとか、単純な数値だけの話になりがちだからなんです。サイボウズがいるグループウェアの市場は、競合他社の多い成熟しきった市場です。その中でどうやって自分たちのサービスを選んでいただくかを考えると、単純な機能紹介や、広告での露出機会を増やすだけでは勝負できなくなっていると思います。

大切なのは、僕たちがどういう会社でどんな人がいて、どういうサービスをどんな思いで作っているかを知っていただくことだと考えています。そういった“文脈を伴った認知”を読者さんにしていただけるかどうかですね。そこには、はてなさんが持っているようなコミュニティの関係性が必要だと感じます。

■ 成熟市場で生き残るためのコンテンツマーケティング

__サイボウズ様はオウンドメディア「サイボウズ式」も運営されています。オウンドメディアや記事広告などのコンテンツマーケティングで設定されているKPIについて教えてください。

大槻様 PVや流入経路は見ていて、サイボウズ式の場合は週に1,000PVでヒット記事、1万PVで殿堂入りという基準があります。でもやはり、そういった数値よりはTwitterやFacebook、はてなブックマークのコメントでの反応を見ていますね。

読者さんの反応を見て、自分たちの意図通りにコンテンツが仕上がっていたかを確認しています。伝えたいことが伝わっていなかった場合は違う角度でもう一度記事を作ったり、著名な方が記事に反応してくださった場合はその人にインタビューしに行ったり、さらに広がりが出せればいいなと。情報発信の場でもありますが、“反応を知って次につなげる場”でもあると考えています。

cybozushiki.cybozu.co.jp

サイボウズ式 | 新しい価値を生み出すチームのメディア

__定量的な基準よりも定性的な基準を重視する、という企業はまだまだ少ないように思います。

大槻様 そうですね。サイボウズも、もともとは定量的な評価しかなく、コンバージョンだけを見ていました。しかし成熟市場で勝負するためには、新しい提案スタイルやテーマを探る必要があります。そのために記事広告やオウンドメディアを使っているので、定性的な指標を設けるようになりました。

■ 記事広告は“他社コラボ”という位置づけ

__記事広告は、オウンドメディアとどう使い分けておられますか?

大槻様 記事広告では、僕たちの力だけでは届けられない層に向けて、その人たちが集まっているコミュニティを持ったメディアとコラボしています。テクノロジー系ならはてなさん、という感じですね。広告というよりは“他社コラボ”という認識が強いです。

__はてな以外の企業とコラボして良かった事例を教えてください。

大槻様 以前「東洋経済オンライン」さんのブランドコンテンツ第1弾としてサイボウズがコラボさせていただいたのですが、反響が大きくて良かったです。

PVが好調だったのはもちろん、TwitterやFacebookでも話題になりました。多くの読者さんに認知していただくためにはまず目立つことが大事だと思うので、他社の新しいメディアや初めての取り組みには積極的に参加しています。

toyokeizai.net

こんな働き方があってもいいじゃないか | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

__オウンドメディアと記事広告で、それぞれ原稿をチェックするときに一番気をつけていることは何ですか?

大槻様 オウンドメディアでも記事広告でも違いはなくて、どちらも一番重視するのはタイトルです。Twitterなどに記事が流れる際はタイトルとURLしか表示されないので、読者さんにクリックしたいと思わせるタイトルになっているかどうかですね。とはいえ読者さんを釣るような内容ではなく、インタビュー中の印象的な発言を引用するなどして、インパクトを出しています。僕はサイボウズ式の編集長からは離れましたが、タイトルに関しては今でも時々意見を出すことがあります。

■ 読者とつながるメディアに

__マーケッターとして、普段の情報収集に使っているツールやメディアはありますか?

大槻様 マーケティングについての記事を探すときは、はてなブックマークを見ています。人気順だと既に知っているものも多いので、新着順でチェックします。あとはTwitterやFacebookを見たり、興味のあるテーマについて本を読んだりしています。

__SNS上でもたびたび話題になる「ステマ」についてはどうお考えですか?

大槻様 ステマについては、メディアというよりも広告主側に問題があると思います。日本のマーケッターのスキルが低いといわれる一因でもあるんじゃないかなと。ステマよりも効果の上がるやり方が浸透すれば、次第に効果がなくなって消えていくのではないでしょうか。

最近注目されているネイティブアドについても、個人的には“アド”という考え方自体が成熟市場にはマッチしないと思います。僕たち事業会社のマーケ担当としては、ネイティブアドではなく“ネイティブコンテンツ”を生み出すスキルを磨きたい。従来の広告の効果がなくなってきているフェーズで、道のりは遠いですが、コンテンツとしてどういった見せ方ができるのか、ノウハウを探っていきたいと思います。

__最後に、はてなを含めた媒体社に今後期待することを教えてください。

大槻様 読者さんと深くつながって、良い関係を築いていただきたいですね。僕はメディアの規模よりも、そういった関係性が大事だと思っています。読者さんが関心を持つことは何かをしっかりとらえて、単純な露出にとどまらない、面白くて役に立つ記事作りを期待しています。

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__ありがとうございました!


コンテンツマーケティングを続けてきたサイボウズ様ならではの視点にうなずくことの多いインタビューでした。

はてなのコミュニティを生かした記事広告に興味がある企業様は、以下よりお気軽にお問い合わせください。