マーケティング手法の一つである「コンテンツマーケティング」に取り組む企業が増えてきています。その一方で、名前は聞くものの、その詳細や具体的な進め方などについて正しく理解しているかどうか怪しい……と不安に感じている人も少なくないのでは。
そこで本記事では、コンテンツマーケティング事業に関わるはてなのスタッフが実際に読んでいるおすすめ本を中心に、コンテンツマーケティングの基本について学べるものから、コンテンツマーケティングを実践する際にも役立つ書籍を紹介します。
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はてなでは、ブログサービスやメディア運営のノウハウを活かし多くの企業のオウンドメディア支援を行っています。オウンドメディアの計画から記事制作、システム、集客、分析まですべてをサポートします。オウンドメディア立ち上げをお考えの担当者様や、運営中でお悩みを抱えている担当者様はぜひ一度ご相談ください。
コンテンツマーケティングとは? を理解するための本
エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書(ジョー・ピュリッジ)
アメリカのコンテンツマーケティングの権威ある団体「Content Marketing Institute (CMI)」を創設したコンテンツマーケティングの第一人者、ジョー・ピュリッジによる解説書です。著書では、コンテンツマーケティングの定義を以下のように表現しています。
コンテンツマーケティングとは、有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信することによって、明確に定義・認識されたターゲット・オーディエンスを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントを作り出すためのマーケティングおよびビジネス手法を指す。その目的は、収益につながる顧客の行動の促進である。
ジョー・ピュリッジ著『エピック・コンテンツマーケティング』日本経済新聞出版社 2014年より
著書ではコンテンツマーケティングの歴史、コンテンツマーケティングが注目される背景といった基礎情報ほか、実際にどのようなコンテンツを作り、運用すべきかといった実践的な知識も学べます。
また、はてなのコンテンツマーケティング事業でも、ジョー・ピュリッジ氏の定義を踏襲しています。オウンドメディア支援サービス「はてな MediaSuite」のオウンドメディアの戦略・計画で重視している「メディアの一貫した運用方針を定める」という点は、本著書でも同じく重要なポイントとして繰り返し登場します。
ジョー・ピュリッジの著書である以下の『オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング』(翔泳社)も一緒に読むことでより理解が深まります。
オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング
マーケティング全般の知識を深めたい人へ
コンテンツマーケティングは数あるマーケティング手法の中の一つです。コンテンツマーケティングの理解を深めるためにも、マーケティング全般に関する情報や消費者行動の移り変わりを学べる本は読んでおいて損はありません。
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法
広告業界に長らく従事し現在はコミュニケーション・ディレクターとして活躍する「さとなお」の愛称でもおなじみの佐藤尚之氏が2008年に発表した本著書。インターネットの普及にあたり変化した消費者行動について広告従事者の視点からわかりやすく述べられています。
2008年初版ですが、消費者に情報を届ける上で重要な視点は今読んでも色褪せず本質的な内容が詰まっています。また、今後どうしていくべきかを比喩を用いて書かれているためイメージを持ちやすく、自分ごと化しやすい内容となっています。
はてなスタッフOの推薦文
著書では「広告とはラブレターである」という言い回しが登場します。この比喩自体はよく用いられる、とのことでしたがとても納得度が高い表現でした。さらに、そのラブレターをどういった手段で届けるか? を考えるときにも「消費者が最も心を動かすメディアを選定するべき」であると述べられており、消費者目線で考えることの重要性が伝わります。
伝える相手が何に興味があり、何に心を動かされるのかに着目して気持ちを伝える。訴求する商品やサービス本位では変化した消費者には刺さらず、広告はもっと消費者本位になることが大切である、という視点はオウンドメディア運用をする上でも忘れてはいけない要素だと思います。
ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために
佐藤氏の著書では、ファンをベースにし、中長期的に売上や価値を上げていく考え方についてまとめられた『ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)』もおすすめです。消費行動を促すために「ファンベース」の重要性や効果的な運用方法が解説されており、マーケティングに関わる全ての人にとって学びとなる情報が詰まっています。
なぜ「戦略」で差がつくのか。―戦略思考でマーケティングは強くなる―
消費者起点で描くマーケティングの全体設計図「パーセプションフロー・モデル」の考案者として知られる音部大輔氏の著書。
ビジネスシーンの中で多用される「戦略」という言葉は、マーケティング活動時にも頻出します。本著ではマーケティングを成功に導くために必要な「戦略」についての理解を深め、戦略を使いこなすためのヒントが学べます。
音部氏の著書では、『The Art of Marketingマーケティングの技法―パーセプションフロー・モデル全解説』もおすすめです。
The Art of Marketingマーケティングの技法―パーセプションフロー・モデル全解説
コンテンツマーケティングを実践する
コンテンツマーケティングの実践例としてBtoC BtoB問わず、「オウンドメディア」を展開するケースは少なくありません。ここではオウンドメディアに関して学べる本や、その周辺知識・スキルが身につく本を紹介します。
トリプルメディアマーケティング ソーシャルメディア、自社メディア、広告の連携戦略
2009年米国で発表された「マルチメディア2.0」という論文にある「3つのメディア(トリプルメディア)」の考え方を、DAC創設者である筆者が紹介している書籍になります。オウンドメディアの原点を理解するのにおすすめしたい一冊です。
ステークホルダーを巻き込みファンをつくる!オウンドメディア進化論
「キリンビール公式note(現KIRIN公式note)」の立ち上げに携わり、同社のコンテンツ企画・コミュニケーション戦略を担ってきた平山高敏氏による解説書。オウンドメディア立ち上げからコンテンツづくりまでを9つのステップで紹介しています。
オウンドメディア運用を検討している方だけでなく、運用中のオウンドメディアの見直しを考えている方にも参考になる一冊です。
取材・執筆・推敲――書く人の教科書
オウンドメディア運用では、編集・ライティング経験のない方が「企画を考える」「記事を執筆する」「原稿を編集する」ケースも少なくありません。
同書は『嫌われる勇気』をはじめ数々の名著を執筆してきたライター・古賀史健氏による書く技術・伝える心得の永久決定版のような内容となっています。本書で紹介している内容は、オウンドメディア上で潜在顧客に「届ける」ためにはどんなコンテンツが必要になるか、という考え方のヒントにもなります。
はてなスタッフYの推薦文
約500ページの大ボリュームな書籍ですが、「取材」「執筆」「推敲」の核心をついていて、編集・ライティング経験がある人はもちろん、これから勉強したい人にも役立つポイントが多くあります。
また第一部の「取材」で語られている要素は、編集・ライティングに関する業務だけでなく、インプット・アウトプットを行う仕事全てで生かせる点が多いなと思います。例えば営業活動は顧客の顕在的/潜在的ニーズや課題を発見し、理解し、なにをすべきか整理し、提案を伝えて理解してもらい、課題解決のサポートをすることかと思いますが、ある意味ではこれも「取材」だな、と……。
「やりたいこと」からパッと引ける Googleアナリティクス4 設定・分析のすべてがわかる本
本ブログでGA4に関する解説コンテンツを担当いただいている小川卓さんによるGoogle アナリティクス4(GA4)の解説本になります。
オウンドメディア運用の分析ツールとしてGA4を導入している企業は多いのではないでしょうか。ただ、2021年にユニバーサル アナリティクス終了に伴いGA4に慌てて移行したものの、いまいち使いこなせないでいる……という人も少なくないはず。KPI達成度合いを適切に見ていくためにも、GA4の設定・分析はできて損はありません。
本書ではGA4の基本から応用までを幅広く解説。操作の仕方だけでなく分析手法や他ツールとの連携方法なども詳しく紹介されているので、初心者から上級者まで全てのサイト運営者必携の内容になっています。
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コンテンツマーケティングに関連する書籍を紹介してきました。
今回紹介しているものは、即効性のあるノウハウ本というよりも、コンテンツマーケティングを理解するために覚えておきたい考え方が網羅されているものが多いです。
コンテンツマーケティングを始めるにあたって、どんな施策がフィットするかは企業の解決したい課題や目的によってさまざまです。書籍などを通しコンテンツマーケティングを理解した上で、自社の場合はどんな手段が有効か? やるべきことは何か? を考えていくようにしましょう。
コンテンツマーケティングの実践にあたっては、他社事例を参考にすることも有効です。はてなではオウンドメディアの支援事例をまとめた資料なども用意しています。お気軽にご相談ください。
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