オウンドメディア、コンテンツマーケティングに関する話題をお届け。株式会社はてなが運営しています。

“みんな”を対象にしていませんか? オウンドメディアのコンテンツで「ニッチ」を狙うべき理由

サムネイル画像


はてなでコンテンツマーケティングサービスで企業のオウンドメディア立ち上げや運用支援を担当しているk_akahaneです。

オウンドメディアの立ち上げを検討されている企業様からいただく質問・相談として「できるだけ広い層をターゲットにしてコンテンツを発信していきたい」「総合メディアのように、幅広いコンテンツジャンルを取り扱いたい」とご連絡いただくケースは少なくありません。

しかし、はてなでは各企業様にオウンドメディア戦略のご提案をさせていただく場合、「全ての層を対象にする」ことはせず、戦略設計に沿って導き出した特定のターゲットに絞り、そのメディアならではの「ニッチなコンテンツ」を展開していくことを推奨しています。

「ターゲットを狭くしすぎると、接触機会を減らすことにならないの?」
「ニッチなコンテンツって具体的にどうやって考えていけばいいの?」

といった疑問を持つことも多いはずです。

そこで今回は、オウンドメディアのコンテンツ戦略において、ターゲットを明確に絞るべき理由や、おさえておきたいポイントなどを紹介します。

株式会社はてなのオウンドメディア事例集をまとめた資料「オウンドメディア事例集」を公開中。各企業の運営体制やKPI、成果まで多くの担当者へのインタビューが掲載されています。オウンドメディア運営による効果からKPIなど、これからオウンドメディアを立ち上げたいと思っているご担当者様におすすめの資料です。

なぜ「全方位」を狙ったコンテンツを出そうとしてしまうのか

そもそもコンテンツのジャンルやターゲットが広がりすぎてしまうケースとしては、主に以下のようなパターンが考えられます。

1. 戦略設計が曖昧なままコンテンツ制作が進んでいる

1つ目は、「オウンドメディアで解決したい課題は何か、ゴールはどこか」といった方針が定まっていないまま、コンテンツ制作が先行している場合があります。

戦略設計が曖昧なままコンテンツ制作を進めてしまうと、何を目的としたコンテンツなのか、コンテンツを通じて得たい成果は何なのか、狙ったターゲットにコンテンツが届いているのか、といった点が振り返りにくく、その結果「オウンドメディアの成果」も分からないままになってしまいます。

また、どんなテーマのコンテンツを出すか検討するときにも指標がない状態のため、記事のアウトプットも凡庸になってしまう可能性が高まります。

こうした自体を防ぐためにも、課題解決に向けた“メディアとしての媒体方針”を決め、コンテンツを届けるべき具体的なユーザー像(ペルソナ)はどんな人か? その人に響くのは、どんなコンテンツなのか? を事前に考えておくことが重要です。

計画段階でペルソナが曖昧なままだと、誰に届けるべきかが分からなくなり、結果「どんなコンテンツが必要なのか」というイメージも持ちにくくなってしまいます。また、複数のペルソナを設定すると、対応しないといけないコンテンツの量も膨大になり、リソース不足に陥ることもあります。

▼関連記事

2. 商品・サービスのターゲット層が幅広い

特にtoC企業でオウンドメディアを展開するときに陥りがちなケースです。例えば、保険のような性別を問わず、また幅広い年齢層に利用可能性のある商材を取り扱う企業様の場合「全ての層を対象にしたい」と言われることも多いです。

ただ前提として、オウンドメディアはコンテンツマーケティングを実践するための手段として運用しているケースがほとんど。一方的な情報発信ではなく、ユーザーに関心を持ってもらえるような価値のある情報を発信していくことで、初めて顧客との関係性構築が期待でき、ブランディングや認知度向上、リード獲得といった成果につながります。

ターゲットを広くとりすぎようと当たり障りのないコンテンツばかり発信してしまうと「どこかで見たことがあるコンテンツだな」と思われてしまい、そのメディア自体への興味を持ってもらったり、ファンになってもらったりする機会を失ってしまうことになりかねません。

ターゲットを明確にし「自分のような人のためのメディアだ」「ここでしか得られない情報がある」と思ってもらうことは、ユーザーとの関係性構築にもつながります。

また、「集客するには、できるだけいろんなジャンルのコンテンツを出したほうが接触機会も増えるのでは」「ターゲットを絞ると、ユーザーの取りこぼしをしてしまいそう」といった声を聞くこともあります。

確かに運用初期段階では集客数をKPIとして設定するケースも少なくなく、重要な要素の一つです。

ただ、集客数を意識するあまり、「コンテンツは読まれるようになったけれど、オウンドメディアの成果が振り返りにくい」「購買行動に結びつかないユーザーばかりが集まっている気がする」といった悩みに陥り、はてなにご相談いただくケースも少なくありません。

多くのオウンドメディアの最終目的は、集客ではないはず。先程も少し触れた通り、オウンドメディア上での関係構築を経て、ユーザーに何らかのアクションを起こしてもらうためにも、勇気を持って「ターゲットを明確にし、そのターゲットに向けたコンテンツを展開する」という点をぶらさずに運用していきましょう。

イメージ画像

自社ならではのコンテンツは何かを見つけよう

ターゲットやジャンルを絞るべき、という点はなんとなく理解しつつも、実際にどんなテーマで、どんなコンテンツを発信していくといいのか迷うケースは多いと思います。

そんなときおすすめしたいのは「ニッチ」を狙っていく、というもの。ここでいうニッチは、見落とされてしまいがちだけど一定のニーズがあるトピックやテーマという意味で考えています。

先ほどの保険商材を扱う企業を例に考えてみます。

例えば20〜30代の顧客層を増やすことを目的とした場合、どんなテーマに絞っていくといいのでしょうか。

一般的にこの年代で保険への加入を検討するタイミングは結婚や出産など、ライフステージの変化が訪れたときが多いのではないでしょうか。

そうしたライフステージの変化に伴う「備え」として最終的に保険商材を想起してもらうために、オウンドメディアで「子育てに関するメディア」を立ち上げて情報を発信していき、この層と接触していく、といったのは比較的すぐに考えつくように思います。

ただ、この年代の中には結婚や子どもを持つことについてまだ考えていなかったり、単身者での暮らしを気に入っていたりする人もいるはずです。そこで、「ひとり時間を楽しむ」ための情報を発信するメディアにすることで、差別化を図りながら、ターゲットを明確に絞ることができます。子育てに関するメディアは多くありますが、「ひとり」をテーマにしたメディアはそれと比較すると少ないですし、自社に関連する商材を紹介するコンテンツを発信してもなじむテーマです。

※実際には、戦略設計時に定めたペルソナとカスタマージャーニー、また解決したい課題を元に、より緻密にテーマを設定していきます。イメージを持ってもらうために簡略化して記載している点、ご容赦ください

また、そもそも取り扱う商材やサービス自体がニッチな領域である場合、自社の専門性を打ち出せるようなテーマを定め、コンテンツを発信していくことも有効です。関心を持つユーザーの母数は少ないかもしれませんが、少数の濃いファンを獲得し、そこを起点にして広げていくといった戦略が考えられます。信頼性や専門性を際立たせていくことで、業界内でのオピニオンリーダーになる可能性も秘めています。

イメージ画像

中の人の偏愛やこだわりでユーザーとの「距離を縮める」

上記で紹介した意味合いでの「ニッチ」とは異なりますが、商品・サービスの開発秘話や、商品への熱い思い(熱量)というのは、その企業の人にしか語れないものです。こうしたものも、ある種「ニッチ」と捉え積極的に発信していけるとよいでしょう。

例えばですが、文房具を取り扱う企業が運営するオウンドメディアがブランディングを目的として運用する際に、特にこだわりや思い入れのある商品(ボールペンとします)について社員の方が紹介する、といったコンテンツはエンゲージメントを高める上で有効です。

日常生活においてボールペンへの強いこだわりを持っている方はそこまで多くはないと思います。ただ、担当者のこだわりや愛を盛り込んだ製品の紹介コンテンツは、その媒体でしか触れることができない情報です。製品への熱量を通じて、コンテンツに触れたユーザーが「こんな熱量を持っている担当者が作っている商品なんだ」といった感情を抱いてもらったり、企業への信頼や愛着を感じてもらったりする流れが生まれ、次回の購買行動で選択肢として想起される可能性が高まります。

オウンドメディアでテーマやターゲットを絞ったとしても、コンテンツSEOや二次情報のコンテンツが中心になっていて、集客の先につなげるコンテンツ……つまり自社ならではのコンテンツ、このオウンドメディアならではのコンテンツが発信できていないケースは少なくありません。

ターゲットを絞り、かつ自社に適したニッチなジャンル内で、その人たちにとって役に立つものや、ここでしか知ることができない「読まれる(見られる)コンテンツ」も発信し、ユーザーとの関係を構築していくことを意識していくという視点を持つという点は、どんな商材・サービスでも大事だと思います。
 

\オウンドメディアの立ち上げを検討している方に/
***

オウンドメディアで「全方位」を狙ったコンテンツ展開は避けるべき理由について紹介しました。

特にBtoB領域では「ニッチ市場」を狙って運用していくことで自社の強みを生かしながらコンバージョンへと結びつけやすいとされています。

また、戦略設計に沿ったコンテンツ制作を進めていくためにも、「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」の設定が重要になってきます。基本的にペルソナは1パターンで考えることで、運用のブレも起こりにくくなります。もし複数のペルソナを設定する場合にも最初は1つのペルソナに絞り、PDCAサイクルを回しながら徐々に広げることをはてなでは推奨しています。

はてなでは、オウンドメディアの計画をしていく上でヒアリングを行い、課題や要望の整理を行います。その後、外部・内部の環境分析からオウンドメディア戦略を立案し実行のスケジュールやペルソナ、カスタマージャーニー、KPIなどをまとめた「実施計画書」を作成し、メディアの立ち上げを行うようにしています。

▼関連記事


もちろん、企業が抱いている課題や達成したいことに応じて今回紹介した例に当てはまらないケースもあります。ですが、「みんな」に向けたターゲティングはオウンドメディア運用において悪手である、というのは共通して言えることだと考えています。

はてなでは「はてな MediaSuite」としてオウンドメディアの計画から運用までオウンドメディアのトータル支援サービスを提供しています。オウンドメディアの立ち上げを検討している方はもちろん、運用中メディアの見直しを考えている場合にも、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の担当者 k_akahane

2020年はてな中途入社。主にオウンドメディア支援サービス「はてな MediaSuite」で、各企業オウンドメディアの戦略〜運用支援を行っている。

はてなのオウンドメディア支援について

はてなでは、ブログサービスやメディア運営のノウハウを活かし多くの企業のオウンドメディア支援を行っております。オウンドメディアの計画から記事制作、システム、集客、分析まですべてをサポートいたします。
オウンドメディア立ち上げをお考えの担当者様や、運営中でお悩みを抱えている担当者様は是非一度ご相談ください。

オウンドメディア支援サービス「はてな MediaSuite」

戦略設計から記事制作、運用までトータルで支援します

オウンドメディア支援サービス「はてな MediaSuite」のサービス説明資料を無料でダウンロードしていただけます。 オウンドメディア運営を始めたい、または運営方法にお悩みのご担当者さまにオススメの資料です。

▼スライドサンプル

スライドサンプル
※画像クリックで拡大 / スマートフォン閲覧の場合はピンチアウトしてご覧ください

※本ページ内フォーム送信後、資料ダウンロードのご案内をお送りします
※メールアドレスの入力間違いにご注意ください
※フリーメールアドレスの入力はご遠慮ください

この記事に関連する資料はこちら!

ダウンロードする