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ブランドコンテンツに不可欠な「正三角形」とは?はてな編集の記事広告へのこだわり

はてなでは、企業の製品やサービスを面白く伝える「記事広告」という取り組みを続けています。「ブランドコンテンツ」「ネイティブアド」「コンテンツ・マーケティング」など、さまざまなマーケティング手法が取り上げられることの多い昨今、はてなでは企業の広告コンテンツ作りで、どのようなことにこだわっているか、これまで広くお伝えしたことはありませんでした。

 

「はてなの記事広告についてもっと深く知りたいし、広告主やマーケターの方々にもはてなの広告についてもっと知ってもらいたいなあと思うんで、実際に作ってる編集さんにインタビューしてもいいですか」

 

入社して間もなかった新人広告営業スタッフ(こと私)のこんな一言から、はてなの記事広告を制作している編集部スタッフに「企業の広告コンテンツを作るときに大切にしていることは何か?」をインタビューしてみることとなりました。はてなの広告への取り組みのひとつとして、参考にしていただければ幸いです。

 

話をしてくれた人:id:minesweeper96
はてなニュース」の記事広告の企画・編集・制作に携わる。企業向けオウンドメディア構築プラン「はてなブログMedia」のディレクションも行っている。

 

良質な広告コンテンツ、大事なのは「大きい正三角形」

 

――「編集として記事広告を作る際に心掛けていること」を教えてください。

 

まず、媒体が企業の広告コンテンツを制作する場合、読者、媒体、広告主という三者がいますよね。僕はその三者を結んだときの「三角形の大きさとバランス」を常に意識しています。広告主からお金をたくさんいただいて言われた通りのことを書いて、媒体もウハウハで――でも読者の方をまったく向いてない、ということは、よくある話です。

 

これはすごく歪な三角形で、ダメです。一方で、読者には受けたけど広告主の伝えたいことが伝わらない記事は、そもそも記事広告としては成立してない、とも言えます。また、その広告コンテンツを作って公開することが、媒体にとって良いことでなければ、継続しません。

 

三者にとって良いものにすること。三角形を良いバランスにしつつ、それぞれをなるべく伸ばして面積を最大化すること。大きな正三角形に近づけたいという気持ちで、いつもやっています。ですので、どうしても読者の軸が最大化できなかったり、読者に対して不誠実になったりするような、つまり歪な三角形になってしまうようなご要望をいただく場合、「金なら払う!」と言われてもお断りすることもあります。

 

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(イラストは筆者によるもの)

普段の記事は「自由演技」、記事広告は「課題演技」

 

通常の編集記事や企画は「自由演技」、広告主のいる記事広告は「課題演技」のようなものではないか、とかつて教わったことがあります。課題演技って、与えられたお題をクリアしつつ、かつ素晴らしいパフォーマンスをしないと高得点は出ないですよね。

 

読者さんから「このPR記事おもしろい」という嬉しいコメントをいただくことがあります。「広告がつまらない」って、すごくダサい状態だと思うんです。広告主から予算をもらってコストをかけられるんだから、通常の記事よりおもしろくしたいですよね。

 

――はてなで今までコンテンツを作ってきた中で、ユーザーからの反応がよかったコンテンツは?

 

いい意味で「へんなもの」が好まれることが多いですね。エンジニアと舞妓さんがJINSさんの「JINS PC(PC用メガネ)」を使ってみる企画とか、パナソニックさんのテレビ「VIERA」でブロガーのメレ子さんと一緒に虫の写真を映し出して「きれいー」って遊ぶ企画とか。パソコン工房さんの記事広告で、統計処理向けのPCを作ったので宣伝したいというので、エンジニアと一緒に自然言語処理をして遊んでみる、っていう記事もやりました。

 

hatenanews.com

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IT系や技術系以外にも、機械式腕時計の記事広告を作ってたくさん反応をいただいたり、ライフネット生命の出口さん(現在は代表取締役会長兼CEO)にコスプレをしてもらってコラ素材化したり。撮影時、出口さんは本当にノリノリで、あんなにスムーズに進むとは思いませんでした。

 

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過剰な愛が大事

 

――話を聞いていると、ストレンジだったりシュールなものがウケてる印象がありますが。

 

そうですね。「ちょっとおかしい」「ちょっとヤバい」「ちょっとやりすぎ」みたいなものが。企業のPR記事なのにPRになってねえじゃねーか!みたいな(笑)……もちろん、結果的にPRになっていて、企業が伝えたいことが伝わっていることが大事ですが、そのくらいの方が読者さんにもウケて、多くの人に届いて、企業さんにも喜ばれますね。

 

大事なのは、読者に楽しんでもらうのを忘れないこと。あとは愛ですかね。はてなの記事広告って文字量が多くて、結構長いんです。それでも、スマホでかなり長く滞在して、しっかり読んでくれている、というデータがとれています。本当はスマホでさくっと読めるものが好まれる時代だから、もっと短くしよう、というのがトレンドなのかもしれないけど、記事を作っていると愛があふれてしまう。でも過剰な愛って大事じゃないですか。愛があふれすぎて「普通に考えたらおかしいくらい作り込んでる」みたいなものを常に目指したいです。

 

「はてなの広告は、もらったことのない反応が来る」

 

――実際にクライアントさんからの反応はどうですか?

 

「今までにない、思いがけない反応がもらえた」という喜ばれ方をすることが多いですね。今まで出会ったことのないユーザーにもらったことのないコメントをもらえて、そこからまた新しい気付きがあるようです。特にBtoB製品のプロモーションの場合、はてなの記事広告でちょっと違う要素をかけあわせてあげると、今まで目を向けてくれなかった人にも気付いてもらえる、ということがよくあります。

 

例えばネオジャパンさんのグループウェアの記事広告では、どうしても興味のある層が限られてしまうので、グループウェアを導入している霧島酒造さんに取材にいって、お酒を飲みながらグループウェアの話を聞いたら面白いんじゃないかと、宮崎まで行ってきました。黒麹を作ったランチを食べて、地ビールを飲んで、いい気分になったあたりで「ところで使っているこのグループウェアって……」という切り口で取材して記事を作ったところ、グルメ要素に魅かれて、グループウェアを普段気にしたことがない方にも届いたんです。その結果、まわりまわって、グループウェアについて興味のある人にも届いていきました。

 

hatenanews.com



――それでは最後に「はてなでのコンテンツ作りを通して実現したいこと」を教えてください。

 

インターネットをもっとおもしろくできればいいなと思います。ネットはいろんなものが雑多にあふれていて、そこにはいろんな人も企業もいて――楽しいじゃないですか。その中に僕らが作ったコンテンツも入っていくことで、もっと楽しくできればいいと思うし、広告が入ったことでおもしろくなくなった、というふうにはしたくないですね。

 

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企業タイアップイベントで司会をするid:minesweeper96。スイーツの話で顔がほころぶ。


id:minesweeper96が「インターネットのブランドコンテンツはもっとおもしろくできる!」と熱く語る姿が印象的でした。


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(インタビュー/イラスト/文:碇まどか)