国内最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営する株式会社クラウドワークス。同社が「複業で、人生を新しく。」をコンセプトに立ち上げたメディアがパラレルジャーナルです。
パラレルジャーナルでは、はてなが提供するオウンドメディアCMS「はてなブログMedia」を採用しています。開設から約2ヶ月、着実にファンを増やしつつある同メディアですが、そもそもなぜサイトを立ち上げるに至ったのでしょうか。同社でパラレルジャーナルの運営を担当されている古田皓也様に、メディア開設の狙いや展望、運営のポイントなどをお聞きしました。
オウンドメディア専用CMS「はてなブログMedia」
はてなが10年以上のサービス運営で培った技術力・ノウハウが詰まったオウンドメディア専用CMS「はてなブログMedia」の資料がダウンロートいただけます。また、システムだけでなく戦略設計から記事の制作、集客まで幅広くお手伝いが可能です。オウンドメディアの新規立ち上げをお考えの方、運用中で現在のシステムに課題を感じている方はぜひ一度ご相談ください。
■クラウドワークス様がメディアを立ち上げた狙い
__クラウドワークス様がパラレルジャーナルを立ち上げられた理由は何だったのでしょう。
古田 パラレルジャーナルの目的は3つの段階に分かれています。まずクオリティの高い記事を出して読者を集める「集客期」、そこから継続してパラレルジャーナルのファンになってもらう「育成期」、そして最終的にはクラウドワークスへの会員登録へつなげる「刈り取り期」です。したがって、長期的には会員登録を目的としていますが、短期的には集客を意識して立ち上げました。
__これまでもクラウドワークスへの会員登録において様々な施策を実施されてきたと思いますが、それらとパラレルジャーナルの違いは何でしょうか。
古田 私はマーケティングを担当しているのですが、クラウドワークスはSEMなどキーワードマーケティングを行ってきた結果、副業や在宅ワークをしたいと考えている顕在層に対してはしっかり集客ができていると感じています。一方、 そういったキーワードで検索しない潜在層に対してはまだまだ集客ができていない現状です 。
そこで、検索しないユーザー、今回であればソーシャルチャネルに焦点を当て、そこにパラレルジャーナルでクオリティの高い記事を出して情報発信をしていこうと思いました。それらがネットで拡散されることで、潜在層へのアプローチができるのではないかと考えました。
■記事を多くの人に読んでもらうためにははてながベストだった
__CMSとして「はてなブログMedia」を選んでいただいたのはなぜでしょう。
古田 私自身、はてなブックマークやTwitter、Facebookなどをよく使っているのですが、Twitter、Facebookのタイムラインで流れてくるのは、はてなブックマークで見た記事ばかりだなと感じていました。また、いろいろな方にお話を伺うと、情報の1次拡散が始まるのは、はてなブックマークだということでしたので、ソーシャルチャネルで効率よく記事を広めるためには、はてなのコミュニティにリーチする必要があるのではないかと考えました。CMSに関しても「はてなさんが開発しているCMSだから」というのが一番の理由です。はてなブログMediaの「読者機能」と、導入企業に提供される、はてなブックマークの誘導枠(「おすすめカテゴリ - 企業メディア」)は読者へ継続的にアプローチができる仕組みで、それらも決め手になりました。
__他のプラットフォームは検討されましたか?
古田 たとえばWordPressなら無料で開設できるので、コストは下がるように見えます。しかし、WordPressでは記事を出しても拡散される仕組みがないため「せっかく始めたのに…」ということになりかねません。はてなユーザーの方は良いコンテンツの目利きをしてくださる方がたくさんいて、しっかりとしたコンテンツを出していけば、きちんとついてきてくれます。また、継続的に読者にアプローチできる「読者機能」もある。そうした情報発信から集客までの道筋が用意されているのも魅力でした。
__はてなアカウントがあれば利用できる「読者登録機能」も、まさにそのひとつということですよね。
古田 読者になってくれるということは、今後も継続して読んでいただけるということです。新規読者を集客しても、そこから継続して読んでいただくためには読者と関係性を作っていかないといけません。そのために重要なのはTwitter、そしてはてなの読者登録だと思っています。
__デザインもシンプルながら凝ったエフェクトが設定されていたりとこだわりが感じられます。ここにも力が入っていそうですね。
古田 デザインについてはロゴやバナー、イメージカラーはデザイナーにも手伝ってもらいました。ただ、基本的には私の方で大枠の構成を考え、HTMLやCSSを直書きして作りました。
__えっ、それはすごいですね。
古田 現時点では、デザインよりは使いやすさ重視ですね。結局、今はまだ流入のほとんどが記事へのアクセスなんです。今後、トップページへのアクセスが増えるようでしたら、もう少ししっかり作り込んでいきたいです。
__KPIはどのように設定されていますか?
古田 短期的には集客を目的としていますので、やはり指標となるのはPVです。PVは「セッション×回遊ページ数」で表すことができ、さらにセッションは新規読者のセッションと継続読者のセッションに分解できます。継続的にしっかりと新しい記事を出していき、新規読者を獲得する必要があります。しかし継続読者につながらないとスケールしないため、いかに継続読者が増えているかを確認するようにしています。
また、回遊ページ数に関しては、直帰されてしまっていないかを見るために「直帰率」、読了してもらえれば回遊してもらえるのではないか、という仮説で「読了率」も見ています。
■読者登録ボタンとメディアバナーで常連を増やしていく
__集客と回遊のために工夫されていることはありますか?
古田 新規読者から継続読者になってもらうために読者機能を重視しています。具体的には、記事の末尾に「読者になる」ボタンを置いています。それから、記事のすぐ下にパラレルジャーナルのバナーをつけています。読み終わった後に「この記事がどのメディアのものなのか」を意識してもらうためです。ちなみにこうしたノウハウは、はてなブログMediaの顧客向けMeetupで、はてなさんからいろいろ教えてもらったり、ほかの企業さんとの情報交換で得たりしたものです。
__お役に立ててよかったです! それから、シェアボタンには、はてなブックマークやFacebook、Twitterの他にLINEとPocketも配置されているのですね。
古田 はい。はてなブログMediaで用意されているソーシャルパーツで、PocketやLINE もオンにしています。パラレルジャーナル読者はけっこうPocketを使われる方が多いんですよ。保存しておきたいという気持ちが強いのかもしれません。LINEで自分だけのグループを作っておき、そこに記事を送って別デバイスで見るという方もいますね。
__なるほど、面白いですね。
古田 はてなブックマークの非公開ブックマーク的な使い方ですね。
■ブロガーさんに寄稿してもらうときはリスペクトを忘れずに
__パラレルジャーナルのコンテンツ制作で心がけていることはありますか?
古田 パラレルジャーナルのコンテンツは、専門のライターさんに依頼するケースのほかに、ブロガーさんに寄稿をお願いするケースがあるのですが、そうした方にリスペクトの気持ちを持つということですね。ブロガーさんとも直接のやり取りになるので、なぜそのブロガーさんにお願いしたいのか、その方のブログのどこが良いと感じているのか、依頼時にはそれをしっかり伝えます。面識のないブロガーさんにいきなり連絡することになるので、そうした配慮は、もっとも外せないポイントです。
__そういった説明があると、ブロガーさんとしても納得がいきますよね。
古田 そうやってブロガーさんらしい記事ができると、ブロガーさん自らがソーシャルで言及してくれたりもします。中には「寄稿しました」とブログで紹介してくださる方もいて嬉しいですね。ブロガーさんに寄稿していただくときは、その方のファンにしっかり届けることが大事ですね。
__記事の企画はクラウドワークス様側で作られるのですか?
古田 そうですね。こちらで考えます。企画から依頼したいブロガーさんを決めることもあるし、その逆もあります。ブロガーさんらしい記事で、なおかつシーズナリティが加わると最高ですね。うまくいくとスマートニュースなどにも取り上げられて、PVもかなり伸びます。はてなブログMediaからSmartFormatへのコンテンツ配信も簡単にできて便利です。
■長期スパンで結果を出していく
__現在の運用体制を教えてください。
古田 基本的に私が見ているのですが、最近入ってきたスタッフがいて、一部の仕事は任せられるようになっています。
__これからメディアの立ち上げを検討する企業へのアドバイスをいただけますか。
古田 私たちも成果が出ているかと言われると、まだ全然です。メディアの弱いところは、短期的な成果が出にくいこと。それだけに、最初のプランニングはしっかりやっておく必要があります。私たちもやっと集客ができてきたかなという段階で、会員登録につなげるのはこれからです。
__会社の理解も必要ですね。
古田 長い目で見てくれる会社には感謝しています。ただ、理解を得るためには各フェーズの目標をしっかり定めて、現段階での目標はしっかり達成できているんだと報告できることが大事ですね。
__今後、やっていきたいことなどはありますか。
古田 コンテンツを内製して情報発信していきたいですね。正直、今はまだPVをとるのに必死なんですけど(笑)。
__ありがとうございました!
潜在層を集客し、最終的には会員登録につなげるという明確な目標を立てて、パラレルジャーナルを運営されているクラウドワークス様。コンテンツ制作の進め方やブロガーさんとのやりとりなど、これからメディア運営を考えておられる方にはとても参考になるお話だったのではないでしょうか。
はてなブログMediaを利用したオウンドメディア構築をお考えの企業様は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
企画・制作:はてな
執筆・写真:山田井ユウキ
はてなブログMediaについて
はてなが10年以上のサービス運営で培った技術力・ノウハウが詰まったオウンドメディア専用CMSです。
編集者・管理者が直面しがちなさまざまな課題を解決できます。
オウンドメディアの新規立ち上げをお考えの方、運用中で現在のシステムに課題を感じている方はぜひ一度ご相談ください。
また、システムだけでなく戦略設計から記事の制作、集客まで幅広くお手伝いが可能ですのでオウンドメディア運営でお悩みの方はご相談くださいませ。