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はてなブロガーに記事の執筆を依頼する理由〜「好きなもの」を主観で語れる強さ〜

はてな編集部がはてなブロガーさんに記事執筆を依頼する理由や、より良いコンテンツにするために心掛けていることなどを、私たちなりの視点で紹介します。

こんにちは、はてな編集部の谷口です。

はてな編集部では、営業部と一緒に企業のオウンドメディア運用のお手伝いをしています。私たち編集部のメインの仕事は「それぞれのメディアの目的に合う企画・書き手の選定を行い、記事などのコンテンツを制作すること」です。

「じゃあ、どんな記事を作っているの?」という声が聞こえてきた気がするので、以下にはてなが制作した記事の一例を紹介します*1

これらの記事には「はてな編集部がはてなブロガーさんに記事制作を依頼している」という共通点があります。この点は、編集プロダクションなど、記事の受託制作をしている他社とは違うところかと思います。記事を読んでいただけると伝わるかと思いますが、決して「書くことのプロ」ではないかもしれないけれど、だからこその「とてつもない熱量」を、はてなブロガーさんたちは持っています。

この記事では、はてな編集部がはてなブロガーさんに記事執筆を依頼する理由や、より良いコンテンツにするために心掛けていることなどを、私たちなりの視点で紹介したいと思います。

価値のある情報を読者に届けることが、メディアの使命

まず、はてなでは、企業の課題と向き合いつつ「書き手」「クライアント」「はてな」の三方良しを実現するオウンドメディア支援ソリューション「はてな MediaSuite」を提供しています。詳細は下記の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。

オウンドメディアを運用する目的やKPI、解決したい課題はクライアントによってさまざまです。ただし、どんな場合でも必要なのは「メディアの目的に合った記事」と「読者に届けるための仕組み」です。でもそうした記事の制作や読者の獲得は、簡単なことではありません。

そしてオウンドメディアは「メディア」である以上、「読者」にとって価値のある情報、例えば「役に立った」「面白かった」「読んで良かった」などと思ってもらえる情報を届け続ける必要があります。価値のないメディアには読者が生まれませんし、読者という「情報を届ける先」がないメディアは、メディアとして成立しないからです。メディアにとって何より考えなくてはいけないのは「読者」のことです。

「はてなブログ」「はてなブックマーク」といったユーザーコミュニティー運営の経験と、ソーシャルメディアをはじめネットの潮流を見極める目。これまで培ってきたこの2つで、オウンドメディアを運用する企業と、価値のある情報を求める読者をつなげ、クライアントの目的を果たすお手伝いをすること。それが「はてな MediaSuite」で私たちが取り組んでいることです。

好きなものに対して「主観」で語れる強さ

「価値ある情報」を読者に届けたい。そのために私たちは、「はてなブロガーさんをはじめとした書き手」の力をお借りして、一緒にコンテンツを制作します。

「はてなブログ」というプラットフォームには、たくさんの個性的な書き手が存在します。料理が好きな人、マンガを描く人、子どもの成長記録をつづる人、きれいな写真を撮る人、誰にも真似できないような文章が書ける人。特定の「何か」に情熱を注いでいたり、「好きなもの」に対して一所懸命だったり、対象への「熱意」と「深度」を感じられるユーザーが多いのです。

だからこそ、はてなブロガーさんは対象についてひたすら「主観」で書きつづることができます。「書かなくてはいけない」ではなくて「書きたい」という気持ちで記事が生まれるのですから、当然そこには客観視して書いたものにはない視点や情報が含まれることになります。これが読み手に届いたときに「価値」となります。これこそが、はてなブロガーさんに記事を書いてもらう強みだと私たちは思っています。

(誤解のないよう、念のための説明になりますが、もちろんはてなでもライターさんにお仕事をお願いすることはたくさんあります。しかしそういった場合も、できる限りそのライターさんの得意分野や知識、熱意などを引き出すようなお仕事をお願いするようにしています)

はてなブロガーさんなど、書き手とやりとりするときに気をつけていること

そうやってはてなブロガーさんをはじめとする書き手と一緒に記事を制作する上で、いくつか気をつけていることがあります。

【その1】書き手の発信をチェックし、ファンになる

「寄稿をお願いしたい」と思う書き手がいたら、ブログやSNSなど、その方が“発信”しているものをとことんチェックします。パーソナリティーや興味関心分野を把握することで、「この人は◯◯が好きだから、あの媒体でこういう企画ができそう!」と、ぴったりな企画や媒体に結びつけることができます。

もう1つ大事なのは、編集者自身が書き手の好きなところを見つけて「ファン」になること。編集者が見つけた書き手の好きなところは、そのまま「コンテンツを制作する上で、伸ばすといいところ」になります。もちろん、客観的な視点も忘れてはいけません。

【その2】「ラブレター」を書くように、思いを伝える

お願いしたい書き手が見つかり、クライアントの要望を満たせる企画が立案できたら、次はいよいよ「依頼」です。

初めてコンタクトを取る書き手の場合、ファーストコンタクトはほぼ100%メールやフォームからの問い合わせなど「テキスト」を介してになります。私たちはある程度書き手のリサーチを行ってから連絡を取っていますが、相手はこちらのことを何も知らない状態です。しかも件名に「執筆の依頼」と書かれたメールが届こうものなら、受け手の立場からすればまず、驚くと思います。

きれいな言葉遣いや簡潔で分かりやすい依頼条件などはもちろんですが、いちばん時間をかけるのは「なぜ、あなたにこの執筆をお願いしようと思ったのか」についてです。まるで「ラブレター」を書くように、その思いを丁寧に、熱く伝えることを意識しています。

【その3】心配事を減らしてあげる

はてなブロガーさんへの依頼の場合、「書く」ことを生業としている方は、ほんの一握りです。ほとんどの方が、職場や学校に通ったり、子育てをしたり、日常を送りつつブログを書いています。そんな生活の中に「執筆」というイレギュラーなタスクを積むわけですから、まずは「環境の整備」が必要です。

もし会える場所にお住まいの方であれば、できるだけ一度は対面し、お願いするメディアの方針や、その方に望む企画内容などをお話するようにしています。お互いに面識があれば、メールを1通送るときでも相手の「顔」が浮かび、やりとりの「壁」が少しでも低くなるからです。基本的なところだと、最初の段階でお支払する原稿料について提示・調整すること、著者とクライアントの双方の権利に配慮した契約を結ぶことなども環境の整備に含みます。

あとは、普段の「生活」を邪魔しないような無理のないスケジュール立てて、きちんと共有します。こちら側に確認のボールがやってきた場合は、いつ返事があるんだろう? というモヤモヤを解消するため、可能な限りいつごろまでにボールが返せそうかを明示します。もちろん、遅れる場合は一報を入れます。

私たちがはてなブロガーさんに対していつも心掛けているのは、できるだけ「心配事」を減らしてあげること。直接会って話をしたり、丁寧なやりとりを続けて関係を構築すると、何か疑問や不安を抱えたときにも、気軽に相談してもらいやすくなります。

【その4】個性は消さずに、読みやすく整備

書き手の「個性」はそのまま、記事の「個性」になります。情報がたくさんあふれている昨今、「個性」は他の媒体や記事との差別化につながる大事な要素となるので、できる限り書き手の個性を残した記事にします。

しかし、そのままでは伝わりづらいことや、正しくないこともたくさんあります。それではクライアントが求める「読者に価値ある情報を届ける」というミッションは完遂できませんし、掲げている目的を達成することもできません。「こうすればもっといい記事になるのでは?」「こういう書き方をした方が、◯◯さんの良さが生きる」と思うことは、きちんと著者に伝えて、記事のクオリティーを引き上げるための「編集」を行います。著者の伝えたいことを汲み取りつつ、行き違いが起きないよう調整してクライアントにも満足いただけるコンテンツに仕上げていきます。

個性を残す場所と、私たちが手を入れるべき場所を見極め、どんな読者にとっても読みやすく、記事の最後まで伝えきれる価値ある記事にすること。簡単ではないですが、私たち編集者の一番の力の発揮どころです。

詳しくは、以前公開した下記の記事でも言及しています。

書き手の個性を生かしつつ、完読されるための工夫を 「オウンドメディアにおける編集」って? - はてな編集部ブログ「編む庭」
ノオト宮脇氏×徳谷柿次郎氏×はてな – はてなオウンドメディアマーケティングセミナー座談会レポート - はてなビジネスブログ

手間をかけるのは、書き手が関わったメディアの「ファン」になってもらいたいから

これまで紹介したように、読者に価値ある情報を届けるためのコンテンツ作りは、一筋縄ではいきません。

しかし、私たちはクライアントのメディアをお預かりして、一緒に育てています。はてなブロガーさんをはじめ、お仕事をお願いする書き手に嫌な思いを抱かれては元も子もないですし、私たちがお仕事をお願いしている方々は、書き手であると同時に読み手でもあるので「媒体のファン」になってもらいたいと思っています。

読者はもちろんのこと、書き手にも自分が関わったメディアに対して「愛」を持ってもらいたい。だからこそ、丁寧なやりとりを重ねています。それは必ず、「媒体力」を育てることにつながります。

例えば、私が担当しているメディアにリクルート住まいカンパニー様の「SUUMOタウン」があります(記事の一部をはてなが担当しています)。

「SUUMOタウン」への寄稿をお願いする際、ほとんどと言っていいほど「この媒体に書きたかったんです」「声がかかってうれしいです」という反応をいただきます。そして、執筆を終えて以降も、SNSなどで「この記事良かった」「やっぱり良いメディアだ」と言及いただいたり、応援してもらったりしています。とっても「愛」にあふれたメディアです。

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一緒にお仕事をしたはてなブロガーさんから「たくさんの人から反応があってうれしかったです」「あのお仕事をきっかけにまた執筆を依頼されたんです」といった感想をいただくことがあります。もちろん、書き手の方には「原稿料」という形で対価はお支払していますが、それ以上に、ブログの「外」に出て可能性を広げるお手伝いができたのかな? とうれしくなります。

優れた書き手だからこそ、はてなブログという場所以外でも知られてほしいし、活躍してほしい。私たちの仕事は、クライアントと読者をつなげるだけでなく、そういった「書き手」の支援にもつながっていると自負しています。

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*1:『SUUMOタウン』『Yorimichi AIRDO』『マネ会(コラムのみ)』に関しては、一部記事の編集/制作のみを担当しています。