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コンテンツマーケティングとは?事例や戦略の立て方

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「コンテンツマーケティング」に取り組む企業が増えています。一方で、コンテンツマーケティングという言葉は知っているものの、正確な定義や施策の具体的な内容、事例については答えられないという方もまだまだ多いと思います。そこで、今回は事例を混ぜつつ、コンテンツマーケティングの基本知識について、様々な視点からまとめました。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、文字通りコンテンツ(記事、データ、イラスト、図版、動画など)を活用して、ターゲットとするユーザーとコミュニケーションするマーケティング活動です。

制作・配信するコンテンツは、ユーザーにとって価値がある必要があり、そうしたコンテンツを通して、信頼を獲得したり、興味・関心を持ってもらったりすることができます。

コンテンツマーケティングの特徴

テレビ、新聞、雑誌、ウェブメディア、検索エンジンなどを通じてコンテンツを発信していく際、特に重視されるのは、自社のウェブサイトやメディア(オウンドメディア)です。

自社で運営をしない様々なメディアやプラットフォームとは異なり、オウンドメディアであれば、コンテンツ形式、容量、フォーマット、内容などを自由に決めることができ、ターゲットが最も取得しやすい形で配信ができます。その他、SNS、メールなどもありますし、広い意味ではセミナーや紙媒体も活用できます。

コンテンツの制作では、顧客に対して「情報を与えるか、楽しませるか」が重要になります。書籍「エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書」では、次のような「コンテンツ配信の4つの道」を紹介しています。 

  1. 情報を提供して顧客の役に立つ
  2. 顧客を楽しませることで、エモーショナルな関係を築く
  3. 独りよがり、宣伝色の強いコンテンツで空振りに終わる
  4. 広告、DM、広報などに金を費やす

コンテンツマーケティングは、1と2の手法を通して、顧客との関係を築き信奉者を得ることです。一方、3はコンテンツマーケティングを実践しようとして失敗している例、4や費用のかかる広告・宣伝活動などが該当します。広告は配信すればその時は効果は得られますが、配信を止めるとその効果は持続しないことがほとんどです。広告費用を1、2のコンテンツに投資することで、より長期的に顧客との関係を深めることができます。

コンテンツマーケティングでは、買い手の知識欲を高めたり、楽しませるようなコンテンツでコミュニケーションを行います。広告や宣伝は、購入意欲がある潜在顧客には届きますが、そうでない人には見られない、意識されないためメッセージは届きません。情報を与え、楽しませるコンテンツであれば、今現在は購入する気がない人に対しても、コンテンツを読ませ、考えさせることができます。

コンテンツマーケティングの種類

一言でコンテンツマーケティングといっても、コンテンツの種類、見せ方、配信方法、利用するプラットフォームなどによって、コンテンツの作り方や提供できる価値が異なります。ここでは、主なコンテンツマーケティングの手法について解説します。

コンテンツSEOとの違い

コンテンツマーケティングに関して、よく誤解されやすいことの一つが、「コンテンツマーケティング=コンテンツSEO」という考えです。コンテンツSEOもコンテンツマーケティングの一種ではありますが、全体を定義するものではなく、手法の一つに過ぎません。

コンテンツSEOは、検索エンジンの検索結果に表示されやすいコンテンツを作成して、自社サイトの検索順位を上げていく手法です。コンテンツによってウェブサイトに集客することを目的にしています。検索エンジンのアルゴリズムは日々更新されていますが、最近はユーザーの体験が重視されており、検索結果から遷移したページで課題を解決できているか、ページ内でコンテンツが快適に閲覧できているか、といったことが評価されます。そのため、コンテンツSEOでも、闇雲にコンテンツを量産するのではなく、ユーザーに価値ある情報を届けるようにする必要があります。

コンテンツSEOだけではないコンテンツマーケティングの例

コンテンツマーケティングでは、自社サイト(オウンドメディア)上にテキストを中心とした記事形式のコンテンツを配信する手法が注目されがちですが、やり方はそれだけではありません。コンテンツマーケティングの手法を紹介します。

オウンドメディアマーケティング

自社メディア(オウンドメディア)にコンテンツを配信し、ターゲットユーザーに価値のある情報を配信する手法です。コンテンツマーケティングの王道とも言える手法で、継続的にコンテンツを配信し続けることでコンテンツが蓄積され、ウェブサイトの集客力がアップし、コンテンツのファンも生まれます。

動画マーケティング

動画を使って、商品の設置方法や使い方、活用アイデア、商品開発の工程、開発者の思いなどを動画で紹介する手法です。役に立つ、参考になる動画を公開すると、購入する前に調べている人が視聴して参考にすることもあります。動画プラットフォームのYouTubeやその他のSNSを使って配信したり、オウンドメディア内に埋め込むことで配信できます。最近はリアルタイム配信で、ユーザーと直接コミュニケーションしながら、商品を紹介したり解説するような動画も効果を発揮しています。

ソーシャルメディアマーケティング

Twitter、Instagram、Facebook、LINE、TikTokなどに代表されるSNSで発信する手法です。SNSによって、コンテンツのフォーマットや反応のよいコンテンツの傾向に違いがあったり、ユーザー層、ユーザーの期待が異なってくるので、それぞれの特性を活かした上で、発信していきます。

メールマーケティング

会員登録や資料ダウンロードなどを通して獲得したユーザーのメールアドレスに、メールを配信する手法です。新商品やイベントの紹介、コンテンツの更新情報、購入のリマインドなど、様々な目的で配信できます。マーケティングオートメーション(MA)を組み合わせて、コンテンツの閲覧や資料のダウンロードなどユーザーの行動にあわせてメールを配信することも可能です。

ホワイトペーパー、ebookなどダウンロード資料

全ユーザーに公開する記事と異なり、ダウンロードが必要な資料を用意します。資料をダウンロードする際に、入力フォームを用意してユーザーの情報を獲得し、メール配信の許可を得ることで、メールマーケティングにもつなげられます。ダウンロード資料の場合は、エディトリアルデザインに凝ってみたり、調査データをまとめみてたり、ウェブでは表現しきれないような内容にすることで、ダウンロードする動機を作れますし、ダウンロードしたユーザーの満足度を上げられます。ホワイトペーパーやebookを活用しているのはB2B企業が多いです。

セミナーやイベント

セミナーやイベントも広い意味ではコンテンツに含まれます。イベントやセミナーの講演内容は後日、アーカイブ動画として公開することもできます。

まとめると各特性は次のようになります。


オウンドメディアマーケティング 自社サイトを使ってコンテンツを配信する
動画マーケティング 動画を使ってコンテンツを配信する
ソーシャルメディアマーケティング SNSを使ってコンテンツを配信する
メールマーケティング メールを使ってコンテンツを配信する
ホワイトペーパーなど ダウンロード資料を配信する
セミナーやイベント 講演、セッションなどを行う。プレゼンテーション資料もコンテンツとして活用できる

オウンドメディアの場合、すべての手法を内包することができます。例えば、動画をオウンドメディアにも埋め込む、ソーシャルメディアで最新コンテンツ情報を配信する、ホワイトペーパーダウンロードを用意する、ホワイトペーパーダウンロードで得られたメールアドレスにメールを配信するといったことができます。

具体的なコンテンツマーケティング事例を紹介

ここで、それぞれの具体的な事例を紹介します。

コンテンツSEOの例

はてなビジネスブログ(本ブログ)

はてな営業部が運営する「はてなビジネスブログ」でも、検索エンジンからの流入に配慮して制作されたコンテンツがあります。オウンドメディアについての疑問や知りたいことを解決するために関連ワードで検索をするユーザーに、求めている情報が提供できるように、コンテンツの内容を企画・制作しています。

他にも、ソーシャルメディア経由や広告経由、RSSや購読者向け通知などからの流入もあるため、企画やコンテンツによって異なりますが、SEOに配慮したコンテンツも制作しているため、事例として紹介させていただきました。

動画コンテンツの例

コメリ公式チャンネル
www.youtube.com

ホームセンター「コメリ」の公式YouTubeチャンネルでは、DIYや園芸のハウツー、おすすめ商品などを動画で解説、紹介しています。チャンネル登録者数 6.88万人となっています。ハウツー系は、文章で説明するよりも動画で見せたほうがわかりやすいこともあり、それぞれの動画は数万回再生されているものもあります。障子の張替えなどニッチでありながら、いざやるとなったらやり方がわからない作業などは、動画で確認できると便利です。

SNSコンテンツの例

フリーズドライ食品のアマノフーズを販売するアサヒグループ食品では、オウンドメディア「アマノ食堂」を2015年より運営しています。Twitter、Instagramも運営しており、SNS経由の来訪に効果を発揮しているだけでなく、コンテンツの拡散にも寄与しています。

Twitter 
twitter.com

Twitterでは、アマノフーズの食品をツイートしている人をリツイートしています。ユーザーが作成したコンテンツを、UGC(User Generated Contents)と呼びますが、TwitterでUGCを公式アカウントから拡散して、より多くの人に届けています。
もちろん、オウンドメディアの記事紹介もしています。レシピ動画も公開しており、Twitterだけでも作り方を把握できます。

Instagram
https://www.instagram.com/amano_shokudo/

Instagramでも、オウンドメディアの記事を紹介するような形で投稿しています。Instagramにあわせてアレンジして紹介しており、ストーリーズでレシピを動画で紹介することもあります。オウンドメディアのオリジナルコンテンツを他のSNSでどう活用するか、という点で参考になる運用です。

メールマーケティングの例

画像素材販売サイト「PIXTA」を運営するピクスタでは、メールマーケティングを通して、月に2回見込み客にアプローチしています。配信内容は、購入者向けオウンドメディア「ピクスタアンテナ」から記事を一部抜粋するなどして、素材活用のお役立ち情報を配信しています。メール配信後は、「メールを開封した顧客」や「サイトを訪問した顧客」をメール配信ツールで確認し、リスト化しています。そのリストをインサイドセールスが確認し、顧客の反応に応じて、電話やメールなどのフォローを行なうことで、契約やプランのグレードアップにつなげています。

参考:眠っていた見込み客リストにメールでアプローチ! MA導入に失敗したピクスタがたどり着いた最適解 | 失敗しない! マーケティングオートメーション活用の基礎 | Web担当者Forum

ホワイトペーパーの例

電通が運営する課題解決マーケティング情報サイト[Do! Solutions]では、記事に関連するebookを公開しており、ダウンロードできるようにしています。
エディトリアルデザインが凝っており、見やすいebookです。

eBook|課題解決マーケティング情報サイト[ Do! Solutions|ドゥ・ソリューションズ ]

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングを行うことでどんなメリットやデメリットがあるのかを説明します。

コンテンツを発信することで次のようなメリットがあります。

ブランディング

ユーザーにとって価値のあるコンテンツを配信することで、ユーザーの関心を高め、自社やブランドを認知してもらったり、好感を持ってもらうことができます。知識があること、わかりやすく解説できることを示すことで、ブランドの信頼性を高めることができます。

多様なプラットフォーム上で存在感を出せる

コンテンツマーケティングは、オウンドメディアに限らず、SNSやメールなどを通してもコンテンツを発信できます。様々なプラットフォーム上にアカウントを持ち、情報を発信することで、ユーザーに気づいてもらえますし、存在感を出すことができます。

リード獲得

コンテンツマーケティングの中で、ホワイトペーパーやebookなどのダウンロード資料を用意することで、ダウンロード前にユーザーのリード情報を獲得できます。ユーザーのリード情報を獲得できれば、その後MAを活用したリードネイチャリングにつなげることができます。

読者、視聴者の啓蒙

コンテンツを通して、読者、視聴者の知識を向上できます。動画を使って使い方や設置方法を紹介すれば、ユーザーの満足度向上につながりますし、サポートや問い合わせを軽減することにもつながります。


コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングには、デメリットもあります。そのデメリットを理解して対策する必要があります。

継続的に運用するための体制づくり

コンテンツマーケティングは、短期的な施策ではなく、長期的な施策です。思いつきで始めては、継続が難しくなるので、運用体制を整え予算を確保してから始めます。また、属人的な運用になると、その人が抜けてしまうと立ち行かなくなる場合があります。コンテンツ制作の方針やマニュアルを整備して、誰が担当しても一定の品質を保てるようにします。

炎上してしまう場合がある

コンテンツの発信を不用意に行ってしまうと、炎上してしまうこともあります。特に、SNSは、問題のある発信があるとすぐに拡散してしまうので、炎上してしまうリスクがオウンドメディアに比べると高くなります。大きな炎上をしたり、炎上後の対応を間違うと、長く人の記憶に残り、マイナスのブランディングになってしまいます。コンテンツの発信については、ポリシーを策定するとともに、理想的には年齢、性別、役職などが異なる複数の人がチェックして、問題がないか確認できるようにします。

効果が出るまで時間がかかる

コンテンツマーケティングは、実施すればすぐに効果が出るものではありません。コンテンツが増えていくほど、じわじわと成長していき、成果が上がってきます。始めて数ヶ月は、成果が感じられずモチベーションが下がることもありますが、効果が出るまでに半年〜1年以上はかかると思って、長期的に取り組み続けることが重要です。

まずは戦略を立てることから

ここまで説明したように、コンテンツマーケティングには様々な手法があるため、始めるのであれば戦略的に考えて取り組む必要があります。少なくとも次のようなことを整理し、自社の取り組み方を事前に決めておきましょう。

目的を考える

現在抱えている課題を整理し、それをどう解決するのかを考えます。解決策としてコンテンツマーケティングがマッチするのであれば、目的=ゴールを考えます。

この目的がしっかりしていないと、成果が出ない時に「なぜコンテンツマーケティングに取り組むのか」がわからなくなってしまいます。すぐに数値に出やすいアクセスを稼げる記事を量産して満足してしまうこともありますが、本来の目的に合致していなければ意味がありません。コンテンツマーケティングを実施する場合は、必ず目的をかかげて社内の合意を形成をしておきましょう。

ターゲットの明確化

目的と同時に、ターゲットとなるユーザー像を明確にしておきます。まずはペルソナを作成し、どんな人がどんなニーズを持ってコンテンツを閲覧するのか、具体的に設計しましょう。さらに、その人がコンテンツと接触することで、どのように変わっていくのか、カスタマージャーニーマップとして描く必要があります。

ペルソナ、カスタマージャーニーマップがあることで、どのような記事を作成していくのか、ユーザーにどのような行動を期待するのかが明確になり、コンテンツマーケティングの運用方針になります。

ペルソナ、カスタマージャーニーマップについては、次の記事で解説していますので、参考にしてください。

business.hatenastaff.com

メディア、プラットフォーム選定

カスタマージャーニーが決まると、どのメディア、プラットフォームを選ぶかも決まってきます。ターゲットユーザーにリーチでき、コミュニケーションできる場所を選定してコンテンツを配信していきます。

運用体制

継続的に運用をしていくために、誰がコンテンツを企画、制作するのか、内容を承認して公開するのか、公開したあと効果分析をするのか、プロジェクトメンバーを決めます。場合によっては、外部パートナーに業務を依頼する場合もあります。

プラットフォームによっては、仕様変更があるので、最新情報を常にキャッチアップしておく必要があります。オウンドメディアの場合は、制作だけでなく、保守やメンテナンスも考慮する必要があります。

まとめ:コンテンツマーケティングを始めよう

今回はコンテンツマーケティングの基本的な事項として、定義、施策の内容、メリット・デメリット、広告との違い、事例、戦略策定について解説しました。コンテンツマーケティングは、自社の製品、サービスをアピールするものではなく、ターゲット顧客のニーズに合わせた情報を適切なタイミングで発信していくことで関係を築く取り組みです。コンテンツマーケティングでターゲット顧客との関係を作ることで、将来的に売上につながるような施策が効果を発揮することになります。

なお、コンテンツマーケティングの実践については、セミナーや本ビジネスブログで複数ご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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著者名:深谷歩
株式会社 深谷歩事務所 代表取締役。 ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、オウンドメディア制作、運用支援も行う。
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