読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

オウンドメディア、ネイティブ広告、コンテンツマーケティングに関する話題をお届け。株式会社はてなが運営しています。

良質なオウンドメディアは交通広告並の効果に ベルリッツ・ジャパンがブログに込めた企業姿勢

英語に限らず、さまざまな言語を対象にした語学レッスンを提供するベルリッツ・ジャパン様。企業向けの語学研修や、外国人とのミーティングを想定した実践型のセミナーなどを提供していることから、ビジネスパーソンにも支持されています。

英会話教室・英会話スクールのベルリッツ

「教えているのは言語ではなく、コミュニケーションの方法です」と語るのは、マーケティング部の胡喬太様。今回は胡様が編集長を務めているオウンドメディア「ベルリッツブログ」「ベルリッツグローバルブログ」の運営についてお聞きするとともに、はてなにネイティブ広告を出稿した背景を伺います。

■ ユーザーのニーズに応えつつ、企業としての姿勢も打ち出していく

f:id:hatenabusiness:20151104195839j:plain

ベルリッツ・ジャパン株式会社 マーケティング部 コンテンツクリエイター 胡喬太(コ キョウタ)様

__あらためて、ベルリッツ・ジャパン様のビジネスモデルについて教えてください。

胡様 一般的には英会話スクールとして知られていると思うのですが、英語だけでなく、あらゆる言語に対応しています。ベルリッツは世界で展開していますが、日本は大きな市場です。その中で一番ニーズがあるのが英語、というだけです。しかし教えているのは、言語ではなくコミュニケーションの方法なんです。

__英会話というよりは、コミュニケーションメソッドにまで落とし込んで教えているということなんですね。

胡様 そうです。それが世間に伝わりきっておらず、課題だと思っていました。そこで、弊社の特徴をもっとブランディングできるように、しっかりコンテンツ化して伝えていこうと立ち上げたのが「ベルリッツグローバルブログ(以下、グローバルブログ)」です。「コミュニケーションが取れないのは英語ができないから」と思われがちなので、英語以外のスキルも訴求していこうという考えで運営しています。

__たしかに、記事を見ているとスピーキングや立ち振る舞いに関することも書かれています。

胡様 英語は自分が伝えたいことを乗せている台車のようなもので、大事なのはその内容ですよね。グローバルブログの真の目的は「グローバルリーダーを増やしていきたい」というもの。リーダーには語学力だけでなく、リーダーシップや、聴衆を巻き込んでプレゼンテーションする能力が必要です。コミュニケーションからさらにレベルアップして、こうしたリーダーの育成にも力を入れています。

__2015年になってオウンドメディアを立ち上げたという企業も多い中、御社は先手を打っているイメージがあります。そもそもブログを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

胡様 2013年春ごろにベルリッツ・ジャパンのサイトをリニューアルし、問い合わせ数を大幅に増やすことに成功しました。他の施策を試せる時間ができたので、コンテンツマーケティングをやってみようと考えたのがきっかけです。

__ブログはどういった運営体制なのでしょうか?

胡様 記事を書いたり写真を選んだりといったコンテンツの制作は弊社が担当し、記事をアップロードしたり図を仕上げたりする作業は外部のパートナーにお願いしています。ブログには音声も必ず入れているのですが、それは私や現場の教師の声を録音しています。

__運営していて辛かったことはありますか?

胡様 英語のレベル設定が大変でした。立ち上げ当初に執筆を担当していた外国人教師の使う英語が、ネイティブ寄りのいわゆる“かっこいい英語”になっていたんです。例えば「右に曲がる」が「turn right」ではなく「take a right」になっていたり。これは基礎ができていてさらに流暢(りゅうちょう)に話したいという人には有効ですが、そのレベルまで達していない人に提示する表現としてはやや不適切です。

あとは、だんだんと妥協したくないという気持ちが生まれ、1つの記事に対する作業負荷が増えるようになりました。本来なら最低でも記事を週に2本公開する予定だったのですが、1本しか公開できていない。質を下げられなくなったので、結局本数を増やせないという悩みは解決できていません。

__出来上がった記事の品質チェックなどはされていたのでしょうか?

胡様 マーケティング部門の部長や広報のチェックは入っていましたね。最初は自信がないから、いろいろな人に見せていたんです。しかし、会社を代表してコンテンツをどういう姿勢で打ち出すべきかというのが徐々に理解できたので、自然とチェックの工程が減っていきました。

気を付けたことは、ユーザー目線を追求しつつ、ベルリッツの要素もきちんと入れるということ。音声を付けている最大の理由は、聞いて覚えてもらいたいからなんです。例えば「海外の問い合わせも簡単に!そのまま使える英語メールの12例文」という記事でも、ほとんどの人が記事中の文章をコピー&ペーストして使っていると思うんですよ。でも弊社としては、なるべくタイピングして体で覚えてもらいたい。習慣にしていけば自然と覚えられますよ、というメッセージを大事にしています。

__できる限り生の英語に触れてもらって、英語を習得するプロセスも含めて体験してもらいたい、と。

胡様 そうですね。ユーザーは課題があって、検索して、その結果弊社のブログと出会っています。よく「Webサイトではここまで、これ以上はスクールで」という手法があると思うのですが、弊社にそういう発想はまったくありません。ユーザーの疑問に対して、ブログだけで完全に答えが出るように書いています。

__クラウドソーシングサービスに安価で発注した記事をとにかく公開していくという一部のメディアもある中で、まったく真逆のことをされていますよね。

胡様 そういったメディアは、Googleしか見ていないですよね。だからやみくもに記事数や文字数を増やす。私たちはGoogleの先にいるユーザーを見て記事を作っています。よく「何文字ぐらい書けばいいんですか?」と聞かれるんですが、実はその質問も的外れなんです。ユーザーが検索したキーワードに対する完全な答えを提示しようとすれば、SEOを意識しなくても、必然的に2,000文字や3,000文字になる。視点がまったく違います。

「英語 秋」と検索するユーザーがどんな答えを求めているんだろうと考えると、単純に「秋って英語で何ていうの?」というのがほとんどだと思うんです。ですが、もしかしたら「同じ職場にいる外国人と秋について会話してみたい」とか「英語圏の秋のイベントはどういうものがあるのかな」とか、違った目的で検索しているかもしれない。なので「秋は英語でFallとAutumnどっちなの?秋の例文12選も紹介」という記事では、思い当たるすべての答えを書きました。とはいっても、一番ニーズがある「英語で秋って何ていうんだろう」という疑問は無視できないので、もう検索結果だけで解決できるようにしようと、タイトルに「Autumn」を入れました。記事をクリックしなくても、検索結果だけで答えが分かるようになっています。

__ユーザーのニーズをつかんでいらっしゃるんですね。ブログを書いていてよかったことはありますか?

胡様 会社として何を提供したいのか、というのを考えるようになりました。ベルリッツブログでは弊社の教材に含まれているフレーズも書いているのですが、最初はこんなに表に出していいの?と思っていたんです。でもブログを書いていくうちに、本当の価値は教材に書いてあるフレーズではないことに気付きました。ただフレーズを覚えても、実践していかない限り、英語は話せるようになりません。その実践の場がベルリッツなんだ、というのを理解することができたので、教材のフレーズをブログに使うことにも躊躇(ちゅうちょ)しなくなりました。

グローバルブログも同じです。テーマとして「グローバルリーダーになる素質を学ぶためのブログ」という依頼があって始めたんですが、最初は見当がつかなかったです。なので、まずは「グローバルリーダーとは何か」を考えました。そして書いていくうちに、だんだんと自分の中で言語化できるまで分かってきたんです。ブログを書いて人に伝える、というきっかけがなければ一生考えることはなかったと思います。今は私の主導のもと、全社を挙げてビジョンやミッションの策定も進めているのですが、グローバルブログは社内で実践したことの結果報告の場にもなっていますね。

__記事の内容はどうやって決めていますか?

胡様 Google AdWordsのキーワード プランナーで「英語」の関連キーワードを算出し、トラフィックの多い順にリストアップして決めています。検索ボリュームが大きいほどニーズがあるということなので、まずはここに応えていこうという考えです。メジャーなキーワードはもう取り尽くしてしまったので、今は検索ボリュームの小さいキーワードを拾っています。小さいからといっても捨て置けなくて、逆にいうと、小さければ小さいほど他に競合がいないんですよね。答えをものすごく求めている人は必ず読んでくれると思うので、小さいキーワードでも丁寧にやっていくべきだと考えています。

__KPI(目標の達成度)についてお聞きしたいのですが、立ち上げ当初と比べていかがでしょうか?

胡様 初期はPVがほとんどゼロに近い状態だったので、アクセス流入の推移を見ていました。あとはSEOの順位ですね。書いた記事がどの位置に入っているかは毎朝見ていました。SEOは上がったり下がったりが常の世界だと思うのですが、私たちのコンテンツの場合、下がることはほぼありません。上位1〜3位くらいに入っていないと意味がないので、まずは自分で検索してみて、上位3位までに入っていなければ改善します。なので、初期のKPIはSEOの順位でした。

逆に、今はあまり順位を見ていません。一つ一つの記事が人気になっていくということは、ブログ全体の力が強くなっていくということ。内容には自信があるので、すぐに上がらなくてもいつか上がるだろうという確信を持てるようになりました。なのであまり焦らず、とにかくいいものを書くだけですね。

__資料請求の数は記事ごとに見ているんですか?

胡様 今は見ています。最初は成果の見方が分からず、PVや記事の順位を見るしかありませんでした。受講相談や資料請求のページにランディングできるようブログにバナーを設置して、1ヶ月で3人ほどのお問い合わせがあったのですが、ブログの成果としては物足りないな……と。ですがアトリビューション分析をしたところ、ベルリッツブログをきっかけにベルリッツのサイトにきてお申し込みしたという事例が月間100件以上あったことが分かったんです。これは交通広告と似た役割を果たしています。この数値は今でも伸びていますね。

■ はてなの拡散力で、悩んでいる人にいち早くコンテンツを届けられる

__PVが伸びた時期はいつごろだったんでしょうか?

胡様 「センスがグッとアップする。そのまま使える英語メール書き出し80選」を公開した2014年2月ですね。初期から弊社のTwitterアカウントとFacebookページで記事の公開を案内していましたが、PVがなかなか伸びない状況でした。しかしそんな中で公開したこの記事には、SNS経由でかなりの反響がありました。当時のTwitterのフォロワーは約1万人。その中にはてなユーザーが何人かいたようで、彼らがブックマークしてくれたみたいなんです。それが思いのほか拡散されて、はてなブックマークの人気エントリーやランキングに入りました。

f:id:hatenabusiness:20151112111936p:plain
赤い枠線で囲った部分が「センスがグッとアップする。そのまま使える英語メール書き出し80選」の記事を公開した際のPV。Twitterやはてなブックマークで注目を集め、大きく跳ね上がった。

__この記事が注目を集めたとき、はてなのことはご存知でしたか?

胡様 知っていました。でも、この時は広告出稿のことは全然考えていなかったです。「タイトルがキャッチー」「(コピー&ペーストだけではダメだと)ちゃんと本質を捉えてるとこが良い」「さすがベルリッツ」というコメントも見受けられて、本当にうれしかったですね。

__過去に出稿していただいた「海外の問い合わせも簡単に!そのまま使える英語メールの12例文」のブックマーク数は、2015年10月時点で900以上も集まっています。

海外の問い合わせも簡単に!そのまま使える英語メールの12例文

胡様 この記事は、書いていくうちに「ものすごくいいコンテンツが出来上がっているな」という実感がありました。こんなにいいコンテンツはすぐにでも世に広めたい、と考えたときに、英語メールの記事がはてなブックマークでバズったことを思い出したんです。そこで「B!KUMA ガールズ」に出稿させていただきました。

__記事にこんなにブックマークが集まるのはコンテンツの質が高いからだと思います。記事がどのように広がったかは振り返っていらっしゃるのでしょうか?

胡様 Googleは、方向性としてユーザーを見ていると思うんです。そして、私たちもユーザーを見ている。先ほど「ユーザーを見てGoogleを見ていない」と言いましたが、Googleの検索のロジックって、ユーザーのニーズに沿った記事が上がるようになっていますよね。なので、いつまでも順位が上がらない記事というのは、ニーズを満たしていないんだなというように振り返っています。

Googleのアップデートというと、Webコンテンツをやっている人にとっては戦々恐々とすると思うんです。でも、私たちとしては1日でも早くきてほしい。Googleがアップデートをすればするほど、弊社のブログは相対的に順位を上げていきます。Googleがユーザーを向いているとしたら、そのアップデートは悪いものではありません。たまに記事が検索結果の上位にいきなり上がることがあるのですが、これはより正しく評価されているんだなと思っています。

__これはブックマークされそうだという記事の傾向はありますか?

胡様 問い合わせの方法など、いつか使うんじゃないかと思えるような記事ですね。これはユーザーのニーズにも結び付いています。

__TwitterやFacebookと比べて、はてなブックマークはここが違ったな、というのはありますか?

胡様 中長期的には、さっきのグラフが象徴しているように、はてなブックマークでバズるとブログに力が付くんだなというのを実感しました。短期的には、はてなブックマークのコメント欄ですね。ユーザーってこんなことを考えているんだな、と興味深く見ています。「本当に役に立つ」「またお前か」という反応をもらうと、もっと役に立つブログを書きたいなと思いますね。モチベーションにもなるし、記事を書く上での参考にもなります。

__はてなのネイティブ広告に期待することを教えてください。

胡様 正直なところ、コンテンツに自信はあるので出稿しなくても自然と検索流入は増えます。しかし、普通だと世の中に広まるまで2、3ヶ月ほどかかってしまう。出稿すれば、知らない人に早く気付いてもらえますし、悩んでいる人にコンテンツを届けることができるので、拡散力にも期待できます。ネイティブ広告はこの2、3ヶ月の間を、キュッと狭めるイメージですね。

__最後に、ベルリッツブログやグローバルブログを通して実現したい目標をお聞きしたいです。

胡様 「英語だけじゃないんだよ」と伝えたいですね。なるべくグローバルブログにもユーザーを誘導していきたいです。

今は、ベルリッツブログにアルバムのような記事のまとめを作って、そこにテーマと関連するグローバルブログの記事を入れることも考えています。検索の動機は「プレゼンで使えるフレーズを知りたい」というものかもしれませんが、実は本当に必要なのは、人に何かを伝えるための心構えと確固たる自信です。最終的には、ユーザーをこうしたゴール地点まで導いて、私たちが本当に提供している価値を知ってもらいたいですね。自信を持って話す人が育ち、そういった人が集まる場所がベルリッツです。

f:id:hatenabusiness:20151104195840j:plain

__ありがとうございました!



ユーザーのニーズに応えていくのはもちろん、単純な答えを提示するだけでなく、身に付けてほしいスキルや企業姿勢を、ブログを通して発信するベルリッツ・ジャパン様。インタビューでは、編集長である胡様のブログに対するこだわりや自信が伝わってきました。

はてなのコミュニティーを生かしたネイティブ広告に興味がある企業様は、以下よりお気軽にお問い合わせください。