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オウンドメディア、ネイティブ広告、コンテンツマーケティングに関する話題をお届け。株式会社はてなが運営しています。

成果があがるオウンドメディアとは?KPI設定からDMP活用法まで事例を紹介 - はてなセミナーレポート

オウンドメディアの成果が中々見えづらい…という声にお答えし、「成果があがるオウンドメディア」をテーマにオウンドメディアセミナーを開催しました。登壇者の皆様には、オウンドメディアの初期設計の重要性や、オウンドメディアにDMPを活用することでどのような成果があったか、オウンドメディアの集客方法としてのSEO効果を高めるにはどうすればよいかをお話いただきました。

2016年7月20日(水)に「成果があがるオウンドメディアをつくるには はてなオウンドメディアマーケティングセミナー」を開催しました。

第7回目となる今回のセミナーでは、オウンドメディアの構築・運用に携わる3社が登壇。オウンドメディアを立ち上げる際のKPI設計から、成果をあげるための集客手法まで、オウンドメディアに関わるさまざまな考え方を話していただきました。その様子をピックアップして紹介します。

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会場はフリークアウトさんのセミナールームをお借りしました。

【第1部】ジモコロの立ち上げから現在まで DMP活用で見えた効果測定とKPI設計

第一部では、株式会社アイデム 東日本事業本部 マネージャーの岡安伸悟氏と株式会社フリークアウト ブランド・マーケティング統括部 シニアディレクターの安藤尚人氏が登壇。アイデムが運営するオウンドメディア「ジモコロ」のDMPを活用した効果測定や、立ち上げ時のKPI設計について紹介いただきました。

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「アドテクはレバレッジが効かない」 ジモコロの立ち上げ意図

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アイデムのオウンドメディア「ジモコロ」は、2015年5月11日にスタートしました。「はてなブログMedia」の仕組みを利用して構築されており、コンテンツの制作はアイデムとバーグハンバーグバーグが行っています。2016年5月度で月間PV数が約71万、月間UU数が約29万まで成長しています。

立ち上げ時の主目的は「若年層・新規ユーザーのイーアイデムへの集客」「地元のしごと=イーアイデムという認知拡大」「地元キーワードへのSEO対策」の3点。「従来のアドテクではレバレッジが効きにくいため、広告予算規模の大きな会社に有利な構造。パワーゲームではなく、コンテンツやクリエイティブ力による広告の可能性を試したかった」と岡安氏は、オウンドメディアを立ち上げた経緯を話しました。

ジモコロは、フリークアウトの「Private DMP 'MOTHER」を活用した効果測定を行っています。安藤氏は「DMPはデータ化できるものを整理して使えるようにする箱のようなもの」だと説明。アイデムでは、イーアイデムの本体サイトや各コンテンツサイトの情報をDMPに蓄積し、ジモコロの効果測定や広告配信に活用していると紹介しました。


DMP活用で見えてきた ジモコロがイーアイデムに与える効果

ジモコロの効果測定は、媒体の立ち上げから現在に至るまで、媒体のフェーズごとに変化してきました。まず立ち上げ時には、ジモコロがアイデムのビジネスにどう寄与しているかを調べる目的で、イーアイデムの本体サイトとジモコロの両方を見ている人(重複率)の割合を計測したそうです。岡安氏は「ジモコロは社内でもゲリラ的にはじめたため、どんな効果があるのか、またどんなKPIで社内に示すべきか最初は手探りだった」と当時を振り返りました。

ジモコロ来訪者とイーアイデムの来訪者は、別のコンテンツサイトと比べて、約10倍の重複率であることが計測できました。これにより、これまでのコンテンツサイト以上にジモコロは、イーアイデムにポジティブな影響を与えているとわかりました。またジモコロ来訪者の属性を性別、年齢、年収、未既婚などの情報で分析することで、イーアイデム来訪者と比較して異なる属性を集客できていることが把握できたそうです。

重複率の調査でジモコロ全体の影響が見えてきた後は、ライター別・コンテンツ単位での影響を可視化・検証することが目的になりました。本体サイトへの貢献度をコンテンツ単位で把握することで、どの記事が本体への貢献度が高いかなど、より細かい数値を把握できます。具体例として、ジモコロライターのヨッピーさんやARuFaさんが書いた記事がヒットした月は、本体サイトへの流入が通常よりも多く、ソーシャル上の広がりだけでなく、本体サイトにも貢献度が高いことがわかったそうです。


DMPで可視化したデータをコンテンツ制作に活かす

ここまでDMP導入により見えてきた成果を説明しましたが、安藤氏はDMP導入がうまくいかないケースもあると指摘。「DMPをうまく活用するためには、DMPの導入自体が目的にならないようにすることが大事です。目的・ゴールを明確にした上で、シンプルに何をクリアにしたいのか考えながら分析することが重要になる」と話しました。

一方、岡安氏は「ライター・記事ごとの計測は、DMP導入時には想定していなかった」とし、導入後に測れるデータを確かめながら、目的を考える方法もあると説明。締めくくりとして「最初はPV、UU、新規率などの見えやすい評価軸と、地元×仕事で面白い記事を書くという編集方針を元に記事を作ってきた。DMP導入後は、より記事の中身に焦点をあてて、ライター・記事ごとの効果を確かめながら記事制作できるようになった」とDMP活用による効果を紹介しました。

【第2部】「それどこ」の成長で見えてきた オウンドメディアの目的と初期設計の重要性

第二部では、株式会社はてな ビジネス開発本部 営業部長の高野政法が登壇。「オウンドメディアの目的と設計の重要性」と題して、普段から質問されるお悩みを元にオウンドメディア運営のポイントを話しました。

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「成果の出ないメディアは情報の粒度が広い」 初期設計の重要性

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最初のパートでは、オウンドメディアの目的と成果について話しました。「プロダクトの販売促進や採用支援など企業によってさまざまですが、自社プロダクトに関わりの深い記事のみのメディアであればわかりやすく結果がでる」と高野氏は説明。はてな営業部が運営するはてなビジネスブログでは、事例記事などの掲載により、営業部への問い合わせが増えたと紹介しました。

一方、成果のでないオウンドメディアは「情報の粒度を広くすることで自社のプロダクトと距離が離れてしまっている」ケースが多いと指摘します。「オウンドメディアを開始する時は、成果とは何かを定めることが重要。成果が定まっていないと、KPIやターゲット層、編集方針など全ての項目が変わる」と初期設計の重要性を語りました。


「インターネットヘビーユーザーを狙う」それどこの目的と初期設計

次のパートでは、楽天のオウンドメディア「それどこで買ったの?(以下、それどこ)」の事例を元に初期設計から成果までの流れを説明しました。それどこは、「はてなブログMedia」の仕組みを利用して構築されており、記事制作は楽天とはてなで行っています。

それどこの立ち上げにあたり、楽天が抱えていた課題は「楽天には購入の背中を押すステップは複数あるが、興味を与えるコンテンツが少ない」「楽天で買い物したいと思っていないユーザーにアプローチしたい」の2点です。これらの課題を解決するために、それどこは楽天に興味がない人たち(楽天非会員)をターゲットに設定しました。

高野氏は「楽天非会員がどこにいるか考えた時に、それはインターネットのヘビーユーザーだと考えました。インターネットのヘビーユーザーに情報を届けるために、ソーシャルメディアで話題になることを狙った記事制作を意識している」と説明しました。


ソーシャルメディアごとの傾向を把握することが大事 それどこの人気記事を紹介

それどこの編集方針は「楽天の色を必要以上に出さないようにする」「専門家的なブロガーに書いてもらう」「面白い記事を作るために、書き手の表現の自由を最大限に尊重する」の3つです。主なKPIはUUで、ソーシャルメディアなどを通じて、どれだけ多くの楽天非会員ユーザーに来訪してもらうかを意識しているそうです。

高野氏は「ソーシャルメディアごとの話題のなりやすさの傾向を捉えることが重要」と説明。それどこの記事のうち、過去にソーシャルメディアで話題になった例として、Twitter、Facebook、はてなブックマークそれぞれの事例を紹介しました。

Twitter数が伸びた記事は、ジャニーズファンのブロガーに依頼した記事です。ジャニーズファンの必須アイテムである、コンサートで使用するうちわを作ってみる記事は、Twitterのジャニヲタクラスタを中心に拡散しました。

Facebook数が伸びた記事は、古墳大好きなモデルと企画・作成した記事です。古墳デートするときのおすすめファッションコーデを雑誌のパロディ風に紹介。記事に参加したモデルさんやモデル仲間を中心にFacebook拡散がはじまり、その後は画像をフックにシェアが伸びました。

はてなブックマーク数が伸びた記事は、育児マンガを書いているブロガーさんに依頼した記事です。子育てに関する情報がたくさんあるせいで、不安になっていたものが一冊の本で出会ってすっきりしたという記事。「知らなかったためになる情報」「デマではなく正しい情報だから広めたい」と、はてなブックマークが伸びました。

記事ごとにターゲットを設定し、記事制作を続けた結果、それどこは、楽天非会員のアクセスが全体の75%を占める媒体に成長。それどこの初回訪問後、間接的に楽天の新規会員になるユーザーが毎月増加しています。高野氏は「オウンドメディアは考えることがいろいろあるし、途中でやめられない。状況を見ながら真面目に運用していくことが大事」と語りました。

【第3部】オウンドメディアに「人が来ない」悩みを解決する 集客戦略の考え方

第三部では、株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 局長の高橋航氏と同本部 エグゼクティブコンサルタントの勝浦和馬氏が登壇。オウンドメディアの集客戦略について紹介いただきました。

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オウンドメディア運営者が抱える一番の悩みは「人が来ない」こと

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サイバーエージェントはさまざまなWebマーケティング施策を展開していますが、高橋氏と勝浦氏が所属する部署では、非広告領域のCV最大化・最適化を提案しています。高橋氏は「戦略的なコンテンツマーケティングは重要性を増してきている」と話しました。

オウンドメディア運営者からの相談として、一番多い悩みは「人が来ない」こと。コンテンツマーケティングのポイントについて、勝浦氏は「誰に、どうなってほしいのか、何を作るか、どう知ってもらうか」の4つが大事だと紹介。特に「『どう知ってもらうか』を考えずにはじめる媒体が多い」と説明しました。

オウンドメディアの集客手法は、ユーザーの情報に対するスタンスと情報の拡散性によって変わります。勝浦氏は「そのメディアのコンテンツはユーザーが能動的に探すものか、受動的なものか、シェアしたいのか、シェアしないのかを考えることが大事。例えば、能動的に探す情報で人に言いたくない『お悩み系』のテーマでオウンドメディアをつくる場合は、検索との相性が良い」と説明しました。

オウンドメディアの集客手法を考える際に、検索流入は大きな要素のひとつです。勝浦氏は「ソーシャルメディア経由のトラフィックは継続力が高くないが、爆発力がある。検索経由の流入は爆発力はないが、継続力がある」とし、集客経路の特性を把握することが重要と説明。「月間PV数を目標にする場合は、40%~50%が検索経由になると媒体が安定しやすい」と語りました。


SEO流入を狙った記事制作に必要な4つのステップ

SEO流入を狙った記事をつくるためには、検索キーワードのニーズを把握することが重要です。具体的な方法として、勝浦氏は「ターゲットキーワードの設定、検索ニーズ・競合情報の把握、記事作成、CTRを意識したタイトルを付ける」の4ステップを紹介。「重要なのは検索ニーズが情報を求めていること。"ホテル 予約"などユーザーがアクションを求めているキーワードではなく、"東京 観光"などユーザーが情報を求めているキーワードを選ぶことが大切」と説明しました。

検索ニーズのヒントを探るには、Googleサジェストをチェックすることが効果的です。狙いたいキーワードで既に上位表示されている競合サイトを探し、記事のテーマやソーシャルメディアでの拡散状況などを調査することが重要になります。勝浦氏は「検索ニーズを網羅した長い記事が上位表示されやすい傾向がある。検索ニーズを把握した上で、競合記事よりも付加価値をつけた記事を作成することが大切」だと説明しました。

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SEOをベースにソーシャルメディア経由の流入をアドオン

SEOと同様に重要になるのが、ソーシャルメディア対策です。ソーシャルメディアを上手く活用することにより、SEOでは得られない流入数を獲得できます。勝浦氏は「ソーシャルメディアごとの属性を把握することが重要」としつつ、拡散の打率を高めるためにはインフルエンサーを巻き込むのが近道だと説明。「インフルエンサーを取材する」「インフルエンサーでもあるライターに記事を依頼する」「自身の拡散力をつける」の3つの方法を紹介しました。

またソーシャルメディアのなかでも、「SEO狙いのニーズが網羅された記事は、はてなブックマークとの相性が良い」と紹介しました。勝浦氏は、「因果の証明には至っていないが、ツイート数、はてなブックマーク数などのソーシャルシグナル数とSEO順位には相関性がでているものもある」と説明。ベースの集客経路としてSEOを据えて、ソーシャルメディア経路の流入をアドオンする形式が効果的だと説明しました。

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立ち上げる時のKPI設計から、DMP活用による効果測定まで、オウンドメディアに関わるさまざまな考え方を話していただきました。

はてなでは、今後もこのようなセミナーを企画していく予定です。はてなブックマークのネイティブ広告や、オウンドメディア構築について興味がある企業様は、お気軽にお問い合わせください。