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オウンドメディア、ネイティブ広告、コンテンツマーケティングに関する話題をお届け。株式会社はてなが運営しています。

求人応募者の10%がジモコロ読者に 「大事なのはコンテンツ」と語るアイデムの戦略と成果

はてなブログMedia(オウンドメディアCMS) インタビュー 事例 ピックアップ

求人サイト「イーアイデム」など、地域に密着した求人サービスを提供する株式会社アイデム様。最近では株式会社バーグハンバーグバーグ様と一緒に地元メディア「ジモコロ」を運営し、全国各地の仕事を独自の視点でレポートしています。

今回は、株式会社アイデム 東日本事業本部の岡安伸悟様と、伊志嶺彩様に「ジモコロ」を始めた経緯や見えてきた成果、媒体を成長させるために必要な考え方などをお伺いしました。

前編となる本記事では「ジモコロの目的と成果」、後編では「質の高いメディアをつくるための考え方」を紹介します。

■「バイト戦士」や「ジモコロ」など はてなとの取り組みを振り返る

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(上写真、左より):株式会社アイデム 東日本事業本部 岡安伸悟様、伊志嶺彩様


__今日は「ジモコロ」の話だけではなく、過去に取り組んできたプロモーションについてもお伺いしたいと思います。そもそも、はてなとの最初の取り組みはお題キャンペーンでしたよね?

岡安様 2011年に実施したエンジニア向けお題キャンペーンが最初ですね。エンジニアの「キャリア」や「働き方」についての記事をはてなダイアリーに投稿していただき、最優秀賞に「MacBook Air」をプレゼントするものです。

__もう5年以上の付き合いになるんですね。

岡安様 そうですね。お題キャンペーンがきっかけで、ユーザー参加型の施策をもっと拡大していく方向になり、デイリーポータルZさんとはてなさんに協力いただき「バイト戦士」のコラボ企画を実施しました。あの企画はCM放映などのマスキャンペーンの裏側で、ユーザー向けのコンテンツマーケティングを同時に行う仕掛けでした。

__「バイト戦士」懐かしいです。弊社としても、あれがはじめてのコラボ企画でした。

岡安様 その後、"地元ルネサンス"という枠組みの中で、もっと中長期的にコラボ企画をやりたいと思い「地元発見伝」や「じもリンピック」などのキャンペーンにつながりました。こうした施策をやるなかで、今度は継続的に情報発信メディアを立ち上げたいと考えて、バーグハンバーグバーグ(以下、バーグ)さんと「ジモコロ」を立ち上げました。

■人材業界の広告は”どう企業名を検索してもらうか”の戦い

__こうして振り返ってみると、アイデムさんは5年以上も前からコンテンツマーケティングに注力していたんだなと思います。なぜ積極的にWebコンテンツを作ってきたのでしょうか。

岡安様 その質問にお答えするには、まず人材業界のマーケティング戦略をご説明する必要がありますね。簡潔にいうと、人材業界の広告はどうやって企業名を検索してもらうかの戦いなんです。

__企業名を検索してもらう戦いとは、どういう意味でしょうか。

岡安様 例えばバイト探しを検討する際に、一度「イーアイデム」と検索してサイトを訪れてもらえれば、その時点で応募に結びつかなくてもリマーケティングできます。こうして初期接触を増やすためには「仕事を探したい」と思った時に企業名を思い浮かべてもらうことが重要なんです。

なので人材業界は「バイト探しは○○」のように、企業名を印象づける広告展開がマスマーケティングの基本戦略になります。ただし、この戦略を取るためには多額の広告費をかけてCMをやり続けないといけません。そうすると資本力の戦いになってしまうため、そこまで資本力がない弊社は同じ戦い方をしても不利になるのが課題でした。

__CMのようなマスマーケティングだけだと、資本力の戦いになりがちだということですね。WEBマーケティングはどうなのでしょうか。

岡安様 CMと同じ考え方でいくと他社よりも広告出稿すれば良いとなりますが、これはちょっと違うと思います。インターネット上では出稿量とは関係なく、良いコンテンツを出せば広がっていくんです。大事なのはコンテンツじゃないですか。なのでWEBマーケティングでの認知拡大は、面白いコンテンツを作った企業が差別化できるんじゃないかというのが元々ありました。

面白くないことを大きな声で言い続けたって、結果的には資本力勝負になってしまいます。面白いことを出来る限り自然に、継続的に流し続けられる仕掛けをつくりたい。こうしたイーアイデム全体の戦略を考えた時に、コンテンツマーケティングという手法が上手く当てはまったのだと思います。

__インターネットだからこそのマーケティング戦略が「ジモコロ」を生み出したんですね。そうなると「ジモコロ」の目的はアイデムの認知拡大なのでしょうか。

岡安様 そうですね。良いコンテンツを継続的に発信して「アイデムはそういうことをやるんだ、イーアイデムってそういうサイトなんだ」という声を増やすことが、マーケティング施策としての「ジモコロ」の目的です。

(編注:そのほか「ジモコロ」で実現したいこと、コンテンツへのこだわりは「インタビュー後編」で説明いただいています)

__ありがとうございます!アイデムさんのマーケティング戦略とあわせてお伺いすることで、「ジモコロ」を立ち上げた経緯や目的がわかりました。

■本業への意外な貢献 「ジモコロ」来訪者による応募数が増加

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__以前のセミナーや、過去のブログ記事でも伺いましたが、「ジモコロ」を続けて見えてきた成果をあらためて教えていただけないでしょうか。

岡安様 去年のセミナーでは、求人応募数への貢献はお話できませんでしたが、実はこの半年で「ジモコロ」来訪者による応募数が増えています。立ち上げ当初は全体の1%~2%くらいだったのですが、今ではイーアイデムからバイトおよび正社員に求人応募するユーザーの約10%が「ジモコロ」来訪者になります。

__求人応募者の10%が「ジモコロ」読者ということですか?

岡安様 そうですね。正確には「ジモコロ」に来訪した後、リマーケティング経由で求人応募したひとをあわせた数値ですが、求人応募者の10%が「ジモコロ」を読んでいることになります。

正直、そこまで本業には影響がないと考えていたのですが、意外や意外。コンテンツマーケティングでもこんなに直接的な効果がでるんだなと驚いています。

__効果が見え始めたのは、立ち上げからどれくらい経ってからなのでしょうか。

岡安様 去年5月の立ち上げから半年ほど経って少しづつ数字がでてきました。成果が伸びはじめたのは昨年末からですね。

間違いなく「ジモコロ」がイーアイデムに影響を与えていると分かってきたので、今年に入ってからはより細かいデータを取るようになりました。

DMP(ユーザーデータを蓄積して管理・分析するシステム)はある程度の母数がないと反映されないのですが、最近はデータ量も増えて明確に数字が見えるようになりました。

__半年以上かけて、徐々に効果が出始めたんですね。

岡安様 そうですね。立ち上げ当初は単純に楽しめる媒体だったのですが、いまは本業に貢献している媒体へと社内での位置づけも変わってきています。

__成果が見えなくてすぐにやめてしまう媒体もありますが、続けることで見えてくる成果もありますよね。先ほど、DMPの話がでてきたと思うのですが、どういう方針で測定しているのでしょうか。

岡安様 前提の考え方として、インターネット広告はすべて数値化できるものだと思っています。もちろん、読者の心理など抽象的な概念もありますが、出来るだけ可視化することに昔からこだわっています。

なので「ジモコロ」を立ち上げる時も、どんなユーザー層が訪れているかや、どれだけ本業に貢献できるかを把握するためにDMPを導入しました。具体的には計測タグが記事単位、ライターさん単位で入っています

■ヨッピーさんは20代~30代に人気、ARuFaさんは10代に人気

__記事単位だけではなく、ライターさん単位でも計測しているんですね。ライターさんごとにそんなに数値が違うのでしょうか。

岡安様 全然違いますね。分かりやすいところでいうと、つい先日、ARuFaさんの「龍が剣に巻きついたキーホルダー」の記事が半端なく盛り上がりまして、ジモコロ史上最多のPV数を集めたんです。そのおかげもあって2月は抜群に数値が良かったのですが、DMPで裏側をみてみると普段は20代~30代の正社員が多いのに、2月は10代の読者が異様に多かったんです。

__ARuFaさんの記事が拡散したことで10代が多く訪れたんですね。ライターさんごとに読者層がちがうのは面白い結果だと思いました。

岡安様 これまで「ジモコロ」の読者に20代~30代の正社員層が多かったのは、ヨッピーさんの記事に紐付いている部分があるんです。僕も当てはまるのですが、20代~30代の仕事をしたくない読者がヨッピーさんのような生活にあこがれて記事を読むじゃないですか(笑)。そうすると読み終わった後に、他にはどんな記事があるのだろうかと、何となく「ジモコロ」を回遊してくれる傾向にありました。

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出典:「オウンドメディアは“熱”で加速する! 約3ヶ月半「ジモコロ」を運営した結果


一方で、ARuFaさんの記事は高校生・大学生などの10代に人気です。ライターさんごとに色々なファン層を連れて来てくれることは「ジモコロ」の良さだと思いますが、それが数値としても出ています。

最近は柿次郎さんや、カメントツさんなどの露出が増えているので、また新たに読者の属性を把握しているところです。あまり表には出していませんが、裏側ではこういう地味な作業をひとつひとつやっています。

__効果測定などの担当者もあわせて、「ジモコロ」は何名体制で運営しているのでしょうか。

岡安様 弊社側の主な担当者は、私と伊志嶺のふたりです。バーグさんとのやり取りは基本的に伊志嶺が担当しており、私は「ジモコロ」全体の統括をしています。

伊志嶺様 バーグさんとの主なやり取りは、記事の校正・校閲ですね。掲載する記事は私と岡安ですべて目を通しています。弊社側で「ジモコロ」に関わっているひとはとても少ないんです。

__DMPなど効果測定は誰の担当なのでしょうか。

岡安様 基本的には外部の企業さん(株式会社フリークアウト)に依頼しています。DMPの設計は細かく打ち合わせしていますが、レポーティングはお任せしている状況です。効果測定は、私と伊志嶺ともう1名の担当者でやっています。

__外部の企業と連携しつつ、少数体制で運営しているんですね。

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出典:「オウンドメディアは“熱”で加速する! 約3ヶ月半「ジモコロ」を運営した結果

■「はてなブログMedia」でインフラや教育にかかる余計なコストが減らせた

__オウンドメディアCMSとして、どういった経緯ではてなブログMediaを導入いただいたのでしょうか

岡安様 実は「ジモコロ」を立ち上げる前に、就活生向けのニュースメディアをやったんです。その時も、はてなブログMediaを検討したのですが、アプリ対応などの関係で最終的に他のCMSを導入しました。個人的にはその時も、はてなブログMediaを選べば良かったと思っています。

__それはなぜでしょうか?

岡安様 比較的、安価なCMSを導入したのですが、色々な面で余計なコストがかかってしまいました。例えば、月額料金が安いCMSだとしても、サーバーの稼働率をあげると高くついてしまう場合もあるんです。

また運用面でも、CMSに慣れていないひとはデザイン変更が難しかったり、スマートフォン対応に手間がかかったりと色々なメンテナンスが必要になってしまいました。

__こうした余計なコストを減らすために今回は、はてなブログMediaを導入いただいたのですね。

岡安様 そうですね。いまはインフラ面でも、機能面でも導入してよかったと思っています。「ジモコロ」のライターさんにも、はてなブログMediaの管理画面に直接原稿を書いてもらっているのですが、誰も使い方を聞いてくることがないんですよ。そういう意味では、だれもが使えるユニバーサルな環境を提供頂いてるなと感じています。

あとは、はてなブックマークとの親和性も魅力ですね。就活生向けのニュースサイトを作った際にも、色々なライターさんのコンテンツを試したのですが、「ジモコロ」ほどソーシャルメディアでの広がりはうまくいきませんでした

もちろん拡散するかはコンテンツの中身によると思いますが、単純に有名なライターさんを揃えてもプラットフォームの拡張性がないと、言及されにくいんだなと認識しました。

__ありがとうございます。サービス提供側として、とてもありがたい話が聞けました。

前編では「ジモコロを始めた目的と見えてきた成果」についてお伺いしました。後編ではアイデム様とバーグハンバーグバーグ様の2社が「ジモコロ」をどうやって成長させていったのかを紹介します。


■ ジモコロインタビュー後編はこちら

business.hatenastaff.com

■ 祝ジモコロ一周年!編集長が振り返るジモコロ一年の歩みはこちら

www.e-aidem.com