オウンドメディア、ネイティブ広告、コンテンツマーケティングに関する話題をお届け。株式会社はてなが運営しています。

大人の事情を入れず読者側に立つ――はたらく女性の深呼吸マガジン「りっすん」が大切にしていること

求人サービスを提供する一方で「ジモコロ」などのメディア運営にも力を入れている株式会社アイデム様。はてなでコンテンツ制作を行っているオウンドメディア「りっすん」について、立ち上げ時の課題感や運用の中で大事にされていることを伺いました。

地域密着型の求人サービス「イーアイデム」を提供する一方で、「ジモコロ」などのメディア運営も展開されている株式会社アイデム様。同社が運営する「りっすん」は、"はたらく女性の深呼吸マガジン"をキャッチフレーズにした女性向けワークスタイルメディアです。

はてなではオウンドメディアCMS「はてなブログMedia」の提供と、りっすんのコンテンツ制作を行っています。女性ブロガーさんからの寄稿や、様々な業界で活躍する女性のインタビュー記事を中心にコンテンツを展開し、読者から共感の声が寄せられています。

「りっすん」はどのようにして生まれたのか。そこにはどんな思いがあったのか。アイデム様で同メディアの運営に携わっている伊志嶺(いしみね)彩さんにお話を伺いました。

■りっすんのコンセプトを一言で表せる言葉が「深呼吸」だった

f:id:hatenabusiness:20170714194007j:plain
株式会社アイデム 東日本事業本部 伊志嶺彩様

__貴社と一緒にりっすんを立ち上げてもうすぐ1年になります。立ち上げ時の背景や貴社として抱えていた課題感を改めて教えていただけますか。

伊志嶺 りっすんは女性向けのメディアとして1年前にスタートしました。イーアイデムのユーザー層は6割が女性なのですが、当時そこに向けたコンテンツがないという課題があったのです。また、世の中的にも女性の働き方が注目されている中で、働く女性が抱えている問題を可視化したいという思いがありました。

__「はたらく女性の深呼吸マガジン」というキャッチフレーズにどんな思いを込められましたか。

伊志嶺 女性はいろいろな思いを抱えながら働いています。年齢や結婚・子育てとの両立に関する話題などは、職場でもお互いに気を遣って本音が言えなかったり声を上げにくかったりすることも多いです。結婚していなければ、この先のキャリアの描き方や働き方に焦りを覚えたり、結婚・出産をして育休を取ったら復帰するときに同じ部署に戻れないんじゃないかと不安になったり……。

りっすんは身近にロールモデルを見つけにくい女性にとって、他の人の声や本音を聞き、自分に取り入れてモヤモヤした気持ちを外に吐き出せるような場になれたらと思ってつくりました。そんなりっすんのコンセプトを一言で表すと、「深呼吸」がしっくりきたのです。

__りっすんの記事は読者にとっても等身大というか、共感できる内容になるように、はてなでも意識しています。

伊志嶺 そうなんです。一般的な雑誌のインタビューに出てくる女性って、スーパーウーマン的な方が多いじゃないですか。これは真似できないぞと(笑)。いい意味で"ふつうの人"のリアルな声が聞けるメディアにしたかったのです。

__りっすんでは自身の人生と仕事との関わりについて悩む女性たちの生の声を「寄稿」という形で掲載しています。

伊志嶺 りっすんは女性の「ふつうに働きたい」という気持ちを応援するメディアですが、"ふつう"って人によっても違いますし、説明するのも難しいんですよ。弊社でも10年前にくらべると育休から復帰してくる女性は多くなった印象がありますし、多様な働き方に対応する企業も増えてきました。一方で、長く働くことが当たり前になると、今まで見えなかった壁や悩みが出てきます。そんな中でそれぞれが思う"ふつう"を見事に表現してくれているのが寄稿してくださっているブロガーさんですね。

■ある記事をきっかけに「りっすんは読者側に立つ」というコンセプトが固まった

f:id:hatenabusiness:20170714194038j:plain

__貴社では「パートタイマー白書」など、働く女性の意識調査を積極的に行っていらっしゃいます。アンケートとはまた違った声が、オウンドメディアの運営を通して聞かれるということでしたが、具体的にどのような反響がありましたか。

伊志嶺 世の中の大きな流れを反映しているのはアンケートの方だと思います。一方で、りっすんには記事を読んで思ったことや共感、反発など様々な声が届いていて、ときには議論が巻き起こることもあり、それはアンケートとはまたちょっと別軸だなと感じています。

はてなブックマークコメントはアンケートと違うリアルな共感や反対意見が見えるところなので、一番参考にしていますね。

__りっすんについての社内外の反響はいかがでしたか。

伊志嶺 始めたときは社内の女性に読んでほしいと思っていたのですが、意外と反応が上がってくるのは男性社員からなんです。子育ての話題だと男女関係ないですからね。はてなブックマークでも記事によっては男性のコメントが多めだったりします。

社外からは「うちはこんな制度があるので取り上げてほしい」といった要望をいただくことが増えました。

正直、月に公開する記事は4本なので、劇的な変化というのはまだないんです。ただ、記事の積み重ねでいろいろな声を拾っていけたらいいなと思っています。

__りっすんで大事にされていることは何でしょう。

伊志嶺 働く人の気持ちを忘れないということですね。ブロガーのジュリー下戸さんに寄稿いただいた『「天職」からの「転職」』という記事があるのですが、求人サイトをやっていてもこうした働く側の声ってあまり見えてこないんです。ジュリー下戸さんの記事はそういう声が見えた気がして嬉しかったです。記事もすごくたくさんの方に読んでいただけました。

www.e-aidem.com

様々な企業様をクライアントにもつアイデムとしては、記事内容によっては出すのが難しい場合もあるんじゃないかと当初は思っていたのですが、ジュリー下戸さんの記事をきっかけに、「りっすんは働く人の側に立とう」というスタンスが固まりました。

ブロガーさんに書いていただいているのは、リアルな声を聞かせてほしいから。そこに企業の大人の事情を入れるのは違うと思うんです。これは同じくアイデムで運営している「ジモコロ」も同様です。

■はてなには「りっすんらしさ」をわかってもらえているので軸がぶれない

f:id:hatenabusiness:20170714194054j:plain

__バーグハンバーグバーグさんが編集するジモコロと、はてなが編集するりっすんを比べた時に、どのような違いを感じられていますか。運営の際に意識されていることや、両社の特性、記事の広がりの違いなどで気づいた点があれば教えてください。

伊志嶺 ジモコロは「地元」と「仕事」というテーマだけバーグハンバーグバーグさんにお渡しして、あまり記事には口を出さないようにしています。私自身も一人の読者として楽しませてもらっていますね。ジモコロはSNSでの拡散力がすごくて、ライターさんを中心にバッと広がっていきます。

りっすんについては、自分が読んだときにどう思うかという点を重視しています。ちょっとした違和感などもはてなさんに相談をして、表現の細かい部分まで考えています。りっすんには校閲もいて、表記方法の統一など、ジモコロよりもかなり踏み込んで記事を作っています。過去にりっすんに寄稿いただいたブロガーさんが、SNSでシェアしてくださっていたり、ブックマークでコメントをくださっているのを見ると、とてもありがたいですね。

__はてなでもブロガーさんに「りっすん」への寄稿をお願いすると「書きたかったんです」「読んでます」とおっしゃっていただくことが多く、ファンになってくださっている方の存在を感じています。はてなの編集スタンスや体制についてどう感じていますか。

伊志嶺 ライターさんやブロガーさんを大切にされているなと思います。それに、企画段階から入っていただいているので、弊社の人間よりも「りっすんらしさ」をわかっていただけていると思います。そのおかげでメディアとしての軸がぶれません。

__今まで公開した記事で特に印象的だったものはなんですか。

伊志嶺 やはりジュリー下戸さんの『「天職」からの「転職」』ですね。りっすんはこういう記事を出すべきだなと思いました。それから、『子どもを保育園に預けて働くことは、かわいそうなんかじゃない』も印象的です。こういう問題こそ本当にリアルな声だなと思いました。

www.e-aidem.com

■社会人スタートはレストラン。異業種からオウンドメディア運営に関わるように

__伊志嶺さんご自身の経歴を伺ってもよろしいでしょうか。

伊志嶺 私は社会人になったのが24歳くらいのときで、ホテルのレストランで働いていました。その頃からライターになりたいという気持ちがあって、27歳のときに「コピーライター募集 未経験OK」という折込広告を見てアイデムにアルバイトで入社したのです。そこで1年くらいライター経験をつめば、次のステップに行きやすいなと考えていました。今はウェブライターになるにもいろいろな入り方があると思いますが、当時はどうしたらいいかわからなかったんですね。

その後、正社員にならないかという話があり、原稿のアップや営業サポートのような仕事もしながら33歳の頃に人事異動でソーシャル担当になりました。TwitterやFacebookの公式アカウントを運営する仕事だったのですが、徐々に書くことからは遠ざかってコンテンツのチェックの仕事が増えていきましたね。

そうこうしているうちにマーケティング領域に携わるようになり、ジモコロやりっすんに関わるようになりました。ふつうにライターを目指していたら、出会えなかった人ともお仕事ができるようになってよかったと思っています。

__伊志嶺さんご自身もユニークな経歴をお持ちなのですね。りっすんでも「働き方の多様性を示したい」「いろんな過程を経て、その人らしいキャリアを築けている人にお話しを聞きたい」という意図がありますが、伊志嶺さん自身のご経験や、働く人へのまなざしが反映されているように思います。

■りっすんを通して仕事との出会いを作りたい

__りっすんとして今後やりたいこと、目標などはありますか。

伊志嶺 現状は特に営業要素を入れずに運営していますが、アイデムの本業は人と企業を結びつけることなので、何かしらりっすんを通してお仕事と出会えるような仕組みを作れるといいなと思います。もしくは、まったくの独自路線をいくか……。まだちょっとそこは明確に決めきれていないです。

今は私が窓口ですが、他の人に任せてもりっすんらしさが出せるような社内体制作りもしていかないといけませんね。

いずれにしても、ブロガーさんに「ここで書いてみたい」と思ってもらえるメディアを目指していきたいです。

__ありがとうございました。



開設から1年。「りっすん」は、たくさんのブロガーさんや企業様に支えられて、働く人の共感を集めるメディアとして成長してきました。その裏にはアイデム様の、読者や働き手に対する真摯な姿勢がありました。"はたらく女性の深呼吸マガジン"りっすんをより多くの働く女性に届けられるように、はてなでは今後も運営を続けてまいります。


はてなブログMediaを利用したオウンドメディア構築やコンテンツ制作をお考えの企業様は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

企画・制作:はてな
執筆・写真:山田井ユウキ

アイデム様のオウンドメディア「ジモコロ」に関する記事

business.hatenastaff.com
business.hatenastaff.com